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喜作新道 ある北アルプス哀史 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞社 |
発売年月日 | 1986/07/20 |
JAN | 9784022603821 |
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喜作新道
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喜作新道
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商品レビュー
3
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※このレビューにはネタバレを含みます
喜作新道とは、これが開通したことで早く槍ヶ岳にアプローチでき、アルプス銀座と呼ばれる人気ルートを確立したものである。 本書は新道を切り拓いた喜作、他に常さなど一般人のアルプス登山の興隆期に存在した山男たちや登山家たちの様子を描く。 また、後半は喜作の死因を詳しく追う。事実を追い求めて聞き取りを重ねて書いたドキュメンタリーであるが、なにぶん何十年も経過してからの取材なので、想像や推量を含めた謎解きもののようになっている。 執拗に聞き取りを重ねたらしい著者は、村に波紋を起こしてしまい、仮名で事実にないフィクションに差し替えねばならないところもあったという。 喜作の死をめぐって、著者は村の暗闇と全員共犯者のような後ろめたさを明るみに出してしまったようだ。 息詰まる水呑み百姓の殺伐たる世界。その底辺に位置する猟師たち。その日暮らしの彼らのなかで、ひときわ異才をはなった喜作の生涯は、英雄的にすら思えた。 村のいやったらしさといったら。人類学的に非常に価値あることかもしれない。不謹慎かもしれないが、面白かった。
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去年の9月に北アルプスプチ縦走したときに出会った、喜作新道。燕岳から大天井岳にむかう途中、なだらかな裏銀座からガラリと変わり岩だらけの道になる。 大きめの岩がゴロゴロしてる道を作ったのがこの人なんて!というか人間が作ったなんて!驚きだった。 山を知り尽くした猟師であり山案内人の...
去年の9月に北アルプスプチ縦走したときに出会った、喜作新道。燕岳から大天井岳にむかう途中、なだらかな裏銀座からガラリと変わり岩だらけの道になる。 大きめの岩がゴロゴロしてる道を作ったのがこの人なんて!というか人間が作ったなんて!驚きだった。 山を知り尽くした猟師であり山案内人の喜作は息子と一緒になだれに巻き込まれて不可解な死をとげる。 山に生きる男の力強さと圧倒的な体力に感服する。 米担いで夜の北アルプスを往復とか、すごいよ。信じられない体力だよ。 明治〜大正時代の山は変わり者でお金持ちの大学生しか登らなかったらしい。山小屋に泊まるのも相当高かったみたい。 今はよい時代になったんだな〜 時代背景は第二次大戦の少し前で終わる。 田舎からみえる、日本が戦争に向かっていくことになった群集心理も描かれていて、ただの山岳ルポに収まっていないところも読んだ価値があると思える理由。 キリキリと貧困に追い詰められる農民。戦争を景気回復の手段としか考えなくなる。 こんなはずじゃなかった。 あの時代に生きた人はみんなそう思うんだろう。
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