いい女をおさえつけることはできない アリス・ウォーカー短篇集 集英社文庫

アリスウォーカー【著】, 柳沢由実子【訳】

• 内容紹介: 内容:一九五五年.どうやって州一番の腕きき弁護士を殺せたかって？かんたんよ。 エリ-シア.恋人.ペチュニア.ロ-ド、テイシ、ガ-ドナ-を知ることによって至った＜別れ＞ 名声.中絶.ポルノ.ル-ナとアイダ・B.ウェルズ.ロ-レル.時の手紙あるいはこのサド・マゾヒズムを許すべきか？ 春突然の帰郷.ソ-ス(源)
• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 1986/08/01
• JAN: 9784087601220

商品レビュー

2022/09/23

逃げ出せない、変えることのできない、前提条件下のもとの、様々な暴力と差別。
闘いを挑む女性たち。
声をあげることにより、舌を焼かれる恐怖。
立ち上がることにより、周囲の男性たちにも向けられる暴力。

肌の色の優先順位なんて、あってはいけない。

2013/02/25

カラーパープルの著者の短編集。実は本で読むのは初めてです。（カラーパープルは映画で見たので）図書館で借りました。どの話もパンチが効いていて登場人物がまるで生きている人のように存在感があるなと思いました。

自分は４年間外国に住んでいた事があるのですが滞在中ずっと、その国では自分は異物なんだと言うことを肌で感じていたような気がします。学校にも行っていたし、差別されたわけではないのですがその土地や文化に属していないと言うか同化できないと言うか。日本に帰ってきて皮膚が溶けて日本と言う空気と一体となっているような気分を味わったことを思い出します。動物的に言うと多分自分のテリトリー外でいつも緊張していたんでしょうね。観光や仕事で海外に行った時はそこの土地で生活をしていた訳ではないのでそれほど違和感を感じなかったのですがある程度の警戒と言うものを持って異国の地を踏んだような気がします。

この作品の主人公たちは肌の色で差別される時代を経て、自分の生まれた土地なのに自分たちがそこに居ることに違和感を感じていたのかなあとそんなことを思いました。それは大層辛いことだと思うのです。そして女性であると言うことで抑圧や制限をされる社会と言うものはまったくもって許せないなあと思うのです。