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ふたつの春 福武文庫
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ふたつの春 福武文庫

増田みず子【著】

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ふたつの春 福武文庫

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商品詳細

内容紹介 内容:死後の関係.個室の鍵.桜寮.誘う声.ふたつの春
販売会社/発売会社 福武書店
発売年月日 1986/07/15
JAN 9784828830216

ふたつの春

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2024/11/21

著者の第一作である「死後の関係」など、五作品を収録しています。 著者は長編『シングル・セル』において、単体としての人間生命を観察するという試みをおこないますが、本書に収録されている五つの物語でも、同様の主題が追求されているといえるように思います。いずれも作品も、密度の高い文体で...

著者の第一作である「死後の関係」など、五作品を収録しています。 著者は長編『シングル・セル』において、単体としての人間生命を観察するという試みをおこないますが、本書に収録されている五つの物語でも、同様の主題が追求されているといえるように思います。いずれも作品も、密度の高い文体で、登場人物たちの心理の襞を微細にえがき抜いているように感じられます。 ただし、本書の五作品はいずれも若い女性が主人公で、彼女たちがつねに苛立ちを身にまとっていることが、『シングル・セル』との大きなちがいとなっています。あるいはなにかの意図があってこうした人物像を設計したのかもしれませんが、全共闘くずれらしい七人の男子学生たちの無遠慮な振る舞いに辟易している「個室の鍵」の主人公を見ると、作品の時代背景からの影響と見るべきなのかもしれません。そのせいで、単体としての人間生命というテーマが、他者の拒絶という人間社会にかんする問題へとずれ込んでしまっているのではないかという疑いをいだいてしまいました。 けっして後ろ向きな「孤独」ではなく、単体としての人間生命のありかたを見つめつづける著者のまなざしが十全に表現されているという点では、『シングル・セル』の完成度の高さがきわだっているように思います。

Posted by ブクログ

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