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エンデと語る 作品・半生・世界観 朝日選書306
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞社 |
発売年月日 | 1986/06/01 |
JAN | 9784022594068 |
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エンデと語る
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
本書を手に取ったほとんどの方の動機は、『ジム・ボタン』や『モモ』、『はてしない物語』を書いた作者は一体どんな人だろう?という興味ではないかと思う。なにせこの国は、本国ドイツに負けないくらいエンデが愛された国である。私も夢中で読んだ記憶がある。 でも、私の動機はちょっと違った。別の...
本書を手に取ったほとんどの方の動機は、『ジム・ボタン』や『モモ』、『はてしない物語』を書いた作者は一体どんな人だろう?という興味ではないかと思う。なにせこの国は、本国ドイツに負けないくらいエンデが愛された国である。私も夢中で読んだ記憶がある。 でも、私の動機はちょっと違った。別の本で、エンデが経済学に強い関心を持っていることを知ったのである。エンデが経済学⁈ 私は大学でドイツ文学専攻だったから、一応の事情には通じているつもりだったが、それでも寝耳に水だった。 驚くことに、本書のインタヴューがなされたのは1985年。まだインターネットもパソコンすらもなかった時代だ。その頃すでにエンデは、利潤の追求のみを至上命題とし、1/5の人間が残りの4/5を全部合わせたよりも多くの富をモノポライズする、資本主義社会の行末を見通していたのである。その事実を知ってみれば、彼の作品に対する見方もがらりと変わってくる。あの『モモ』の時間泥棒の話でさえ、「忙しくて自分の時間が持てない現代人のアレゴリー」では済まない。早く『はてしない物語』や『鏡の中の鏡』を読み返さなくては。 エンデは自身の作品をあまり解説したがらないイメージだ。インタヴューでも語っている通り、彼の作品は体験されるものであって、分析・解釈されるものではない。「この作品に込められた作者のメッセージは何か」という現代病に辟易しているのだ。だが一方で、「読者を啓蒙したければエッセイや評論を書きます」とも述べており、このインタヴューもまさにそれに相応しい場ということなのだろう。本書におけるエンデは、なんと饒舌なことか! エンデという名前は、ドイツ語で終わりを意味する。しかし彼の本は、読み終わったらハイおしまい、ではない。私は彼の作品を、この先あと何回読むことになるだろう。
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『モモ』や『はてしない物語』で知られる児童文学作家のミヒャエル・エンデと、子安美知子・文の母娘の対話を収録しています。 「エンデと語る」というタイトルの通り、インタビュー形式でエンデから話を聞き出そうとするのではなく、お互いに語り合う中で3人の言葉が共振し、しだいに深い洞察が自...
『モモ』や『はてしない物語』で知られる児童文学作家のミヒャエル・エンデと、子安美知子・文の母娘の対話を収録しています。 「エンデと語る」というタイトルの通り、インタビュー形式でエンデから話を聞き出そうとするのではなく、お互いに語り合う中で3人の言葉が共振し、しだいに深い洞察が自然とあふれ出てくるような印象を受けました。とくに若い文が物怖じすることなく大胆に意見を表明することで、自然な形で3人の会話が進んでいきます。またエンデも、通り一遍の回答ではなく、2人の対話者の言葉に耳を傾けながら、彼自身の考えていることを正直に語っているように思えます。 三者ともシュタイナーの教育思想に関わりがあるため、自然と話題はシュタイナーの人智学に及んでいますが、ここでもやはり文がシュタイナー教育に対して両義的な態度を示し、エンデと美知子は文の意見に耳を傾けながら、教育とは何かという問題を掘り下げていこうとしています。 対談本には散漫な内容のものが多く、感心させられることが少ないのですが、本書は最後まで興味深く読むことができました。
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著者の子安さんはシュタイナー教育について聞かれた時に、ミヒャエル・エンデ『モモ』の「時間の花」についてお話しするそうです。 子安さんは、シュタイナー教育であろうと他の教育であろうと、大事なことは子どもたちの背後に「時間の花」が見えてくるような、そういう人間になっていることが、教...
著者の子安さんはシュタイナー教育について聞かれた時に、ミヒャエル・エンデ『モモ』の「時間の花」についてお話しするそうです。 子安さんは、シュタイナー教育であろうと他の教育であろうと、大事なことは子どもたちの背後に「時間の花」が見えてくるような、そういう人間になっていることが、教育を行う前提なのではないかと言っています。 「時間の花」 咲いては散り、散っては咲く、どの花も一回一回そのときが一番美しいと思えるような咲きかた。 教育という場には、子どもたちの、その瞬間瞬間が最も生き生きとして美しい、そういう姿が見えていることが、大事なのだと思いました。
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