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ギリシア悲劇(4) エウリピデス(下) ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | 内容:エレクトラ 田中美知太郎訳. タウリケのイピゲネイア 呉茂一訳. ヘレネ 中村善也訳. フェニキアの女たち 岡道男訳. オレステス 松本仁助訳. バッコスの信女 松平千秋訳. アウリスのイピゲネイア 呉茂一訳. レソス 柳沼重剛訳. キュクロプス 中村善也訳. 付:ギリシア悲劇関係年表 |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1986/05/01 |
JAN | 9784480020147 |
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ギリシア悲劇(4)
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6件のお客様レビュー
いずれも紀元前5世紀の作品。 ギリシア悲劇といえば確か高校生の頃に新潮文庫のソフォクレスと、あと何か岩波文庫で1、2冊読んだきりだった。最古の層の物語として受け止め卒業したような気分でいたが、ルネ・ジラールの『暴力と聖なるもの』(1972)でエウリピデスの『バッコスの信女』が...
いずれも紀元前5世紀の作品。 ギリシア悲劇といえば確か高校生の頃に新潮文庫のソフォクレスと、あと何か岩波文庫で1、2冊読んだきりだった。最古の層の物語として受け止め卒業したような気分でいたが、ルネ・ジラールの『暴力と聖なるもの』(1972)でエウリピデスの『バッコスの信女』が極めて詳細に取り上げられており、ジラールの著書のテーマである「暴力-供犠-聖なるもの」の一つのモデルとして具現されたその内容を読んでおきたくなって、この本を買ったのだった。 「バッコスの信女」は凄い作品である。恐ろしく衝撃的な「文学」だ。 本作は新進の神ディオニュソスを軽んじてそれへの信仰を抑圧しようとするテーバイ王ペンテウスが、ディオニュソスに睨まれ、この神を信仰する女性たちにより生きたまま四肢をもぎ取られ、肉をひきちぎられてしまうというストーリー。 このスプラッタな場面は目撃者によって証言されるのだが、およそ20世紀以降のゾンビ映画にも比すべき血みどろのグロテスクな場面なのである。2500年以上も前にこんなスプラッタホラーな描写があったことに戦慄した。 しかもディオニュソスを信仰する女性群のリーダーは王ペンテウスの実の母親であり、いわばトランス状態で息子を八つ裂きにした彼女が正気に帰り、手にした息子の生首を見て上げる悲鳴は、まさに「悲劇」であって、『オイディプス王』の近親相姦の罪に相応する破局となっている。 ペンテウスを惨殺する暴力こそは神ディオニュソスの「力」であり、そこにまさしく「聖性」がある。これは恐るべき厳格な「聖性」だ。そこからジラールの思索は深まってゆく。 高校時代のあとじわじわと民族学・人類学の本を読み進めてきた現在、この作品以外でもエウリピデスの作品はその文脈で極めて興味深いものだ。確かに「供犠」の主題は様々な作品にしょっちゅう出てくる。そこに刻み込まれた当時のギリシア人たちの信仰・文化・社会をいかに捉えるべきか。これはなかなかに魅力的な研究課題である。 ついでに言うと、本巻には9つの作品が含まれる中で、アガメムノンの息子オレステスがやたらと頻出するのも興味深かった。トロイア戦争の原因となったという女性ヘレネのポジショニングについては、エウリピデスは作品ごとに評価のスタイルを変えていたようで、そうしたことも、当時の劇作=文学者の心づもりが察せられるように思えた。
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ついにギリシア悲劇全巻読み終えた。まだまだ読み足りない。ギリシアの世界の豊饒さと作者の創造力に栄あれ。『タウリケのイピゲネイア』『フェニキアの女たち』『バッコスの信女』が特に良かった。
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最晩年の「バッコスの信女」や「アウリスのイピゲネイア」が完成度が高い感じがした。 唯一現存するサチュロス劇である一つ目の化け物を扱った「キュクロプス」もちょっとエッチで滑稽で面白かった。 ニーチェさんは悲劇を貶めたとエウリピデスさんを批判していたけれどなんか人間っぽくて憎めない感...
最晩年の「バッコスの信女」や「アウリスのイピゲネイア」が完成度が高い感じがした。 唯一現存するサチュロス劇である一つ目の化け物を扱った「キュクロプス」もちょっとエッチで滑稽で面白かった。 ニーチェさんは悲劇を貶めたとエウリピデスさんを批判していたけれどなんか人間っぽくて憎めない感じがした。やっぱりまんなか50だなぁ~ 特に「バッコスの信女」の中のコロス(合唱隊)の詩句が心に残った。 いつの日かまた夜をこめて 舞い舞い折の来たれかし、 夜目にも白き脚をあげ、 露含む山気のうちに 頸(うなじ)をばうちふるいつつ。 さながらに若鹿の、 声高に犬を促す 狩人の声をしり目に めぐらせる網を乗り越え 勢子たちの守りを破り 逃れきて心も楽しく 緑なす野に跳びあそぶごと。 ひたむきにかぜのごとく 川沿いの野を駈け抜けて、 人気なき森の葉蔭を 楽しめる小鹿さながら。 人の世に何をか知とは呼ぶ、 いなむしろ 敵をば打ちひしぐその快さ、 いかなる神の賜(たまもの)ぞ かくはめでたき、 めでたきことはまたつねに快きもの。 神の力の顕われは 急がず、されど過たず 人間の心狂いて 我執に迷い 神々を敬わぬものあれば 神意はこれを匡(ただ)したもう。 ゆるやかに流るる時の歩みをば 巧みに秘して、神々は 不敬の輩を討ちたもう、 古往より守り来たれる法(のり)を越えて 想いを馳せ、事理を探るは正しからず。 心霊の在(いま)すを信じ、 幾世を継ぎて法(のり)となれるは 本然の理に根差し 真理もまたここに在りと 思えば費(つい)え少なからん。 人の世に何をか知とは呼ぶ、 いなむしろ 敵をば打ちひしぐその快さ、 いかなる神の賜ぞ かくはめでたき、めでたきことはまたつねに快きもの。 仕合わせは、海の上 嵐を逃れ、つつがなく港に入るとき、 仕合わせは、苦労を終えて憩うとき、 またさまざまに富を追い、 名を求めては 他を凌ぐも快し。 さらにまた人それぞれに 希望(のぞみ)あり、よき首尾にかなうもあり、 また泡沫(うたかた)と消え去るもあり。 それゆえに今日また明日と、 その日々に仕合わせあれば、 それをしも真(まこと)の幸とわれは呼ぶ。 (「バッコスの信女」P495より) エレクトラ タウリケのイピゲネイア ヘレネ フェニキアの女たち オレステス バッコスの信女 アウリスのイピゲネイア レソス キュクロプス
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