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恐怖の2時間18分 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1986/05/01 |
JAN | 9784167240059 |
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恐怖の2時間18分
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技術の発達は私たちに様々な恩恵を与えてくれる。その反面、使う 側の人間が振り回されることも多いのではないか。 本書は1979年3月28日に発生した、アメリカ・スリーマイル島原子力 発電所の事故を再現し、巨大なシステムを運用する際の安全面を考察 している。 ヒューマン...
技術の発達は私たちに様々な恩恵を与えてくれる。その反面、使う 側の人間が振り回されることも多いのではないか。 本書は1979年3月28日に発生した、アメリカ・スリーマイル島原子力 発電所の事故を再現し、巨大なシステムを運用する際の安全面を考察 している。 ヒューマン・エラーとして片づけてしまっては、巨大事故の本質は 見えてこない。では、何故、ヒューマン・エラーが起きたのか。 そこには最新技術への過度の依存と、その技術が使う側の視点から 構成されたシステムではなかったことが大きい。 重大な危機に直面して、人は平常心を保っているのは難しい。どうに かこの危機を脱しなければと気持ちは焦る。それなのに、次々と警報音 が鳴り、コントロール・パネルの無数とも思えるランプは点滅を続ける。 冷静になるどころか、鳴り響く警報音や点滅を続けるランプは益々混乱 を招き、今、何が最優先事項であるのかを判断する能力さえ奪う。 恐怖である。スリーマイル島原子力発電所の事故に関しては、たまたま 外部の目が最大の問題点に気付いたからいいようなものの、事故発生時 の運転員たちの目だけであったのなら、危機は侵攻し続けていた可能性 が高い。 「──原発事故においては、目に見えない放射能が相手であり、情報 を正しく理解するには、科学的知識を必要とする。 ペンシルバニア州では、その後連邦政府の関係機関と連絡して、原発 事故発生時における緊急連絡体制を作り、一九八〇年七月にはじめての 大がかりな緊急連絡訓練を行ったが、それでも必ずしも円滑には行かな い問題点の残されていることが、明らかになっている。苦い経験をした ペンシルベニア州でさえ、そういう状態である。日本の関係機関は、 いざというときにうまくやれる自信を持っているのだろうか。」 福島第一原子力発電所の事故を経験した後では、著者のこの問題点の 指摘はまったく考慮されていなかったように感じる。 スリーマイル島原子力発電所の事故も、チェルノブイリ原子力発電所の 事故も、原子力推進派は「日本じゃそんな事故は起きるはずはない」と 言って来たのだから。
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1979年アメリカのペンシルバニア州スリーマイル島原子力発電所で発生した重大な事故について、その事象の進行を様々な切り口から辿ったノンフィクション。原子力発電所は言うまでもなく大変複雑なシステムなので、メルトダウンに至る事実の経過を正確に記述しようとすると、大変難解になりがちです...
1979年アメリカのペンシルバニア州スリーマイル島原子力発電所で発生した重大な事故について、その事象の進行を様々な切り口から辿ったノンフィクション。原子力発電所は言うまでもなく大変複雑なシステムなので、メルトダウンに至る事実の経過を正確に記述しようとすると、大変難解になりがちです。しかし、著者の柳田氏は航空機事故や医療事故などシステムとヒューマンエラーとの関わりを長年取材してきただけに、非常に分かりやすく、また正確に事故の全容を記述されています。なぜ原子炉内の水位が低下しているにも関わらず注水を止めてしまうのか、原子炉内の圧力を下げたいのに簡単に下げられないのはなぜか、など一般読者が感じる疑問も本書なら読み進むうちに「なるほど!」とすっと頭に入ってきます。原発事故関連のニュースに接する時、難解な専門用語がたくさん出てきますが、そのような専門用語についても本書を読めば、ほぼその解説が網羅されています。非常に役立つ情報が詰め込まれた一冊です。さすが柳田氏の本だと思います。期待を裏切りません。
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【人間が振り回された朝】周辺の自治体だけでなく、全米、全世界の注目を集めたスリーマイル島の原子力発電所事故。人々をパニックの境地に追い立てたその事故の原因、そして混乱の波及の仕方をドキュメントとして記録した作品です。著者は、飛行機や鉄道などの大型システムが絡む事故を徹底的に追い続...
【人間が振り回された朝】周辺の自治体だけでなく、全米、全世界の注目を集めたスリーマイル島の原子力発電所事故。人々をパニックの境地に追い立てたその事故の原因、そして混乱の波及の仕方をドキュメントとして記録した作品です。著者は、飛行機や鉄道などの大型システムが絡む事故を徹底的に追い続けた柳田邦男。 タイトルだけを見ると、原子力に対して是か非かという本に見えなくもないですが、内容は極めて「危機管理」に特化したもの。合理的に考えられながらもいざというときにまったく役に立たない対策システムの危険性や、小さな不作為が次第に積み重なってとんでもない事故を引き起こす原因となることなどをしっかりと指摘しており、システムと人間の関係性を考える上で有意義な作品でした。 第二章で描かれる混乱の波及の様子は、あらゆる大規模事故・事件に当てはまると思うのですが、実際に自分がその当事者となっていたら冷静にかつ現実的に対応できるものなのだろうかといろいろと考えさせられるところがありました。スリーマイルの事故では専門家ですらも、今から見ればあり得ないほど誤った判断を下し続けるのですが、「恐怖心」を念頭に置かないと当時の人々の考え方はわからないのかも。 〜危機管理とは、抽象的な一般論では役に立たない。あくまでも実践的でなければならない。〜 危機管理って本当に重要なのに学び方が本当に難しい☆5つ
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