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流離譚(上) 新潮文庫
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流離譚(上) 新潮文庫

安岡章太郎【著】

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流離譚(上) 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1986/02/25
JAN 9784101130064

流離譚(上)

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商品レビュー

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2019/11/02
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数年前、図書館の棚でハードカバーのこの本(上下巻)を見たとき、あまりの厚さと文字の多さにくらくら来た。 当然文庫になったら三分冊だろうと思ったのに、上下巻。 だもので、文字小さっ! 思えば安岡章太郎の本を読んだのは中学生の時以来か? 父の本棚からエッセイ集を取り出して固め読みしていた。 小説は読んだことないかも。 そしてこの作品も小説ではない。 土佐の郷士一族の末裔である安岡章太郎の親戚に、なぜか東北弁を話す一家がある。 安岡家本家の墓がなぜ会津にあるのか。 家系図を辿り、5代前の先祖の日記をひもとき、親戚や地元の人に取材をし、古文書を読み検証する。 時は幕末。 土佐藩の武士は上士と下士という厳然たる身分で差別されており、上士は佐幕、下士は勤皇に分かれてなにかと対立していた。 安岡家は下士の身分で、著者の5代前の先祖文助の三人の息子も時代の流れに翻弄されていく。 幕末の土佐の藩主といえば山内容堂が有名だけれど、実は次々と早世する本家の跡取りの穴を埋めるためのワンポイントリリーフという扱いで、常に本家の監視の目にさらされ、我が子を跡取りにしない旨一筆書かされてもいたりしたのだ。 殿さまも辛いね。 そして土佐の勤皇運動というのはあくまでも長州にぶら下がったものなので、時勢に翻弄されることはなはだしい。 家族の歴史を理解するためには日本の歴史を振り返らなければならないのだ。 土佐は陸路でも海路でも交通の難所を超えないと他藩へ行けないので、太平洋に目を向けるよりも、常に内地の他藩の動向を気にしていたという。 坂本龍馬が太平洋の向こうにアメリカがあると気づくのは、勝海舟に出逢って以降のことである。 それほどに近視眼的な土佐藩士が勤皇を語ると、そりゃあ人を切って切って切りまくるのである。 上巻では文助の次男嘉助が吉田東洋暗殺の罪で刑死し、土佐勤皇等に深くかかわった長男覚之助が入牢中。 武市半平太が切腹を命じられそれを果たしたところで巻は終わる。 謎には一向に近づいていないが、膨大な資料を読み込み、真実を推察し、当時の人びとの立場や心情を慮る、その作家の目の確かさが、難しく分厚い本所をぐいぐい読ませるのである。

Posted by ブクログ

2013/12/10

(2013.12.09読了)(2013.01.22購入) 土佐の安岡家の幕末物語です。ノン・フィクションのようです。 幕末の土佐藩の様子が詳細に描かれています。当時の史料がたくさん引用されていますので、読むのに苦労します。内容の把握が難しく難儀なのですが、四苦八苦しながら読んでい...

(2013.12.09読了)(2013.01.22購入) 土佐の安岡家の幕末物語です。ノン・フィクションのようです。 幕末の土佐藩の様子が詳細に描かれています。当時の史料がたくさん引用されていますので、読むのに苦労します。内容の把握が難しく難儀なのですが、四苦八苦しながら読んでいます。山内一豊が土佐に乗りこんできてからの話も出てきます。 上巻は、安岡家の次男嘉助が吉田東洋暗殺に関わり、脱藩し、「天誅組」に加わってどんな戦いをしたのか、武市瑞山の切腹に至る経過などが詳細に語られています。 2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の武市半平太がかなり史実に近い描き方がされていたことがわかります。「天誅組」については、今まで知りませんでした。 幕末というのは、物語の宝庫で知らない話がまだまだ、ありそうです。 ●海舟の日記(399頁) 会藩は、上に人物なく、下士激烈無着落。その規模、殊に狭小。必ず労して天下の大害を生ぜん。また憐れむべし。 ☆関連図書(既読) 「サルが木から下りるとき」安岡章太郎著、角川文庫、1974.01.05 ☆関連図書(既読) 「保科正之-徳川将軍家を支えた会津藩主-」中村彰彦著、中公新書、1995.01.25 「奥羽越列藩同盟」星亮一著、中公新書、1995.03.25 「戊辰戦争」佐々木克著、中公新書、1977.01.25 「松平容保-武士の義に生きた幕末の名君-」葉治英哉著、PHP文庫、1997.01.20 「松平容保は朝敵にあらず」中村彰彦著、中公文庫、2000.02.25 「明治の兄妹-新島八重と山本覚馬-」早乙女貢著、新人物往来社、2012.05.28 「カメラが撮らえた新島八重・山本覚馬・新島襄の幕末・明治」吉海直人編著、中経出版、2013.04.24 「新島八重の維新」安藤優一郎著、青春新書、2012.06.15 「小説・新島八重 会津おんな戦記」福本武久著、新潮文庫、2012.09.01 「小説・新島八重 新島襄とその妻」福本武久著、新潮文庫、2012.09.01 「八重の桜(一)」山本むつみ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2012.11.30 「八重の桜(二)」山本むつみ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2013.03.30 「八重の桜(三)」山本むつみ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2013.07.26 「八重の桜(四)」山本むつみ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2013.10.10 「吉田松陰」奈良本辰也著、岩波新書、1951.01.20 「吉田松陰」古川薫著、光文社文庫、1989.06.20 「吉田松陰の東北紀行」滝沢洋之著、歴史春秋出版、1992.12.25 「岩倉具視-言葉の皮を剥きながら-」永井路子著、文藝春秋、2008.03.01 (2013年12月10日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 「私の親戚に1軒だけ東北弁の家がある」代々土佐に住む安岡の一族が、なぜ遠い北国に渡ったのか。歴史を遡った著者は、幕末維新を駆け抜けた安岡3兄弟にだどりつく。戊辰戦争で戦死した長男覚之助、吉田東洋を暗殺、刑死した次男嘉助、自由民権運動に関わった三男道之助。膨大な資料と綿密な取材で安岡家の歴史をひもとき、同時に激動の時代の全貌を鮮やかに描ききった巨編。

Posted by ブクログ

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