スター・レッド(フラワーC)(1) フラワーC

萩尾望都(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 1980/02/01
• JAN: 9784091305817

商品レビュー

2017/01/12

１９８０年刊行(初出１９７８年)。◆読心術を駆使できる火星人の末裔が辿る数奇な運命。と実にＳＦしている少女漫画。白い髪に赤い瞳とは、これ火星人の附票なのだろうか？(正に「宇宙戦艦ヤマト２１９９」の山本玲に結実している。)　面白い作品であることは間違いないが、この作品の隠されたテーマを読み解けるほど、私が熟達した少女漫画読みでないことを痛感させられた。

2011/11/09

再読：戦争やエスパー、火星人・女体変化など、あれだけ詰め込んでこの量に収めたのがすごい。
エルグとの恋の落ち方は彼らのアイデンティティも含んでいて、出会って間もないのに「愛してる」という言葉が今は自然に受け止められました。
初読の時気になってモヤモヤしてた源と黒羽は、希望をセリフ一つに込めてあったことに気がつけて良かった。

2011/09/02

もう30年前の作品。定期的に再読しています。
SF的発想をする人にとっては、1千年や1万年くらいなんてあっという間のことなのでしょう。
先日新聞で読みましたが、小惑星「イトカワ」もおよそ10億年以内には滅亡なんて書いてあった・・・
10億年なんて私たちにはとてつもない数字に思えるけど、SFとか宇宙にかかわる彼らにとっては
ほんの一瞬に過ぎないのですね。
いつ作品を読もうと、少しも古臭くないのはそもそも彼らの視点が、素人には想像もつかないはるかかなたを見つめているが故なのでしょう、きっと。

望郷・迫害・運命・・・いつも萩尾作品の、特にファンタジーやSF系のお話に見られるこれらの想いや事件が満載で、ストーリーも秀逸ですが、やはりこのSF度の高さは少女漫画の枠にはとどまるものではありません。

終盤、意外な展開とも言えますが、この終わり方は未来につながる希望をいつもながら他作品と同様に含んでおり私自身はとても好きですね。
「火星・・・私の赤い星・・・」とセイがルビーのようだと言われる火星人独特の赤い瞳を輝かせて火星に思いをはせる場面は忘れがたい名シーンだと思います。