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キュイジニエ(1) ヤングジャンプC
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キュイジニエ(1) ヤングジャンプC

西村ミツル(著者)

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キュイジニエ(1) ヤングジャンプC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2000/11/17
JAN 9784088760889

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2012/01/06

タイトルを見て、なんとなく前に読んだ、フランスを舞台にした料理コミックと一緒かと思いましたが、別ものでした。 (ちなみにその作品は『マリー・アントワネットの料理人』) 舞台は日本。KMKと呼ばれる謎の料理人が、有名シェフと料理対決をするTV番組が放映されています。 相手を負かし...

タイトルを見て、なんとなく前に読んだ、フランスを舞台にした料理コミックと一緒かと思いましたが、別ものでした。 (ちなみにその作品は『マリー・アントワネットの料理人』) 舞台は日本。KMKと呼ばれる謎の料理人が、有名シェフと料理対決をするTV番組が放映されています。 相手を負かし、「Kiss my knife!」という決め台詞と一緒に、料理人の命ともいわれる包丁を相手からもらい、キスをするという決めポーズに、高視聴率を保つ人気番組。 謎に包まれたKMKですが、舞台は一変して、彼の普段の素顔へと変わります。 種明かしが早い、と思いますが、彼が主人公だったわけですね。 華やかな表舞台の陰に、彼の思惑がひそんでいました。 番組に出るのは単に目立ちたがりのデモンストレーションではなく、23年前に殺された父親の敵を討つため、手掛かりとなる包丁を探していたことが明かされます。 仇討とは、かなり時代錯誤的ですが、現代の情報社会においてもなお、簡単にはつかめない犯人の行方。 頼みとなるのは、世界に二つとない父の包丁だけ。 読んでいるこちらも、力が入ります。 フランスに修行した料理人を片っ端から対決相手に指名し、包丁を巻きあげていく彼。 なんといっても、料理対決には華があります。 口が悪く、相手を挑発あるいは牽制して、対決に臨むKMK。大口をたたくだけの実力で、確実に相手を負かしていくのが小気味よく、かっこいいです。 覆面で活躍するなんて、怪傑ゾロみたいですね。 フランス料理界に権威をかざし、旧態依然とのさばっているシェフたちの鼻をへし折り、空気のよどんだ料理界に風穴を開けるということで、爽快感を味わえます。 フランス語の食材用語が紹介されており、ためになります。 「フォン・ド・ボー(fond de veau)」という言葉をなんとなく漠然ととらえていましたが、fondはだし汁という意味で、つまりは「牛肉のだし汁」だとわかりました。 なんだか日本語に直すと、別もののような気がしてしまいますが、ブイヨンの牛肉版ということでしょう。 ただ、厨房のシーンでは、誰も帽子をかぶっていないので、コック帽があった方がいいのではないかと思います。 KMKが普段働いているのは一流ホテルの厨房という設定なので。女性は髪が長めなわけなので、気になりました。 とにかく、主人公が生き生きと輝いています。 真摯に料理と向き合っているからでしょう。 対決でピンチに陥っても、持ち前の応用力で切り抜けていく手腕が鮮やか。 茹でキャベツで腸詰の絞り袋の代用をしたのには舌を巻きました。 原作者は元調理人とのこと。でないととても思いつかないでしょう。 この本を書き上げるにあたり、麻布のクイーンアリス迎賓館に取材にいったレポートが載っていました。 元は黒柳徹子の母君のお宅だとのこと。知りませんでした。チョッちゃんハウスはなんてゴージャスなんでしょう。 原作者による、作中に登場したレシピが巻末に紹介されています。 TV番組用の、現実感のなさそうな料理でしたが、それが実際に作れるとはビックリしました。 また、「インドにビーフカレーなんてものは存在しませんよ」というセリフにはハッとしました。 インドでは牛を食べないんですから、確かにそうですよね。 ビーフカレーって、現地のものではなかったんですね。 そういう、さりげなく気付かされるネタがそこここに出てきて、楽しく読めました。

Posted by ブクログ

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