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ネオ・ファウスト(愛蔵版)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞社 |
発売年月日 | 1989/04/01 |
JAN | 9784022559333 |
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ネオ・ファウスト(愛蔵版)
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商品レビュー
4.7
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手塚治虫忌。1989年2月9日。この日のことはかなり細部まで覚えている。 その頃私は、毎日隣の市の実家に通っていた。母親が先月亡くなり、「おかんき」のためにお経を唱えに帰っていたのである。裏玄関引戸を開けると、仏壇を背景に妹が「手塚治虫が亡くなったらしいよ」と、いの一番の世間話...
手塚治虫忌。1989年2月9日。この日のことはかなり細部まで覚えている。 その頃私は、毎日隣の市の実家に通っていた。母親が先月亡くなり、「おかんき」のためにお経を唱えに帰っていたのである。裏玄関引戸を開けると、仏壇を背景に妹が「手塚治虫が亡くなったらしいよ」と、いの一番の世間話を繰り出した。 「え?」何かの冗談だと思った。入院していることは聞いていた。連載も休載になっているけど、いつものように元気に再開してくれるものだと信じていた。だって「グリンゴ」以外にあと2本ぐらい連載しているんじゃなかったけ。人間、急にそんなに速く亡くなるものなのか? テレビは、未だ天皇「崩御」のための特別番組編成が崩れていなかったけど、トップニュースは流石に「手塚治虫死去」に切り替わった。繰り返し「鉄腕アトム」の映像が流れた。こんなもんじゃない。手塚治虫って、こんなもんじゃない。何?天皇に比べて、このニュースの扱いは?悲しみより先に怒りが来た。 悲しみは、その後かなりじわじわと引き摺った。一週間以上、仕事の最中車を運転しながら、涙が出て止まらなくなることが終わらなかった。母親のとき以上に泣いているのが不思議だった。 初めて「(こんな言葉使いたくないけど、しっくり来る言葉を見つけられなかったので)昭和が終わった」と思った。 さて、「ネオ・ファウスト」である。手塚治虫の死後2ヶ月経っての4月、はやくも朝日新聞社から出版された。何処かで勘違いしていたが、ファウストたる一ノ関(=坂根)が、妊娠させ捨てた女・まりこが何処かに落ちてゆく、完全にデッサンの狂ってる「絶筆」のページは、この本には載っていなかった。それでも、最終ページは「朝日ジャーナル(!)」12月16日号である。まともな原稿を、死ぬ2ヶ月ほど前にはきっちり描いているのには今更ながら驚愕する。最終ページの一ノ関の正面顔が、若干デッサンが狂っているのさえも、愛おしい。 他の証言で確定しているけれども、手塚治虫は(本作品が手塚の生涯のテーマを扱っているとはいえ)決して「生涯の総決算=遺作」として描いていたわけではない。ことは改めて確信した。ホントに最後の最後まで、この壮大で複雑な構成の作品を一つの作品として完成させようとしていたのだし、他にもバーゲンセールするほどにアイデアを持っていたのだ。 その上で、「生命の謎」を解こうとする一ノ関教授(=悪魔と契約したファウスト)の、行く末を見たかった。息子の手塚真が、あとがき談話に「正月のころ、『もうすぐ治るから、退院したら今後のことを話そう』と言」っていたと述べている。私の父親と同じだ。昏睡状態に入る一ヶ月前までは、そういうことも話せていたのだ。けれども、大事なことは、もうすでに何も話せなくなっているのである。
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朝日文庫で読んだ手塚治虫のファウストは、もう一つよくわからないままの不完全燃焼だった。 また、判型の小ささから読みづらかった。 せめて本書くらいの大きさは、欲しい。 ブックログに登録するための所作から、本書が手塚治虫の絶筆だと知った。 亡くなった頃に発売されたムックの様な...
朝日文庫で読んだ手塚治虫のファウストは、もう一つよくわからないままの不完全燃焼だった。 また、判型の小ささから読みづらかった。 せめて本書くらいの大きさは、欲しい。 ブックログに登録するための所作から、本書が手塚治虫の絶筆だと知った。 亡くなった頃に発売されたムックの様な何冊かに書かれていたのか定かではない。 忘れていたのかも知れない。 いずれにせよ本書を読むのは初めてだ。 奥付には1989年4月25日第一刷とある。 もう32年も前で紙質もあるのか、かなり古書然としている。 しかし、流石に手塚治虫だ。一気に読ませる。 美乳の美形の悪魔が登場してからは、どんどんと読ませる。 本書が書かれたのは、昭和の末期で、 手塚治虫が亡くなったのは、平成になったばかりの頃だった。 令和になって本書を手にしたのだが、紙質は色あせても、 内容は色あせない。
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内容紹介(amazon) 手塚治虫が命を燃やして描いた未完の絶筆!人間に絶望した一ノ関教授は悪魔メフィストと取引し、魂と引き換えに新しい人生を手に入れた。彼は自らの手で生命を創造するという恐ろしい野心を抱くが……!?
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