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ばるぼら(文庫版)(上) 角川文庫
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ばるぼら(文庫版)(上) 角川文庫

手塚治虫(著者)

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ばるぼら(文庫版)(上) 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店
発売年月日 1996/12/20
JAN 9784041851326

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商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2022/05/09

映画を先に見て、いったいどんな原作なんだ!と読んでみたくなって。二階堂ふみが演じたバルボラは薄汚れ感も含めて女体のなまめかしさがあったが、漫画のバルボラはもっと少年のようで、どこか人のよさが漂うフーテンだった。「砂丘の悪魔」「黒い破戒者」など、白昼夢を見ているような内容にゾクゾク...

映画を先に見て、いったいどんな原作なんだ!と読んでみたくなって。二階堂ふみが演じたバルボラは薄汚れ感も含めて女体のなまめかしさがあったが、漫画のバルボラはもっと少年のようで、どこか人のよさが漂うフーテンだった。「砂丘の悪魔」「黒い破戒者」など、白昼夢を見ているような内容にゾクゾク。「デパートの女」は映画に軍杯。「複製」も映像化したら面白そう。美倉のたたずまいや街の様子に感じる昭和が新鮮だ。下巻も楽しみ。

Posted by ブクログ

2021/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【下巻のネタバレも含みます⚠️】 物語前半と後半でかなり印象の異なる、黒手塚の問題作。 上巻はまだブラックジャックとピノコの駆け引きを眺めているような、ほっこりした感慨があったが、これが下巻になると明らかな悪魔主義、オカルティズムの傾倒へと崩壊を見せ始め、おぞましい儀式や呪い人形が登場したり、魔女という概念がすんなりと受け入れられていることなど、ただただ読者を困惑に陥れるアバンギャルドな作風へと変貌する。 上巻冒頭でいきなりばるぼらがヴェルレーヌの詩を口ずさんだり、主人公美倉洋介自身も異常性欲持ちの耽美主義作家で、作中にも様々な文化人の名前や言葉が登場してくるあたり、そして結局はこの『ばるぼら』が美倉洋介の遺作であることから考えても、『ばるぼら』は衒学的でいっそ幻想的とも形容できる(事実、手塚は『ホフマン物語』からインスピレーションを得たと語る)。ばるぼらとは何者か、彼女は実在したのだろうか……。謎は沢山残るものであって、それがいい。 だからこそ、『ばるぼら』を世に出せば付きまとうであろう世間の評価を手塚治虫は既に予想しており、作品各中に見られる「芸術とは何か。狂気と芸術の差異とは」などの問題提起も忘れていない。私はこの問いかけを手塚治虫がしてくることに衝撃を受けたが納得したし、いわゆる漫画界の神様とまで言わしめた手塚の才能と苦悩をも、『ばるぼら』では微細でありながら大胆に感じ取ることができる。 いい意味で裏切られた作品だった。『奇子』と並んで評価される所以である。

Posted by ブクログ

2018/07/11

【あらすじ】 耽美主義の小説家・美倉洋介が、新宿駅で行き倒れ寸前のフーテン娘・バルボラを助ける。そこから二人の奇妙な同棲生活が始まる。飲んだくれでうす汚く、厚かましくておせっかいなバルボラだが、美倉洋介はなぜか彼女に惹かれてしまう。彼女に導かれるように、美倉の心の旅は続いていく。...

【あらすじ】 耽美主義の小説家・美倉洋介が、新宿駅で行き倒れ寸前のフーテン娘・バルボラを助ける。そこから二人の奇妙な同棲生活が始まる。飲んだくれでうす汚く、厚かましくておせっかいなバルボラだが、美倉洋介はなぜか彼女に惹かれてしまう。彼女に導かれるように、美倉の心の旅は続いていく。(133文字) 【感想】 おもしろかった。 とにかくミューズであり、ファムファタールでもあるバルボラが魅力的だった(「蠱惑的」の方があってるかも)。あらすじにも書いたように、「飲んだくれでうす汚く、厚かましくておせっかい」という様々な側面のあるキャラクターで、主人公の美倉が惹かれるのも納得がいく。「耽美」について正確に理解できていないが、バルボラこそ、まさに「耽美」と呼べるかもしれない。 バルボラ以外にもたくさんの女性キャラクターが登場するが、そのキャラクターたちが軒並み美人。それぞれのキャラクターの立ち姿がとても印象的。ベッドに寝ころがるよりも、スウッと立っている方が魅力を感じる。 手塚治虫で言えば、『ブラック・ジャック』と似た構成で、男女二人の主要キャラが話ごとに、各地を訪れたり、ゲストが訪問してきたのを迎えたりするという構成になっている。もしかしたら、ピノコはバルボラを元のアイデアにしてるのかも。ただ『ブラック・ジャック』と違う点は、それぞれの話がすべて主人公についての話だということ。『ブラック・ジャック』でも主人公についての話はあるが、基本的には話ごとに登場するゲストキャラが話の中心となる。しかし『ばるぼら』では、すべての話が主人公の美倉についての話である。夢と現実が混濁するところも多く、パラノイア的な不穏さが全体に通っている。 好きだった話は、第5章の「砂丘の悪魔」。パラノイア的な恐さが、アツいものに転化され、最後にサラッとしたオチがつき、とてもおもしろかった。 下巻はまだ読んでないが、下巻も楽しみ。(648文字) 【メモ】 人物名としては「バルボラ」とカタカナなのに、どうしてタイトルは「ばるぼら」とひらがななのだろう。作中でもカタカナとひらがなで使い分けされているが、どんな基準で使い分けされているかはわからかった…。下巻ではこれについて考えながら読もう。(117文字)

Posted by ブクログ

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