世界はきみが思うより の商品レビュー
多様性の時代とは言うけど、まだまだ世界は等しく優しいわけではない。期待すれば傷つく、ならばと信じることを諦めた。その経験が自分にもあるから、あるセリフがとても刺さる...涙。 1人なのか誰かと築くのかは分からないけど、自分の周りの小さな世界。それをゆるやかに愛せたならいいなと思っ...
多様性の時代とは言うけど、まだまだ世界は等しく優しいわけではない。期待すれば傷つく、ならばと信じることを諦めた。その経験が自分にもあるから、あるセリフがとても刺さる...涙。 1人なのか誰かと築くのかは分からないけど、自分の周りの小さな世界。それをゆるやかに愛せたならいいなと思った。 先の未来は分からないけど、明日の天気は晴れだよ青い空が広がってるよ というような寄り添い過ぎず、過剰でなく、少しの希望を見せてくれる寺地さんの作品が好きだ。
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やっぱり寺地さんの作品好きだなぁ。と久しぶりの寺地さんのお話を読んで思いました。 なんというか、いつも思うのは、 私の心の奥の方にある まだ自分でもはっきり確認できないような感情がなんかくすぐられる感覚になるのです。 今回は、父親がとった行動のせいで、 心に傷を負い、 母親が作...
やっぱり寺地さんの作品好きだなぁ。と久しぶりの寺地さんのお話を読んで思いました。 なんというか、いつも思うのは、 私の心の奥の方にある まだ自分でもはっきり確認できないような感情がなんかくすぐられる感覚になるのです。 今回は、父親がとった行動のせいで、 心に傷を負い、 母親が作った食べ物はなんとか口にできるが、 他人の作ったものは食べることができない主人公の少年冬真が、 同じクラスで近所に越してきた 時枝くんと出会い少しづつ大人になっていく姿が主体ですが、 周りの生きづらい大人たちの もがきながらも、前に進んでいく様子や人間模様もいろいろ混ざっていて 悲しみや苦しみ寂しさなどいろいろな経験を乗り越えたからこそ できる相手への愛が、 優しくて本当に素敵でした。 母親の愛、友だちや好きな人への愛、などいろいろな愛が 私のまわりでふわふわする感じが心地よく、大好きな本になりました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
世界はきみが思うより「いい」のか「わるい」のか。 でも、我らが寺地はるなが「きみたち」に暗い世界を手渡すはずがない! どんな世界が手渡されるのか、楽しみにしながらページを開く。 父親の浮気のせいで世界が信頼できなくなったぼく、難病を抱えた口の悪い妹を持つ時枝くん、ふたりの物語を軸に、ぼくの母、時枝兄妹と暮らす菜子さん、国際交流プラザで働く紗里、三人の女性たちがつなぐ世界。 ぼくと時枝くんの関係、きれいなものが好きできれいな自分でいるために食事制限をしている紗里とマッチングアプリで知り合った水田との関係、三か月に一度会うことで自己満足に浸る父親とぼくの関係、時枝くんと両親の関係…いくつもの複雑に絡んだ関係の中で高校生のぼくと時枝くんは失ってしまった世界への信頼を取り戻していく。 この物語に生きるすべての人たち(約一名除く)の幸せを願いながら本を閉じた。
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結末は思っていたものと違ったけど、温かい世界にも刃はあるという言葉には共感した。勝手に決めつけて寄り添う優しさは嘘くさい。時枝くんの写真を突きつけてきた女子のような無遠慮な人間て必ず存在する。触れないで!ほっといて!と思う。
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基本的には高校生が主人公の小説なのだが、彼らの会話や行動に違和感を感じた。ジュブナイルにしてはテーマが重いので、YA向けだろうか? もちろん作者・出版社が対象読者を特に意識していないことも考えられる。 さて、違和感はともかく、最近流行りのマイノリティーに焦点を当てつつも声高に主張...
基本的には高校生が主人公の小説なのだが、彼らの会話や行動に違和感を感じた。ジュブナイルにしてはテーマが重いので、YA向けだろうか? もちろん作者・出版社が対象読者を特に意識していないことも考えられる。 さて、違和感はともかく、最近流行りのマイノリティーに焦点を当てつつも声高に主張する作品とは異なり、さりげなくも確かな満足感が得られた。なんだか妙な勘違いを皆で共有し“わかったふり”をする人達も、わかってもらう必要なんてないと強がる(?)人達もいて当然だし、むしろこれが普通なんじゃないかと思う。まあ、小説なので、主要な登場人物がみんな傷持ちなのはご愛嬌だ。 マジカルランド登場はうれしかった。あの小説家は? 前にも寺地さんの作品に出てきただろうか? ※NetGalleyにて読了。
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誰かを心から信頼するって難しい。特に親にされた事には反論しづらい。難しい環境や気持ちを抱えながらも、大切な人の支えで変わっていく。時枝君と冬真の未来はまだまだ困難かもしれないけど、菜子さんや冬真のお母さんは見守ってくれると思う。あかりちゃんの件の冬真のお母さんの対応が最高!一方、...
誰かを心から信頼するって難しい。特に親にされた事には反論しづらい。難しい環境や気持ちを抱えながらも、大切な人の支えで変わっていく。時枝君と冬真の未来はまだまだ困難かもしれないけど、菜子さんや冬真のお母さんは見守ってくれると思う。あかりちゃんの件の冬真のお母さんの対応が最高!一方、冬真の父親はクソだな。冬真が紗里さんに話したみたいに、人は変わるかもしれないし、いろんな人が世界にはいて、愛のカタチは人それぞれで、でも、愛に気づけて本当の信頼できる人を見つけていってほしいな、と思った。
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わりとしんどい境遇の人たちが集まってくるけれど、悲壮感のない、あっさりしたお互いの思いやりが良い。頭に浮かんだけれど言わない、とか、言わないけどわかっているんだろうな、とかも良い。
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寺地さんの世界にどっぷり浸れます。 多様性と言われるいまの時代ですが、いわゆる大きなお世話な寄り添いは違うと改めて思い、人と人との接し方が難しくなってるなと感じました。家族だからこそ言えないこともありますよね。 でも、自分はこんな風に寄り添う気持ちを大事にしていきたいと、そう思わ...
寺地さんの世界にどっぷり浸れます。 多様性と言われるいまの時代ですが、いわゆる大きなお世話な寄り添いは違うと改めて思い、人と人との接し方が難しくなってるなと感じました。家族だからこそ言えないこともありますよね。 でも、自分はこんな風に寄り添う気持ちを大事にしていきたいと、そう思わせてくれる作品に出会えたことに、胸いっぱいになりました。
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愛する誰かを見つけることは、世界への信頼に匹敵するくらい大きなことなんだな。 押しつけがましくない優しさに溢れた世界で、 私も大切な人の幸せを祈りたくなった。 出てくる食べものがどれも美味しそうで、 寺地さんからの贈り物のよう。
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高校生の冬真と、社会人の紗里、2人の視点が入れ替わりながら、それぞれの成長と愛を描く物語。 『子どもに大人のかわりをやらせちゃいけないって』 『親としての自己満足にまきこんだ気がしてます。あの子の、子どもでいられる時間を縮めた。』 「子どものために」「子どもに生きる力をつけさ...
高校生の冬真と、社会人の紗里、2人の視点が入れ替わりながら、それぞれの成長と愛を描く物語。 『子どもに大人のかわりをやらせちゃいけないって』 『親としての自己満足にまきこんだ気がしてます。あの子の、子どもでいられる時間を縮めた。』 「子どものために」「子どもに生きる力をつけさせる」と言いながら、親のやるべきことを押し付けるのはまさに親の自己満足でしかない。子どもでいられる時間を奪う行為で、気をつけなければやりがちな行為ではないだろうか。親として立ち止まって考えなければならない。 読後感がとても良い作品。心の中が暖かくなる。そして自分も親として同じような状況がくることを切なくも思う。大好きな作品!
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