神に愛されていた の商品レビュー
光と闇と、作家の業のようなものが描かれた作品。冴理の小説と同じように、才能に嫉妬するという、痛みから生まれた作品なんだと思った。 するすると読みやすいのに、読後にいろいろな感情を湧き立てる、そんなお話でした。とってもよかった。 文庫版あとがきも必読。私はあとがきで泣いてしまいそう...
光と闇と、作家の業のようなものが描かれた作品。冴理の小説と同じように、才能に嫉妬するという、痛みから生まれた作品なんだと思った。 するすると読みやすいのに、読後にいろいろな感情を湧き立てる、そんなお話でした。とってもよかった。 文庫版あとがきも必読。私はあとがきで泣いてしまいそうになりました。 オマージュされた『アマデウス』は大好きな映画のひとつなのだけど、このお話のサリエリには希望が残されたのが救い。
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Audibleで。二人の女性作家の物語。嫉妬や憧れ、孤独、愛情が折り重なり、聴きながら胸の中がずっとざわついた。気づけば物語に夢中に引き込まれていて、聴き終えたあと静かにタイトルが沁みてくる一冊。
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女性作家ふたりの嫉心、葛藤、齟齬、 そして乖離。 もう少し理解し合えたなら、神はふたりとも愛してくれたのかもしれないのに。 ストーリーはもとより、登場する数々の小説群に、著者・木爾チレンさんの強い思い入れを感じました。 実はストーリーの展開自体は、あゝ、そう来るだろうな、と予測...
女性作家ふたりの嫉心、葛藤、齟齬、 そして乖離。 もう少し理解し合えたなら、神はふたりとも愛してくれたのかもしれないのに。 ストーリーはもとより、登場する数々の小説群に、著者・木爾チレンさんの強い思い入れを感じました。 実はストーリーの展開自体は、あゝ、そう来るだろうな、と予測しながら読んでいました。 けれど、章立てのタイトルの分数の意味に気づいた時ですね。ご自身のその時々の想いや、人生のフェーズを振り返りながら書かれたものなのかなと思いました。 とてもパーソナルな熱量の込められた作品ではないでしょうか。 作者自身のあとがきにある、“若者向け”という言葉への葛藤も拝読し、切ない気持ちになりました。 私もチレンさんの作品の一つに若い女子にオススメと記したことがある様に記憶しますが、 それが「若い方にしか刺さらない」という意味では決してなく、今読んでいる若い方たちが、作家さんと共に年齢を重ねていくといった意味合いです。 私自身、若い頃に読んだ作品を齢を重ねて読み返したり、好きな作家さんと同じだけ歳を重ねてきいます。若者向けという言葉にご本人さんが揺らぐ必要はないのではって思います。 で、なんで⭐︎3なのかってところですが ちょっと展開が私には想定内だったのです。
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一人の作家とその作品を愛した女性のストーリーです。作家が作品を生み出す大変さを垣間見ることができました。 初めて読んだ作家さんだったのですが、とても好きになりました。ほかの作品も読んでみたいです。
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なにもかも知らないことは強い。なにもかもを知っているより、ずっとずっと強い。 夢があれば、いつだって、どんな状況だって、抜け出せるから。 もしかしたら人は、愛を受け取ってから、誰かを愛し始めるのかもしれない。 才能にはね、果てがあるのよ。その果てに辿りついたときからが、勝負なの。...
なにもかも知らないことは強い。なにもかもを知っているより、ずっとずっと強い。 夢があれば、いつだって、どんな状況だって、抜け出せるから。 もしかしたら人は、愛を受け取ってから、誰かを愛し始めるのかもしれない。 才能にはね、果てがあるのよ。その果てに辿りついたときからが、勝負なの。 私はいままで、何にしがみついていたんだろう。なんて狭く暗い世界で生きていたんだろう。 闇の中にこそ本物の、救いの光がある。 希望と絶望はセットです。 いちばんは、自分自身から愛されたかった。 物語を読む意味はふたつ。希望の物語を読み、陽だまりの中にいるように、心があたたかくなること。そして、絶望の物語を読み、その渦中にいるのか、自分だけではないことに救われること。 暗闇にいるのは、毒を持っているのは、痛みを知っているのは、自分だけではないのだ。
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好き嫌いは分かれそうですが、チレンさんの飾りっ気のない文体に、本書で虜になりました。読書を始めて日が浅いので、一冊読むのに時間が掛かってしまうのですが、本書は続きが気になって1日で読んでしまいました。2人の天才女性作家の物語を通して、愛について改めて考える機会になりました。それは...
好き嫌いは分かれそうですが、チレンさんの飾りっ気のない文体に、本書で虜になりました。読書を始めて日が浅いので、一冊読むのに時間が掛かってしまうのですが、本書は続きが気になって1日で読んでしまいました。2人の天才女性作家の物語を通して、愛について改めて考える機会になりました。それは恋人に対してだけでなく、両親や友人に対しても、きちんと受け取られる形で渡していかないと虚しいなと思いました。
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映画『アマデウス』のモーツァルトとサリエリの構図だと読んでて思った。 「才能を持てる者(天才)=神に愛された者」と「才能を持たざる者(凡人)=神に愛されなかった者」の残酷な対比。 映画で言えばサリエリが苦しかったのは、モーツァルトの凄さを理解できるだけの才能(耳)を持ってい...
映画『アマデウス』のモーツァルトとサリエリの構図だと読んでて思った。 「才能を持てる者(天才)=神に愛された者」と「才能を持たざる者(凡人)=神に愛されなかった者」の残酷な対比。 映画で言えばサリエリが苦しかったのは、モーツァルトの凄さを理解できるだけの才能(耳)を持っていたからこそ、という悲劇。 本の主人公は、 「神に愛されていた存在」 だったのに、 その愛が失われたとき、自分が空っぽになる恐怖に直面する。
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神と崇めたくなるくらい、大切で大好きな人。 その人のためになると思ってしてきたことが、結果的に裏目裏目に出てしまって。。気持ちがまっすぐ伝わらなすぎてもどかしい。 愛がもっと単純なものであったら、苦しい思いをしなくてよかったのかと思ってしまいます。 闇が照らす、考えさせられます...
神と崇めたくなるくらい、大切で大好きな人。 その人のためになると思ってしてきたことが、結果的に裏目裏目に出てしまって。。気持ちがまっすぐ伝わらなすぎてもどかしい。 愛がもっと単純なものであったら、苦しい思いをしなくてよかったのかと思ってしまいます。 闇が照らす、考えさせられます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一気読みした。おもしろい。 東山冴理パートを読みながらも、そういうことなんだろなぁと勘付かせるようないろいろはあって、ということは語り手である冴理も薄々思ってはいたんだろうにな。 私にも人生を変えてくれたと思うような存在はあるけど、外側から見たら歪んだように見える愛とか崇拝とかを持てることはある意味羨ましく感じる。 だいぶピュアじゃないと無理だもん。 ここに出てくるふたりが書いた作品、めちゃくちゃ読みたいな。 あと内容には関係ないんだけど、誤植がちょいちょいあって気になった。粗削りだな、そういう意図か?と思ったけど違うよなきっと。
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