志記(一) の商品レビュー

髙田郁(著者)

2025/10/20

P272
「志を持った女人にとって、今生は生き辛いものじゃ。男と同じ道を歩こうとすれば、必ず阻まれる。」

初の女性首相が誕生しようとしている令和の現代でも、この一文があてはまってしまう日本。
高い志を持った二人の女性のこれからの物語が楽しみだ。

2025/10/20

つる家ー！！って、ファンの方ならなるはず。終盤でニクい演出。
お医者さんの話だと源斉先生を思い出すけど、腑分けの外科的シーンも多いし、ちょっと路線が違うのかな？と思っていたら、主人公の受け入れ先が「食養生」を大事にしているとあって、ああやっぱりとうれしくなった。
書きたいものの芯があるってすごいなぁ。みをつくしから始まって、読者である私もその変遷を見守らせてもらっているような気がする。

これまでは、常識人というか落ち着いた主人公が多かった気がするので、周りとの不和をものともしない、若い2人の主人公も瑞々しい。男社会に入ろうとするあまり女として出来て当たり前のこと−炊事、裁縫など−ができないというのも面白い。

シリーズ長くなりそうだけど、楽しみにしていよう。

2025/12/01

文化元（1804）年、黒兼藩で代々藩医を務める
家系に生まれた蔵源美津と、備前刀を手掛ける
刀鍛冶の一族に生まれた高越暁。医学と鍛刀という
女には困難とされる道を選んだふたりの人生が、
19の初夏、江戸で交錯し…。

2025/10/19

時代小説を読むのは初めてだったんだけど、とにかく面白かった。しかもこれはシリーズとして続いていくという。
楽しみが増えました。

本屋さんでランキング上位にあって、帯に作者の言葉があり、これから物語が続いていくというワクワク感で手に取ってみました。

紺屋町は仕事でよく行っていた街で馴染みがあり、小網町はそこにある神社に行ってみようと妻と話していた場所だし、俎橋は義祖父に「ここは昔、魚やクジラを捌いていたからそういう名前になったんだよ」と20年くらい前にきいたはなしだったところだったりで、景色は全く違うけど、想像をめぐらすのが楽しかったです。

他の人の感想で、作者の他のシリーズで出てきている場所やキャラクターがいるようで。そんなのもいいですね。

2025/10/18

待ちわびておりました。髙田先生！
医者と刀鍛冶を目指す美津さんと暁さん。
これから先どんな関わりを持って行くのか・・・早く続きが読みたいです！！
女としての理不尽、痛快にバリバリ跳ね返して元気をください。

2025/10/17

待望の新シリーズ開始。
衝撃的な女性の首無し死体の、解剖から始まる展開。藩医の蔵源教随は、理解ある藩主により秘密裏に腑分けを行い、また子供の恵明は藩医学校を設立できた。天皇の妹尼の秘密の治療を行った恵明は、娘の出生に当たり妹尼から命名(美津)を受けるとともに、何やら秘密の支援を受ける。この支援が最後まで分からず、次回以降に持ち越される。
もう一人の主役は、刀鍛冶の家系に生まれた暁。祖母が女忠光の異名を取った名人だが、暁の江戸での修行は男社会にあって、色々な妨害を受ける。
美津も父の作った藩医学校で学ぶが、女医が少ない時代で同じく妨害を受ける。全国の有名医学校に志望を出すが受け入れられない。何とか江戸で見つかり藩の費用で江戸に出る。
どちらも先祖代々の職業を目指すが、まだ女性に対して厳しい時代。どのように切り拓いて成長していくか、展開が楽しみだ。

2025/10/16

高田郁さん待望の新シリーズ開幕ですね。ご病気をなさっていたとのこと。ご自分でもこのシリーズをライフワークにされたいとの強い思いで執筆されているのだと感じます。

焔と氷に例えられる対照的な2人の主人公、暁と美津。同じ時に生まれた数奇な運命。まだ物語は序幕。ようやく2人が交わるその手前で終わる良い意味で読み手泣かせです。

面白い本はすぐに読みたくなる。やめられない。あっという間に読み終えました。

二巻を楽しみにまた読み返そうと思います。

2025/10/07

待望の新シリーズ！！今回はなんとW主人公。どちらも険しい道になりそうだけど、灯りを掲げて突き進むのでしょう。ワクワクが止まらない、さあこれから物語が動くぞ！というところまで。続きが楽しみです。

そしてなんともなんとも、あのお店が出てきてニヤニヤが止まりませんね。