ネバーランド の商品レビュー
三十歳、小説家、元実家だったマンションに一人暮らし。最近できた年下の恋人は、前の恋人と切れておらず、そっちの家に帰ることもある。ちゃんとして!と言ってるけれど、するするといって、一向にしない。で、うちに来て、お菓子を食べ、ご飯を食べ、クリーニング代も食費も払わず、子供みたいなこと...
三十歳、小説家、元実家だったマンションに一人暮らし。最近できた年下の恋人は、前の恋人と切れておらず、そっちの家に帰ることもある。ちゃんとして!と言ってるけれど、するするといって、一向にしない。で、うちに来て、お菓子を食べ、ご飯を食べ、クリーニング代も食費も払わず、子供みたいなことを言う。でも、にははは、にははは、と笑うので、許してしまう。そんな恋人が、ちゃんとした恋人に育ってくれるのかを見守る、一年半。 下宿生の部屋に意味もなく集まって、夜から朝までだらだらしている大学生の感じ、を、三十代になっても続けている人たちの話。大人にならない子供の土地、ネバーランド。特に生産的なことをするでもなく、夜通し鍋を囲んだり、秋鮭を食する会を開いたり、バーベキューをしたり。大勢集まった大晦日、だんだん帰っていく人もいる中、最終的に女三人が残り、元旦もだらだらして、二日になって初詣に行くとか。そういう仲間がいるのがうらやましい。姉びいきの母とか、借金まみれの義兄とか、子供時代に「本人が思うほどには可愛くなかったけれど、勝手な美少女オーラを作り出して、無理矢理女王のように振舞っていた」同級生との邂逅とか、脇も面白い。大人になれないダメ人間のぐずぐずした恋愛模様なのだけど、ああ、こんなダメな人がいてもいいんだと、藤野千夜さんの小説は、いつも安心させてくれる。だから、この恋の終わりが悲しいものでありませんようにと、途中から祈っていた。もうぜったいそっちだと思ってたら、まさかのハッピーエンド。でもそれは、大人になってしまった寂しさの残るものだった。
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こういう人達いるよなあとダラダラと読み、読み終わった後は案外意外な結末に軽く驚いた ガッツリとした恋愛描写はなく、どちらかというと日常を描いた作品に近いので少しテンポ感が悪く感じた
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- ネタバレ
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もやもやが残った。 隆文のような人は私には合わない ご飯を平気で平らげたり、当たり前のように作ってもらったり、お金を出さなかったり、、 それでもこの人愛おしいって思える人にまだ出会ってないだけかもしれないけど
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