とんこつQ&A の商品レビュー
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今村夏子さんの作品は初めて。 YouTubeでこの作品の紹介をしていて、気になってついつい本屋で手に取ったんだけど、本の帯に書いてあった「常識ってなんやったっけ?おかしな展開になっていく。面白不気味」という3時のヒロインの福田さんの紹介文見て、即購入〜! ①とんこつQ&A この作品が1番面白不気味を感じた。さすが表題作!ラーメン屋『とんこつ』での接客の時に「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と自然に言えない主人公今川さんが、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というメモの文章なら読むことはできるから、メモをどんどん作成して自分なりの接客マニュアルを作り上げる。 その後『とんこつ』での仕事にやりがいを見出していた今川さんだけど、従業員の丘崎たま美が増えたあたりから少しずつ歯車がずれ出していく…大将やぼっちゃんも含んで、ヘンテコな展開に。 読んだ感覚としては、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を彷彿とさせる感じ。大将やぼっちゃんが亡き妻亡き母を丘崎たま美に重ね、マニュアルを刷り込むことで丘崎たま美を「おかみさん」「お母さん」と仕立て上げていく様子がかなり不気味すぎた…!それでも成り立っている『とんこつ』。ヘンテコな店であった。 ②嘘の道 嘘つきと言われていた与田正。オオカミ少年のような与田正だったが、ある日おばあさんが公民館で向かう道の途中で大けがをしてしまう。 与田正のせいだ!となすりつけてしまった姉弟が、最終的に世間から消されてしまうという想像はつくが辛い展開。嘘は巡り巡ってしまうよなーと改めて実感。 ③良夫婦 痩せ気味の男の子に対して「虐待されている」と勝手にレッテルを貼り、その男の子に対し、自宅のさくらんぼの木のさくらんぼを取りに来ていいよと声をかける友加里。 しかしさくらんぼを取っている最中に、枝が折れ男の子は落下しケガをする。 何もできずに家のカーテン越しにあたふたする友加里。そんな友加里を結局フォローする幹也。 確かにいい夫婦ではあるけれど、友加里の暴走加減が微妙だなぁ…と微妙な気持ちになってしまった。 ④冷たい大根の煮物 工場で働いている一人暮らしの木野さんが、芝山さんという職場内から嫌われている人と、スーパーでの買い物したり、木野さんの家で炊事をするところから交流が進んでいくお話。 芝山さんは人のお金を盗んだりする人と評判が悪かった。木野さんも最終的には芝山さんから1万円を盗られてしまったが、人との交流や自炊の楽しさなどを学ぶことができ、決してマイナスだけではない経験ができたんじゃないだろうか。少しホッコリするような作品で良かった。 今村さんの作品、他にも読んでみたいなぁと思いながら読了!
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表紙の感じから日常のふとしたことを描く小説かと思っていた。帯には不穏なことが書かれていたがまあ誇張されてる感じだろうなんて思ってたら…(いい意味で)後味の悪い話がバンバン出てきた。こういう読書体験はなんで言えばいいのかな…。
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①とんこつQ&A とことん孤独で、とことん不器用な人間の気持ち悪さを煮詰めたような作品。ラストシーンは現実なのか主人公の妄想なのかわからないが、これまで健全な人との関わりを築いてこなくて人生寂しいんだろうな、誰かに必要とされたいんだろうな……と同情したくなる一方でそれ以上に気持ち悪さが勝ってしまうような描写だった。丘崎さんに対して、大将と息子がお母さんに寄せたセリフを言うよう懇願するシーンも、亡き母親への寂しさからなのだろうがなかなかに気持ち悪い。丘崎さんが一番まともに見えるレベルで登場人物が全員気持ち悪くてよかった。 ②嘘の道 小さな町で起きた事故を巡って嘘をついてしまった結果、嘘がバレるのを恐れ続け、気付いたら社会から「消えて」しまった姉弟の話。「年中敷きっぱなしの布団にはポツポツと黒いカビが生え、僕の体の形のしみができている。」の一説で自体を把握し、そのリアルさ・不気味さにぞっとした。人間が社会からドロップアウトしてしまうのって、こんなひょんなことなのかもしれない……。4篇の中では最もサクッと読めてオチがわかりやすく、いわゆる短編っぽかった。 ③良夫婦 傍から見たら平凡に見える夫婦の、少し歪な日常を描いた話。ぱっちりとした二重で端正なタムに対しては「虐待されているかもしれないから」という大義名分をかかげ、隙を狙っては仲良くなろうとするのに対し、スーパーの駐車場で見かけた"まさに虐待されていそうな小太りの少年"に対しては一瞥もくれないシーンが、リアルで薄気味悪くてよかった。レースのカーテンごしにはタムの様子を好奇の目で伺っているのに、いざ目の前でタムが木から落ちたら、どうすればいいかわからずそっと窓を閉じてしまうシーンも。良いとこ取りをしたいだけで人の命に責任を持つことは決してできない無責任さがとても人間っぽかった。タムの件も、ヘルパー時代にやらかした件も、シゴデキ夫が波風立たないように片付けてくれているから平凡な夫婦を演じられているが、実際には法に問われかねないことをしている。人間なんて矛盾だらけで、目に見える部分なんて人間のほんっっの一部だということを痛烈に描かれた1作だった。ラストシーンが、敢えていかにも「夫婦の日常」っぽいシーンで締めくくられているのも良かった。4篇の中では最も緩急の少ない話だったが、それが返って日常に潜む歪さをありありと表現していて、個人的には1番好きだった。 ④冷たい大根の煮物 19歳フリーターの主人公と、同じ勤務先の借りパク癖のあるおばさんの話。途中までただの良い人で噂が間違っていたのかと思ったら、袋はパクるしおそらく光熱費節約したいから台所借りてるだけだし結局1万円借りパクするし、いい人だと信じたかった自分を裏切られた気持ちになった。主人公もおそらくそうだったのだろう。でも、それでもいいやと思ったから「いくらくらい、なんて訊かなかった」のだと思う。自炊の良さを学べたという意味で、主人公にとっては良い出会いだったのだろう。完全な良い人も完全な悪い人も存在せず、ただただ互いが影響しあって生活が紡がれていく様がリアルでよかった。
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帯にある「面白不気味」って一体なんなんだ?っと思いながら読む。不気味さの中に意味のわからなさ、異次元みたいな単語が頭をよぎる。さすがへんてこ小説。
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良夫婦と嘘の道がよかった。 勧善懲悪とまでは言えないけど、談義本的な要素がある。 どの話も現代にありそうな設定だからこそ、一個掛け違えてるとこうなるんだという恐怖心に襲われた。現実と同じで懲悪!という風にならないのがリアルで、後味が悪くて、読後感が強烈。
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なんともスッキリしない読後感。 ずっと不穏。 読み進めるのが怖かったくらい。 でも、面白かった……のか? よくわからない。 ふとした時に思い出しそうな気がする。
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怖いのかな、怖いのかなーって怯えながら読み進めたけど、拍子抜けしちゃった。 直接的なホラー要素な描写が出てくるわけではないけど、じんわりとした人間的な怖さが押し迫ってくる感じ。それが一番怖いよね。 痒いのに痒いところが見つからない感じとなんか似てるなぁって思った。
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今村夏子の短編集。今村夏子の作品は初めて読むけど、こんな微妙に嫌な気持ちになる作品ばかり描く人なんだ。 『とんこつQ&A』 文字で書いたメモを読まないと「いらっしゃいませ」すら言えない不器用な主人公が奮闘する話……かと思いきや、どんどんおかしな方向に進んでいく不気味な話...
今村夏子の短編集。今村夏子の作品は初めて読むけど、こんな微妙に嫌な気持ちになる作品ばかり描く人なんだ。 『とんこつQ&A』 文字で書いたメモを読まないと「いらっしゃいませ」すら言えない不器用な主人公が奮闘する話……かと思いきや、どんどんおかしな方向に進んでいく不気味な話。表題にしているだけあって、初っ端からガツンときた。 『嘘の道』 嘘をついてばかりの問題児みたいなやつは、自然と消えていなくなるもの。嘘つき少年の話かと思いきや、いつの間にか主人公たちの話になっていく反転の仕方が上手い。 『良夫婦』 いつもお腹を空かせている近所の小学生の心を開くため、お菓子をあげるようになる。起こっている出来事はほとんどまともだからこそ、ある意味これが一番不気味だったかも。 『冷たい大根の煮物』 お金を借りて返さないことで有名なおばちゃんと仲良くなった主人公。最後は少し爽やか?な話でちょっと安心。 全体的にまともそうに見える人が少しイカれた行動をまともそうな顔してやるのが不気味で面白い。
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全体を通して、どの物語の登場人物も全員すごく真面目だと思った。真面目というか、真面目すぎる。 真面目って嘘がなくて何事にも全力で自分の中の正義感を持つような、なんとなく良いようなものに感じる。だけどこの中の人たちは真面目がいきすぎる、真面目と自分がいきすぎるあまりに何かのバラン...
全体を通して、どの物語の登場人物も全員すごく真面目だと思った。真面目というか、真面目すぎる。 真面目って嘘がなくて何事にも全力で自分の中の正義感を持つような、なんとなく良いようなものに感じる。だけどこの中の人たちは真面目がいきすぎる、真面目と自分がいきすぎるあまりに何かのバランスが取れなくなり、ひとつの小さな社会(世界)に依存していく。なにかが狂いつつあることを自覚しながらも、前向きに、静かに、自らのめり込んでゆく。狂ってしまえばどうってことないから、痛みも感じなくなる、むしろ痛みすら喜びに感じる。 それが怖いように感じるけどもどこかその世界に自分もいきたくなるような独特の輝きがある。何にも狂えない、つまり何かを信仰するような、依存しきってしまえるようなものがない。というより会社や家族やパートナーや趣味や友人や衣食住や奉仕活動など、さまざまな分野に自分たちは少しずつ参加しているせいで、どこかひとつに依存はできないようになっているのだろう。ぜんぶ大事にしたいから。そして本来ならそれが普通だ。普通だという言い回しは好きではないが、ここでは普通と言い表したい。この世界には普通と、異常しか存在しない。 でもこの本に出てくるすべての物語はどこか一点に集中して生活が回っており、それは依存や信仰、狂気に結びつく。 狂ってしまえばこっちのもんだと言いたげに、どの物語の登場人物すべてが安らいだ笑顔でいる。 社会から見捨てられているのではなく、この人たちは社会を見捨てているのだ。臭いものには蓋をしろとでも言いたげに、普通の社会を見ることもせず、自分の生活の中で幸せそうに踊っている。
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紹介漫画を見て面白そうだなと思って買った。ほとんど人々の関わりから生じる気味の悪さ・不快感を突きつけてくる感じで、軽いホラーだったけど、面白かった。
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