白鷺立つ の商品レビュー
千日回峰行なんてやってみようと思うのは、解脱した人でなく、嫉妬も妬みも怒りも持つ俗っぽい人なんだなあ それがエネルギーになるのか 俗っぽい人達の話なのに、妙に読後が清々しいのが面白い
Posted by
とても読み応えがあった。 反目し合っているようで、実は自分でも気付かないような深い部分でお互いに理解し合っているようでもあり、人の心理とは実に複雑なものだと改めて感じた。
Posted by
北嶺千日回峰行は、失敗(行不退)となれば自死が避けられない荒行だ。成功すれば僧侶としての格は上がる。帝の血を引く恃照(じしょう)は比叡の立場としては死んでもらっては困る状況ではあるが恃照は最後の最後で行不退となる。特例で死なずにすんだ恃照である。そしてこの同じく帝の血を引く戒閻(...
北嶺千日回峰行は、失敗(行不退)となれば自死が避けられない荒行だ。成功すれば僧侶としての格は上がる。帝の血を引く恃照(じしょう)は比叡の立場としては死んでもらっては困る状況ではあるが恃照は最後の最後で行不退となる。特例で死なずにすんだ恃照である。そしてこの同じく帝の血を引く戒閻(かいえん)が比叡の預かりとなる。反目し合う恃照と戒閻であり、特に戒閻は自分の血を呪うかのように荒行へと入っていく。この二人の関係はライバルと言えるのかもしれないが、なかなか普通には理解できない極限状態の中での人間関係である。そこにもしかすると何かを超えたものがあるのかもしれない。
Posted by
恃照と戒閻の激しいぶつかりあいが凄まじかった 僧は仏に仕える善行の人達と思っていたが、周りの目を見たり、気持ちを押し測ったりとやり取りが人間味溢れていてやはり叡山と言えど組織の人たちなのだなと思った。 戒閻は特に我が強い人であった 恃照と戒閻は同じものを持っていながら相反する者と...
恃照と戒閻の激しいぶつかりあいが凄まじかった 僧は仏に仕える善行の人達と思っていたが、周りの目を見たり、気持ちを押し測ったりとやり取りが人間味溢れていてやはり叡山と言えど組織の人たちなのだなと思った。 戒閻は特に我が強い人であった 恃照と戒閻は同じものを持っていながら相反する者として激しくぶつかりあっていた 作中盤はほんとに荒波の真っ只中にいるようだった しかし最盤、一気に凪となった 憲雄と戒閻の墓に佇む恃照が悲しげにしかし前を向いている姿を感じとれた
Posted by
白鷺(はくろ)とは 白い浄衣を纏い 山道を跳ぶように歩く 叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である─。 寛政8(1796)年 比叡山 延暦寺。 成し遂げることができなければ “死” とされた〈北嶺千日回峰行〉に挑む32歳の恃照。 彼は ある特殊な生立ちを抱えていた。 ...
白鷺(はくろ)とは 白い浄衣を纏い 山道を跳ぶように歩く 叡山における回峰行者を指して用いられる比喩である─。 寛政8(1796)年 比叡山 延暦寺。 成し遂げることができなければ “死” とされた〈北嶺千日回峰行〉に挑む32歳の恃照。 彼は ある特殊な生立ちを抱えていた。 そしてその後 恃照は自らと同じ境遇をもつ17歳の太之助を弟子として預かることになる──。 「この世には おらぬはずの者」 恃照と戒閻(太之助)。真逆のようでいて、抱えている屈託は同じもの。 戒閻を目の当たりにすることで 恃照は自らの心の奥底を覗かざるをえなくなる。 俗世から隔離された場所ではあるけれど そこにいるのは人間。忿怒、嫉妬、嫌悪、自尊、そして欲…… ないわけがない。 なまぐさ坊主たちは論外としても。 教えの全てを理解したうえでの〈北嶺千日回峰行〉だと思ので 私には到底 理解できないが、少なくても 後世に名を残す為とか語り継がれる為に行われるものではないだろうと思う。 にもかかわらず手段としてそれを選んだ 恃照も戒閻も 哀しい。 何を目的で挑もうと 結局、成し遂げることができるのは その器にある者だけなのかもしれないなと 読み終えて思った。 ラストの穏やかな恃照は それまで彼が抱えてきたものを思うと とても感慨深い。ここに至るまでの全てのことが この恃照を作っているんだなとしみじみ思う。 今までに読んだことのない題材が 新鮮でとても良かった。
Posted by
承認欲求と憎しみのお話。 お坊さんも人間関係、老い、病、死、避けられない苦しみと向き合って生きているんですよね。当たり前ですけど。修行で克服できるものでしょうか。 仏道修行の意味って何でしょうね。 救いでしょうか。 悟りでしょうか。 「自分とかないから」でしょうか。 最後は、...
承認欲求と憎しみのお話。 お坊さんも人間関係、老い、病、死、避けられない苦しみと向き合って生きているんですよね。当たり前ですけど。修行で克服できるものでしょうか。 仏道修行の意味って何でしょうね。 救いでしょうか。 悟りでしょうか。 「自分とかないから」でしょうか。 最後は、伝統よりも最初の1人になれって感じでしたね。 要するに、人生、何でもありやなと。 ただ、強い意志がある事が条件かもしれないですね。
Posted by
ふと思い立って手に取り、一気に読了。 千日回峰行には以前から関心があり、その過酷さや修行者の在り方に惹かれてきたが、本作で強く残ったのは「修行とは何か」という問いだった。 極限まで自分を追い込むことか、それとも日々誰かのために祈り続けることか。 本作はその問いに対し、静かだが決...
ふと思い立って手に取り、一気に読了。 千日回峰行には以前から関心があり、その過酷さや修行者の在り方に惹かれてきたが、本作で強く残ったのは「修行とは何か」という問いだった。 極限まで自分を追い込むことか、それとも日々誰かのために祈り続けることか。 本作はその問いに対し、静かだが決定的な転換を示してくる。 人はいつしか「強さ」や「到達」に囚われ、本来の目的を見失う。そしてまた気づき、戻っていく。その往復こそが修行なのだと感じた。 この物語は、特別な修行の場ではなく、日常の中でどう生きるかを問いかけてくる。 山に籠もらずとも、日々の生活の中でどこまで実践できるか。 登場人物たちの圧倒的なエネルギーに触れ、自分の進むべき方向を少し照らしてくれる一冊。
Posted by
私の好きな作家には、松本清張賞を受賞してデビューした方が結構いる(筆頭は青山文平)。ということで、その受賞作となると期待が高い。その思いに応える叡山の僧侶の世界が舞台の力作。作者は会社員とのことだがどのような背景をもとにこの世界を描けたのか驚きだ。
Posted by
失敗すれば死、叡山で行われる千日回峰行を成し遂げようとする2人の僧がいた__。お互いの心内に業火が燃え盛りぶつかりあう険悪な師弟関係。分かり合いたくなかった...だけど彼らにしか通じ合えない秘密があった。 面白い〜!!と最後まで気持ちが高揚したまま読み終えて、今とても清々しいです...
失敗すれば死、叡山で行われる千日回峰行を成し遂げようとする2人の僧がいた__。お互いの心内に業火が燃え盛りぶつかりあう険悪な師弟関係。分かり合いたくなかった...だけど彼らにしか通じ合えない秘密があった。 面白い〜!!と最後まで気持ちが高揚したまま読み終えて、今とても清々しいです。これが住田さんのデビュー作とは...次回作もぜひ読ませていただきたい!
Posted by
比叡山の「北嶺千日回峰行」を題材とした物語。 昔 それを成し遂げた僧のニュースをちらっと聞いた覚えがある。こんなに大変な“行”だとは知らなかった。 そこに 同じやんごとなき秘密を背負わされた師弟の間の葛藤、闘い、悩み、悲しみ、寂しさ、苦しさ。けっして分かり合えない師弟。などが...
比叡山の「北嶺千日回峰行」を題材とした物語。 昔 それを成し遂げた僧のニュースをちらっと聞いた覚えがある。こんなに大変な“行”だとは知らなかった。 そこに 同じやんごとなき秘密を背負わされた師弟の間の葛藤、闘い、悩み、悲しみ、寂しさ、苦しさ。けっして分かり合えない師弟。などが 絡みあって 最後まで集中して読ませていただきました。なかなか読み応えがありました。
Posted by
