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恋ふらむ鳥は の商品レビュー

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2025/11/02

圧倒されて、読了 大化の改新の中大兄皇子がこんな人だったとは、 と見てきたように書く凄さ 本当にその時代に生きていたのではないかと思ってしまう

Posted byブクログ

2025/09/21

飛鳥時代を取り上げる小説は、歴史小説群の全体からみれば少数派であろう。また、近畿以外に生まれ暮らす人にとっては、この時代の説明に登場する地名なども馴染みがなく取りつきにくいので、今後、わが国において関東圏で育つ人の割合がますます増えたり、文化芸術の発信の東京偏重が一層露骨になれば...

飛鳥時代を取り上げる小説は、歴史小説群の全体からみれば少数派であろう。また、近畿以外に生まれ暮らす人にとっては、この時代の説明に登場する地名なども馴染みがなく取りつきにくいので、今後、わが国において関東圏で育つ人の割合がますます増えたり、文化芸術の発信の東京偏重が一層露骨になれば、この時代に興味を惹かれる人は、さらに少なくなるであろうことを憂えたい。 1400年近くも前の時代だから、史実として知られていること、登場する個々人の人となりを知るてがかりは、後代に比べ圧倒的に少ない。かつて、黒岩重吾や井上靖は、豊かな想像力で、史料の少なさを逆に小説としての豊潤さを作りこむための武器として、読者の心に残る作品を残した。澤田もその系譜を継いでいる。これだけ具体的で長大なドラマを書き込むためには、ものすごく脳味噌を消耗したことであろう。 おかげで、読者は、この時代の雰囲気を、少しでも感じる機会を得られるということだ。 もちろん、これは小説であって、歴史を叙述するものではない。どの時代も変わらない、人間の生き死に、個人の欲望や感情と周辺の人間とのやりとりを、たまたまこの時代に仮託して描くものだ。

Posted byブクログ