遺された者たちへ の商品レビュー
長くいっしょに暮らしていた同性パートナーと別れた著者は、二人で暮らしていたアパートで元パートナーが自死しているのを見つける。 混乱の中から精神的に立ち直るまでを、他の自死者の家族たちへの取材なども通して書き残す。 長い年月を要しながらも、自身の体験を浄化させ、ある時彼の亡くなった...
長くいっしょに暮らしていた同性パートナーと別れた著者は、二人で暮らしていたアパートで元パートナーが自死しているのを見つける。 混乱の中から精神的に立ち直るまでを、他の自死者の家族たちへの取材なども通して書き残す。 長い年月を要しながらも、自身の体験を浄化させ、ある時彼の亡くなった日に気づかずに過ごせた自分に気がつく。周囲の人々や、取材に協力してくれた人たちに感謝しつつ、亡くなったパートナーの平穏を祈れるようになっていた。 同性パートナーや自死など、理解されにくい問題を、自身の体験として書くとこは、勇気のいることなのだと思う。読みながら、いろいろ考えさせられたし、軽々しく感想を述べることもためらわれる。でも、読後にさわやかともいえる感情がわいてきたことは、ここにきちんと留めておきたい。
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ただならぬ緊張感と真実味に圧倒されて、スケッチの集まりという構成にもかかわらず一気読みしたい勢いで読み切った。それをもって面白さというならばめちゃくちゃ面白い。細切れのようで、エピソードがたいへん効果的に配置されてもいるのが面白さの要因だとは思うが、そういうメタレベルの認識をして...
ただならぬ緊張感と真実味に圧倒されて、スケッチの集まりという構成にもかかわらず一気読みしたい勢いで読み切った。それをもって面白さというならばめちゃくちゃ面白い。細切れのようで、エピソードがたいへん効果的に配置されてもいるのが面白さの要因だとは思うが、そういうメタレベルの認識をしている暇がないほど面白かった。特に故人の息子との対話部分が印象深い。
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