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海は忘れない の商品レビュー

4.4

18件のお客様レビュー

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2026/03/08

確か子供向けの推薦図書にタイトルが上がっていて、借りてみようと思った気がするが、海とつくから震災の話だと思い込んでいた。辛さと悲しさを覚悟して読み始めたのだが、戦争という別の重いテーマだった。大人向けの本では、最近めっぽう戦争や重いテーマは扱われず、もっと私小説的なテーマばかりな...

確か子供向けの推薦図書にタイトルが上がっていて、借りてみようと思った気がするが、海とつくから震災の話だと思い込んでいた。辛さと悲しさを覚悟して読み始めたのだが、戦争という別の重いテーマだった。大人向けの本では、最近めっぽう戦争や重いテーマは扱われず、もっと私小説的なテーマばかりなので、思わぬところからパンチを喰らった気分。 話は、令和から昭和33年に転生してしまった女子高生が主人公。もはや戦後ではないと言われ始めた時代に、でも実際に戦争をひきずって生きていた人がたくさんいたという、そんな一人一人の不幸と悲しみを丁寧に描いた小説だった。戦争で両親を亡くした主人公(に入れ替わる前の女子高生)、彼女を育てる叔母は空襲で顔に火傷を負った女性、戦争の後遺症で酒に溺れる父を持つ同級生…全ては軍が悪くて私たちは被害者だったのか、日本人のどんな気質が戦争に暴走させたのか、折り合いをつけて戦後を生きることで何を失っているのか。そういえば半藤さんの日本の一番長い日に書かれていた戦後も、もはや戦後ではなかったのではと思われる時代まで逃亡していた戦犯?がいたように記憶しており、傷跡は生々しかったのだろう。 ふと祖父も、戦後40年を経たあとも毎晩戦争の話をしていたことを思い出す。祖母も戦前戦後の思い出を突如として語ったもので、それは直接戦争と関係なくても、戦火の進む中で病気で亡くした妹の話だったり、戦後に農家に嫁がされて過酷な労働を強いられた恨み話だったりし、いかに人の記憶に辛い思い出が刻まれるかということを感じたものだ。思えばあれは、青春を丸ごと戦争に奪われてしまった世代の思い出話だったのだ。 兎にも角にも、思いもかけず久々に戦争とはと考えるきっかけとなり、大変ありがたかった。子供の頃は、ほたるの墓、ビルマの竪琴、飛魚坊やは病気です…とことあるごとに戦争や原爆を扱った映画や本を学校で見せられ、涙の止まらない私には過酷な時間だったが、おかげで常に戦争とは考えることができた。奇しくも今日は駅前でひどいヘイトスピーチをしている政治家を見かけてしまい、この世はどうなってしまうんだろうと不安に苛まれながら帰路についた日だった(ヘイトの内容は直接関係ないが)。今の自分にできることはなんだろう…そんなことも考えるきっかけになった。

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2026/01/23

昭和33年にタイムスリップ。敗戦のあと七年間占領政策が続く。そして自律的な国家としての検証も反省もなく、経済成長へとこの国は邁進していく。東京オリンピック開催に名乗り上げる。前後のいびつな姿が現れている。

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2026/01/20

戦後13年の昭和33年が舞台。戦争から日本を立て直していこうという(戦争を忘れよう?)心と、戦争を忘れてはいけない心と、微妙なバランスをはらんだそんな時代に現代の高校生がタイムスリップします。いまだに戦争がなくならない世の中で、多くの人がこの本を読んでくれればいいな、と感じました...

戦後13年の昭和33年が舞台。戦争から日本を立て直していこうという(戦争を忘れよう?)心と、戦争を忘れてはいけない心と、微妙なバランスをはらんだそんな時代に現代の高校生がタイムスリップします。いまだに戦争がなくならない世の中で、多くの人がこの本を読んでくれればいいな、と感じました。この本の主人公のような心境の変化が訪れますように。

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2025/12/30

昭和33年、もはや戦後ではない年に焦点をあて、いまだに戦争に翻弄される人々の生活、そしてその悲惨さを描いた作品。 扱っているテーマは重厚だが、主人公が女子高生という事やキャラ設定が秀逸な事により、それを感じさせずに誰でも目を背ける事なく読み進める事ができる。 戦争を知らない、...

昭和33年、もはや戦後ではない年に焦点をあて、いまだに戦争に翻弄される人々の生活、そしてその悲惨さを描いた作品。 扱っているテーマは重厚だが、主人公が女子高生という事やキャラ設定が秀逸な事により、それを感じさせずに誰でも目を背ける事なく読み進める事ができる。 戦争を知らない、忘れてしまった世代には必読ともいえる。

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2025/12/14

生まれ育った伊勢市が舞台。 馴染んだ地名や場所があった。 倉田山高校‼️❓ 倉田山中学出身者‼️‼️‼️

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2025/10/29

戦時中にタイプスリップは、話としてよくあると思うのですが、昭和33年にタイムスリップとは、なかなか無い話だったので面白かった

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2025/10/28

令和の女子高生が、ある出来事をきっかけに戦後に生きる女子高生として生きることになります。 戦時中ではなく、戦後というところが今までにない設定で、単に戦争はダメ!と言うだけではいけないということを考えるきっかけになる本です。

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2025/10/22

▼配架・貸出状況 https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00560378

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2025/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公は女子高校生・遙瑠。彼女が交通事故に遭い、昭和33年にタイムトリップするファンタジー×戦争記憶の物語。タイムトリップ先の昭和33年の日本は新しい時代になってきたが、いまだ戦争を美化する大人と戦争の記憶がない高校生の境目にある。戦争の史実、すなわち史実をを知らないと昇華できない。大人の役割は子どもに戦争の史実を伝えることで「戦後になる」と感じた。天皇陛下の玉音放送で「終戦」ではなく「敗戦」をはっきり言うべきだった感じた。この作品は、過去と現在を結び、人々の記憶の中で戦争の意味を問い直す物語である。⑤

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2025/10/13

第二次世界大戦を考えさせられる本。 演劇部の遥瑠は高校2年生で次回の上演内容を仲間と討論中。そんな時に祖父の本が自転車の荷籠から落ちそうになり事故にあった…かと思ったら、昭和33年の同じ高校の演劇部の晴子として目覚めた。生活様式や社会通念の差異に戸惑いながらも晴子を受け入れていく...

第二次世界大戦を考えさせられる本。 演劇部の遥瑠は高校2年生で次回の上演内容を仲間と討論中。そんな時に祖父の本が自転車の荷籠から落ちそうになり事故にあった…かと思ったら、昭和33年の同じ高校の演劇部の晴子として目覚めた。生活様式や社会通念の差異に戸惑いながらも晴子を受け入れていく遥瑠。そもそも戦争の劇をするか否かで討論していたのだったが、この時代はまだまだ、戦争を体験したばかりの人たちが大人で、皆、色々な思いを抱えて生きていた。 私が子どもの頃よりもう少し昔の時代に飛んだJK遥瑠。順応していく様子も読んでいて楽しかったし、戦後の生活の中で考える戦争も新鮮だった。戦争を全肯定する教育で育って派兵された人たちがすんなり自分達の間違っていた考えを受け入れられるわけがなく、なるほどなぁと思わされる内容でした。とっても真面目な本で315ページあります。ルビは中学生向けくらいかな。あとは男尊女卑の蔓延る時代ゆえ、酷い扱いや言葉が女性にかけられ、当然戦争の時に殺した話などあります。気になるなら中学生以上向け。でも、この長さを読める小学生なら、まあ読んでも良いんじゃないというレベルの内容です。 真面目な重い内容だったけど、遥瑠が戻れるのか?とか、向こうでの色々な出来事などどうなるか気になりながら読み進められました。

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