「イスラエル人」の世界観 の商品レビュー
この問題、本当に、わからない。なんなのか。 この問題に対して、なんらかの決断を下さなければならない立場にないことを有難く思うくらい、訳がわからないと感じる。 著者、毎日新聞編集委員にしてはまともな書きっぷりだと思ってたが、結局のところイスラエルは酷い、と言う立場だと思う。 ユ...
この問題、本当に、わからない。なんなのか。 この問題に対して、なんらかの決断を下さなければならない立場にないことを有難く思うくらい、訳がわからないと感じる。 著者、毎日新聞編集委員にしてはまともな書きっぷりだと思ってたが、結局のところイスラエルは酷い、と言う立場だと思う。 ユダヤ人は被害者であったかもしれないが、今は逆の立場で加害者になっている。それでいいのかと。 最終章、お互いの被害者が、被害意識を超えてお互いを理解することが大事だみたいな、確かに個人ではそれでいいんだろうが的なアホくさいことを書いている。 イスラエルは業の国だ。 ユダヤ教からキリスト教、それにたつ西欧文明の業を押し付けられた国だと思う。 もう、ユダヤ教徒への迫害とか、ユダヤ教徒をユダヤ人という発想が全く理解できない。 神さんがそこやるわ、と何千年前に言うたんやという理屈が現実社会で1ミリでも通用したことがもう驚愕なのだが、その辺、西欧文化の業なんだろうと覚めて見る。 良し悪しはともかく、一個の国として認めた。 それが前提だと思うし、立国した瞬間に周りから攻め込まれて戦い抜いた。 すごい事だと思う。 宗教上も歴史上も、やってのけた凄い人たち。 それは一面。 やってよかったのかどうかは別の次元。パレスチナの元々住んでた人らは、たまったもんではない。 でも、それを認めた。 ハマスは、イスラエルの殲滅を公言してるテロ組織で、今回の「戦争」のきっかけになったあれをやった。 イスラエルは国だが、ハマスは団体である。 ハマスを放っておいたらまたおんなじことやりよる。今回ばかりは徹底的に潰す。それが、イスラエルとしての主権を守るための第一義である。そう決断させた。 うーん。そういうことだと理解してんねん。良し悪しともかく。 この著者、客観的に書いてる感じで、明らかに今の現状はイスラエルが前のめり過ぎという感じではないか。 ハマスが抵抗の精神でどれだけ残虐であっても支持されるのは、抵抗の精神が支持されてるとかいうのってそれ、テロリストの論理で、じゃあパレスチナはテロと一体じゃん、て判断されてもしょうがないんじゃないのかね。結局、イスラエルが引けよっていう前提で見てるんじゃないかと思った。 そうかもしれないが、では、ハマスは擁護されるべきなのか?
Posted by
もう少し学術的な本だと思っていた。 やや古いけど、現地に滞在した著者の経験に基づくルポが大部分を占めるから、知らなかったことは多かったけど。
Posted by
あれほど悲惨なガザ地区を爆撃し続けるイスラエルの心情が理解できないので、この本を手に取りました。まずガザ地区はちょうど福岡市と同じくらいの広さと人口だとイメージすればいいのですが、違うのは高い壁で囲まれていて、食料から電力から全てをイスラエルに管理されている空のある牢獄だという...
あれほど悲惨なガザ地区を爆撃し続けるイスラエルの心情が理解できないので、この本を手に取りました。まずガザ地区はちょうど福岡市と同じくらいの広さと人口だとイメージすればいいのですが、違うのは高い壁で囲まれていて、食料から電力から全てをイスラエルに管理されている空のある牢獄だということです。食料は人間が最低限必要なカロリーの人数分しか搬入が許されず、しかもそれは他国の支援物資なのですからまさにナチスがユダヤ人を隔離したのと同じです。トイレは900人に一つ、シャワーは5000人に一つというのですから、日本の刑務所の方がずっとマシです。そんなガザ地区にハマスが潜んでいるからと瓦礫と化した地区の学校や病院、避難所まで爆撃しているというのですから理解できなかったのです。 この本はかつてナチスからジェノサイドを受けたユダヤ人が「なぜこんなことをするのか」という疑問から書かれている本なのです。虐殺の悲惨さを誰よりも理解しているはずのユダヤ人がなぜ?って思うのだけれど、被害者意識に囚われたままであるからこそ、パレスチナ人を虐殺することを道徳的に考えられなくなっているようです。しかもイスラエルの報道機関はガザ地区に惨状は全く報道していないようで、ユダヤ人が被害を受けたことばかりセンセーショナルに報道しているようです。 少し驚いたのはイスラエル軍は高校卒業したばかりの17万人の新兵と兵役を修了した予備兵47万人から構成されているようで、新兵は36ヶ月、予備兵は数ヶ月軍務に従事するようです。そして高校を卒業したばかりの新兵が銃を持って戦闘するわけですが、訳がわからないまま、言われるがままにガァ地区の住人を練習がわりに襲撃しているようです。兵士は自分の心を守るために感情を封じて虐殺行為を行い、自らの行動に疑問を持つのは兵役を終えてからのようです。そしてその背景には、極右的な現政権の教育政策もあるようですね。もう一つ驚いたのは、ユダヤ教の超正統派が現在13%の人口比率なのですが、この超正統派は避妊せずに人口を増やすことを使命と考えているようで、合計特殊出生率が6を超えているので、人口が増えて、右傾化が進んでいるというのです。 いずれにしても、このような状況でパレスチナ人を虐殺しても、たとえハマスの幹部が全員殺害したとしても、イスラエルとパレスチナ人の紛争は終わらないと思いました。悲しいけれど…
Posted by
ユダヤ人の歴史、世界観、パレスチナへとの想い、ホロコーストからの価値観の変化、イスラエルをいろんな側面で解説している ホロコーストという虐殺された歴史を持ちながら、ガザに対して虐殺を繰り返すイスラエル この負のスパイラルを断絶するために命をかけて活動する、ユダヤ人とパレスチナ人 ...
ユダヤ人の歴史、世界観、パレスチナへとの想い、ホロコーストからの価値観の変化、イスラエルをいろんな側面で解説している ホロコーストという虐殺された歴史を持ちながら、ガザに対して虐殺を繰り返すイスラエル この負のスパイラルを断絶するために命をかけて活動する、ユダヤ人とパレスチナ人 読み進めるに連れて、何が悪なのか分からなくなる感覚が続いた 日本は世界唯一の原爆投下という大虐殺を受けた国となる 私の祖母も長崎で被爆しており、私は被爆三世だが、子供の頃から原爆に対する教育が徹底されていたと思う 著者も述べている通り、負のスパイラルを抜けるには、子供の頃からの地道な教育しかないのではないだろうか 世界から戦争が無くなる日を願う
Posted by
- 1
