電脳の歌 の商品レビュー
遠い昔なのか遠い未来なのかわからないが、宇宙のどこかで、どんな要求をも満たす全能でサイバーな曲者マシーンを生み出す宇宙有数の“建造師”トルルルとクラパウツィウスの壮大な叙事詩というか冒険譚というか寓話というか法螺話というか。とになく意味がないけど意味ありげなお伽話でびっしりと埋め...
遠い昔なのか遠い未来なのかわからないが、宇宙のどこかで、どんな要求をも満たす全能でサイバーな曲者マシーンを生み出す宇宙有数の“建造師”トルルルとクラパウツィウスの壮大な叙事詩というか冒険譚というか寓話というか法螺話というか。とになく意味がないけど意味ありげなお伽話でびっしりと埋められていて、正直読んでも読まなくても、飛ばしてどこから逆から読んでもかまわない。とにかくまじめに読む必要はないが、そこには量子力学だったり作者の豊富な科学的知識が詰め込まれていて、クスリ、ニヤリとさせられることも多く、作者スタニスワフ・レムが1921年生まれと考えると、何やらとても示唆的でもある。手元に置いて気が向いたときに適当開いたところを2〜3ページ読むくらいがちょうど良いのではないか、いい意味で。
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順調に刊行が続くレム・コレクション。誠に喜ばしい限りです。人間よりも人間らしいロボット二人の寓意に満ちた珍道中。とは言ってもそこはレム。歯応えありすぎるほどあるよ〜。簡単には噛み砕けないよ〜。言葉遊び部分も多く、原文が読めたらもっと楽しめるんだろうなぁと思うと同時に、日本語への落...
順調に刊行が続くレム・コレクション。誠に喜ばしい限りです。人間よりも人間らしいロボット二人の寓意に満ちた珍道中。とは言ってもそこはレム。歯応えありすぎるほどあるよ〜。簡単には噛み砕けないよ〜。言葉遊び部分も多く、原文が読めたらもっと楽しめるんだろうなぁと思うと同時に、日本語への落とし込みに翻訳者は悶絶ものだろうなと思いました。この文化間ギャップが興味深くもあります。 1965年の作品ですが現在の生成AIを先取りする記述があまりに現代的で驚愕する。主人公のロボットたちが建造師と言われているのもシビれます。英語ではなんて訳されているのだろう。builder?クリエイターも今やソフトよりの印象となってしまったし。建造師となるともっと重厚長大なハードウェアも作る感じがしていいね。物語中ではビルほどもあるAIを作っていてこの辺りもリアル。 作ったものが世界を消滅させかねないトラブルの元になったりもするけれど、やっぱり何か作り出せる人でありたいと思う。その方が楽しいし。 次回刊行の「地球の平和」も楽しみ。
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