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スティグリッツ 資本主義と自由 の商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

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2026/04/23

名著です。新自由主義をひたすら否定し続ける内容ですが、分厚い経済書らしからぬ読み易さで一気読みでした。 「自由」とは何かと改めて色々と考えさせられますね。誰かが自由になると、誰かの自由が損なわれる今のシステムを変えるべきというのはその通りかと思います。 なお、本書のタイトルは新自...

名著です。新自由主義をひたすら否定し続ける内容ですが、分厚い経済書らしからぬ読み易さで一気読みでした。 「自由」とは何かと改めて色々と考えさせられますね。誰かが自由になると、誰かの自由が損なわれる今のシステムを変えるべきというのはその通りかと思います。 なお、本書のタイトルは新自由主義を扇動したフリードマンの書籍と同名ですが、スティグリッツは本書内でフリードマンの事をずっと非難しているので、そこは訳者の当て付けというか皮肉が面白いなと感じました。

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2026/04/15

行動の自由とトレードオフを切り口に、「なるべく多くの市民の自由を向上させられる可能性が最も高い経済・政治・社会システム」として、進歩的資本主義を提唱します。それは、「あらゆる市民のウェルビーイングを中心に据え、物質的な財にとどまらず安心や自由まで組み込んだ枠組み」であり、ルールや...

行動の自由とトレードオフを切り口に、「なるべく多くの市民の自由を向上させられる可能性が最も高い経済・政治・社会システム」として、進歩的資本主義を提唱します。それは、「あらゆる市民のウェルビーイングを中心に据え、物質的な財にとどまらず安心や自由まで組み込んだ枠組み」であり、ルールや規制などによる「力の分散が中心的課題」で「社会正義という目標」があります。 ある新聞に2025年にエコノミストが選ぶベスト書籍に本書がなっていたのですが、何か腑に落ちない感じがします。「現在こそが、失敗が明らかになった新自由主義を放棄する歴史的瞬間なのだ」という言葉に、勇気づけられた方が多かったのでしょうか。著者の考えはともかくとして、論述が冗長に感じられ、編集でどうにかならなかったのかな、という印象が残りました。

Posted byブクログ

2026/04/14

スティグリッツ氏の功績は言うまでもなく素晴らしい。市場は常に不完全であり、新自由主義者の理想とするような完全な市場は実現し得ない、その中核的な根拠の一つである情報の非対称性の研究に関する業績は間違いなく経済学史に残る。その前提で、さらにスティグリッツ氏の「入門経済学」、ロールズの...

スティグリッツ氏の功績は言うまでもなく素晴らしい。市場は常に不完全であり、新自由主義者の理想とするような完全な市場は実現し得ない、その中核的な根拠の一つである情報の非対称性の研究に関する業績は間違いなく経済学史に残る。その前提で、さらにスティグリッツ氏の「入門経済学」、ロールズの「正義論」、アダムスミスの「道徳感情論」、フリードマンの元祖「資本主義と自由」など読んできたうえでこの本を読んで、フリードマン程とはいえないまでもスティグリッツ氏の主張も宗教色を帯びてきているのでは、と感じる。ただ私にとってこの宗教はフリードマン率いるシカゴ派ネオリベ教よりは遥かに個人的理想に近い。元祖「資本主義と自由」それ自体の完成度は非常に高いが、そもそも証明の前提となる公理系に無理がある(スティグリッツ氏の言う通り単純化されすぎている)。 ある人の自由は往々にして別の誰かの不自由を生みうる。アダムスミスの言う「各人が利己的に動くことで結果的に市場が最適化される」という命題には、アダムスミスが国富論の前に道徳感情論を書いている通り、各人が十分に道徳的であるという前提が無ければならない。残念ながら現代では道徳心を欠いた少数の守銭奴たちが多くの他者に不自由を押し付けてまで自身の経済的自由を大声で主張しており、金のかかる構造となってしまった現代の議会制民主主義はこの不具合を十分に解決できないでいる。この押し付け方にはほぼ詐欺的なスキームで弱者から搾り取る方法からサブプライム問題や環境問題のように外部性を軽視する方法まで様々あるが、いずれにせよ歴史的にも市場の不完全さの証明からもインセンティブでは解決が極めて困難でありやはり規制や介入が必要と言わざるを得ない(規制や介入のほうが何時も確実に優れているとは言えないが)

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2026/02/07

アメリカ国内のことを中心に、新自由主義には欠陥があるので、規制や規範による統制が必要ということを主張している。例示も詳細でありただただ納得させられるが、市場主義の弊害だけに目が向いた論調なので、統制を導入した場合の弊害の方も同列で紹介した上で説明されるとより説得的かなと思った。日...

アメリカ国内のことを中心に、新自由主義には欠陥があるので、規制や規範による統制が必要ということを主張している。例示も詳細でありただただ納得させられるが、市場主義の弊害だけに目が向いた論調なので、統制を導入した場合の弊害の方も同列で紹介した上で説明されるとより説得的かなと思った。日本人からすると、そこまで市場が完全ですよと主張される機会は少ない気がするし、よりバランスが取れているのではないかと思う。

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2026/01/04

経済学者として尊敬できるスティグリッツの本で、年末年始休暇を使って読了。内容は想定通りだが、やはりかなり良い。何度か読んでしっかり理解したいと思える。経済学の本なのに自由について考察しており、これからのあるべき社会について提言している。既に限界が明らかになっている新自由主義の誤り...

経済学者として尊敬できるスティグリッツの本で、年末年始休暇を使って読了。内容は想定通りだが、やはりかなり良い。何度か読んでしっかり理解したいと思える。経済学の本なのに自由について考察しており、これからのあるべき社会について提言している。既に限界が明らかになっている新自由主義の誤りを列記しているが、米国の動向を受けて新自由主義を全否定しているのが少し残念に思える。過去から右往左往して今に至っており、これから先はまた別なのだという論旨を期待したい。良書。

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2025/12/22

『タイムバインド』と『ネオリベラル・フェミニズムの誕生』を読んで、やはり新自由主義の本を読まないとな~と思い、手に取った。 (訳者の腕もいいのだろうけど)驚くほど平明な文章で、ハイエクとフリードマンの悪口!が書かれていて爽快ではある。 原タイトルThe Road to Fre...

『タイムバインド』と『ネオリベラル・フェミニズムの誕生』を読んで、やはり新自由主義の本を読まないとな~と思い、手に取った。 (訳者の腕もいいのだろうけど)驚くほど平明な文章で、ハイエクとフリードマンの悪口!が書かれていて爽快ではある。 原タイトルThe Road to Freedomがハイエクの著書『従属への道』The Road to Selfdomのもじりであることから察せされるように、前半は新自由主義の批判がてんこ盛り。ハイエクとフリードマンを徹底的にやり込めている。 後半は、格差の問題点とその解決法について。こちらはまだ読んでいる途中なので、読了したら追記する予定。

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2025/11/16

公正な経済システムであれば市民は誠実で共感的になり、他人と協力できるようになる。 公正な経済システムは実現するの?

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2025/10/21

読む前は身構えたが、読みやすかった印象。ただし根拠や具体例に乏しいところが一部あるように感じた。 印象的だったのは、現代の負債は未来への投資でもある、という考え方。ただ単にお金を借金すると考えるだけでなく、見方を変えれば必要な公共投資であることを考えさせられるのかなと思い、納得...

読む前は身構えたが、読みやすかった印象。ただし根拠や具体例に乏しいところが一部あるように感じた。 印象的だったのは、現代の負債は未来への投資でもある、という考え方。ただ単にお金を借金すると考えるだけでなく、見方を変えれば必要な公共投資であることを考えさせられるのかなと思い、納得させられた。

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2025/10/18

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10294833

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2025/09/16

スティグリッツ氏が新自由主義の誤りを説明し、あるべき未来の方向性を示そうとする本。 氏がこの本をトランプ二次政権前に刊行したのは余程の危機感があったと考えられる。結果は残念ながら氏の懸念を払拭できず、より一部の富裕層の富が政治的法的に守られていく方向になっている。本を読み、アメ...

スティグリッツ氏が新自由主義の誤りを説明し、あるべき未来の方向性を示そうとする本。 氏がこの本をトランプ二次政権前に刊行したのは余程の危機感があったと考えられる。結果は残念ながら氏の懸念を払拭できず、より一部の富裕層の富が政治的法的に守られていく方向になっている。本を読み、アメリカはよほど自由の国から離れてしまったのかと改めて思った。 中身としては、新自由主義の誤りを説明することはわかりやすい。特に印象的なのは、 ある自由が別の自由を制限する際、トレードオフをよく考えるべき 例銃を持つ自由 銃にさらされる危険からの自由  選好は環境によって左右される 新自由主義が育てる人間性はそもそも信頼を損ない市場を効率的効果的に機能させない人間性を育ませるという課題 市民感覚からして、当たり前と思う前提を抜かして計算したり分析する経済学の欠陥はどうやらまだ修正できないらしい。 とはいえ、本来経済学者であるスティグリッツ氏が政治や法律、哲学に越境してリスクを冒してでも議論する姿勢は素敵だと思う。 一方、新自由主義を是正し適切な規制や分配を行う政府が機能不全になっている点についての解がこの本には記載されていないのがとても残念。範囲外なのだろう。別の著書にて期待したい。

Posted byブクログ