赤い部屋 の商品レビュー
“赤い部屋”で開かれる奇怪で幻想的なクラブ。そこで新規会員の男が語る奇妙な殺人の告白とは… 乙女の本棚シリーズ。作品とちょっと漫画っぽいイラストの雰囲気が合っていると感じた。 乱歩のこういう作品は良いよね、話に引き込まれるて鮮やかなラストを迎える。面白かった!
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乙女の本棚シリーズ。 怪しい赤い部屋で新入りの男が語るのは、にわかに信じられない罪の告白。最後まで作り込まれた乱歩の世界に、あっけにとられてしまいました。 寿なし子さんのイラストが、赤い部屋の世界観を更に盛り立てていて、ステキでした。
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人間椅子を読んだことがあるのでこの本も読んでみようと思いました。 江戸川乱歩は気味が悪い小説が多いが、最後まで読むとホッとする何かがある。
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なんだか面白かった。最後にオチがあり。そんなことあるかい?と思いながらも100人目は自分か、給仕女か?はらはらしながらページをめくったら、ちゃんちゃん!っていう感じでした。本気で現実で真似されたら困ると考えてしまった…。
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ヒボさんお勧めの作品 (乙女の本棚)は5冊め おどろおどろしくて緊張感が増した雰囲気で始まる「赤い部屋」の会 異様な雰囲気の中で、今晩の話手となるT氏は殺人の告白をする。それも1人ではない。 淡々と話す様子は恐怖でしかない。 美しく妖しい、寿なし子さんのイラストも怖さを増す要...
ヒボさんお勧めの作品 (乙女の本棚)は5冊め おどろおどろしくて緊張感が増した雰囲気で始まる「赤い部屋」の会 異様な雰囲気の中で、今晩の話手となるT氏は殺人の告白をする。それも1人ではない。 淡々と話す様子は恐怖でしかない。 美しく妖しい、寿なし子さんのイラストも怖さを増す要素になる。 ラストは想定外だったのでかなり驚いた。 2回3回読み込み、ふと表紙を見て納得した。 おもしろい作品だと思う。
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乙女の本棚シリーズの一冊。 このシリーズ、乱歩が好きだよね。6作目だからね。まあ、確かに乙女っぽいイラストがつけやすいかも。今回のは今までの乱歩作品以上に相性がよかったように思う。 次はなにかな。
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江戸川乱歩文学忌、享年70歳 1925年 大正14年 「新青年」初出 「赤い部屋」に集う7人 常識では語れない体験を語る 新入の男が語る「未必の故意」的完全犯罪 倫理と心理の妄想 この「未必の故意」とは、直接的に殺す意図はないが、結果として殺害が起こることを認識しつつ行動す...
江戸川乱歩文学忌、享年70歳 1925年 大正14年 「新青年」初出 「赤い部屋」に集う7人 常識では語れない体験を語る 新入の男が語る「未必の故意」的完全犯罪 倫理と心理の妄想 この「未必の故意」とは、直接的に殺す意図はないが、結果として殺害が起こることを認識しつつ行動する心理状態を指す。語り手は、自己の行為を正当化せず、むしろその曖昧さと罪の重さを深く自覚している。 語り手の告白は、単なる犯罪談ではなく、人間の意志と無意識、倫理と罪の境界を問う。 心理戦が面白いと言えば面白い イラストは寿なし子さん 妖しげな雰囲気はよろしですけど 女の子が可愛い感じすぎるかなあ 狐面は妖しさ増して良いです
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語りと仕掛けが巧みな良質サイコホラーだった。江戸川乱歩ってほんとすごい。 「赤い部屋」で夜な夜な催されている、怪しげな会員制倶楽部。新入会員のT氏は、そこで自分が犯してきた罪を飄々と告白していく。 〈この場合可哀想な老人を殺したものは果して何人でしょうか。〉 いわゆる、未必の故意。(大好きなテーマ!) まるで悪戯でも仕掛ける子供のようにつぎつぎと繰り返された、死神のようなサイコパス男による99の所業。そして100番目の殺人。すべて作り話ですよ、と種明かしはされたけれど、誰がそれを信じられるだろう? 一体どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。 〈「赤い部屋」の中には、どこの隅を探して見ても、最早や、夢も幻も、影さえ止めていないのだった。〉
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乱歩作品は乙女の本棚シリーズと相性が良いようで、現在47冊中4作が乱歩作である(太宰作品はもっと多い)。 本作『赤い部屋』は江戸川乱歩の初期の短編小説。僕は『D坂の殺人事件』に収録されているのを読んだ事がある。 推理小説黎明期を思わせる少しぎこちなく、しかし才気走った語り口が面...
乱歩作品は乙女の本棚シリーズと相性が良いようで、現在47冊中4作が乱歩作である(太宰作品はもっと多い)。 本作『赤い部屋』は江戸川乱歩の初期の短編小説。僕は『D坂の殺人事件』に収録されているのを読んだ事がある。 推理小説黎明期を思わせる少しぎこちなく、しかし才気走った語り口が面白い。谷崎潤一郎の初期犯罪小説にも通じるものがあると思う。 とは言え、乙女の本棚シリーズで気になるのはやはりイラストや装丁。銀糸を漉き込んだ和紙の見返しも雅、黒地に白抜きの文字や、えんじに白抜きの文字はそのまま薄暗い赤い部屋の描写と共鳴し、妖しい雰囲気を醸しだす。ランプや階段など静物のイラストも良い。特に人をはねた直後の車の、何故だか静謐なイラストは良かったです。 しかし、残念だけど人物画が好みではなかった。美しい給仕女花ちゃんは良いとして、T氏にはもう少し毒というか薄気味悪さとか底意地の悪さが欲しかったな。毒はあるけど何だか爽やかなんだよね。 とは言え、寿なし子さんのスタイルも当然わかった上でコラボしているわけで、乙女の本棚シリーズにはそう言ったオドロオドロしさは必要ないってことでしょう。 編集サイドとしては「お客さん、来る店間違ってるよ。他所行ってくれよ」ってところなんでしょうけど、乱歩だもん、グロテスクな悪意は必須だと思うのだけど、どうでしょう。
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赤い部屋ですから赤地に白文字なのがいい。勿論、黒地に白も。「その部屋は、私を、丁度とほうもなく大きな生物の心臓の中に座っている様な気持にした。私にはその心臓が、大きさに相応したのろさを以って、ドキンドキンと脈うつ音さえ感じられるように思えた。」こんなに好奇心を押し殺した深くて長い呼吸にぴったりの表現があるとは。しかも同じ思惑、趣味嗜好をもった集団だと言うのもこれだけで気持ち悪ほどありありと想像できる。あれだけ格式高かった赤い部屋が最後一気にチープになるのは夢から覚めたようで心地いい。割と最初から給仕の女性が描かれて殺人者の内面を表現するようにそれから何度も描かれているのが不思議だったが、最後まで読んで納得。
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