巨鳥の影 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人称でさまざまな視点から綴られる犯罪。鳥、魚、最後は人間の体がモチーフになって犯人の思いが明らかに。中には、子の真意を知って慄くことも。タイトルもダブルミーイングとなっていたりして、読み返したくなる短編集でした。
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ミステリ短編集。 ミステリーなんだけど、ちょっとひねりが効いていて、読んだあと心がすっと冷たくなるような。 読みやすくあっという間に読めた。
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八つの物語を集めた短篇集 それぞれの最後のページを読み終えた時に なる程という思いだけでない何かが残っている。なに?これ 四つ読んだところで 何となく思い付いたのが 物語の続きのイメージが浮かぶのだ それも複数 ふーん。面白いじゃないですか☆☆
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長岡弘樹『巨鳥の影』徳間文庫。 あの手この手で伏線を張り巡らし、結末を読んで思わず二度読みさせるようなミステリー短編の名手による8編収録の短編集。当然、当たりの短編もあれば、外れの短編もある。そういう意味で全てが当たりの短編だった『傍え聞き』は類稀なる傑作だったと言えよう。 ...
長岡弘樹『巨鳥の影』徳間文庫。 あの手この手で伏線を張り巡らし、結末を読んで思わず二度読みさせるようなミステリー短編の名手による8編収録の短編集。当然、当たりの短編もあれば、外れの短編もある。そういう意味で全てが当たりの短編だった『傍え聞き』は類稀なる傑作だったと言えよう。 『巨鳥の影』。缶詰工場で発生した三百万円の盗難事件を巡るミステリー。記述されていることのどれもが伏線のようにも思える。聞き慣れない鳥の鳴き声、ギャンブル好きの先輩刑事の借金、携帯電話のブラインド・タッチ・メール。予想は半分当たり、半分外れた。なかなか見事なプロットである。 『死んでもいい人なんて』。何という結末なのだろう。この短編も数々の伏線が張り巡らされているが、自分の推理の上を行く結末に驚いてしまった。小学校の女性教師の家に空き巣が侵入し、女性教師はゴルフクラブで殴り殺してしまう。空き巣の正体は女性教師の教え子の父親だったのだが…… 『水無月の蟻』。凡その予想は当たった。隣室のキャバ嬢の部屋に忍び込む大学生。内気な大学生はペットに大量の蟻を飼っていた。大学生がキャバ嬢の部屋に忍び込んだ時、大きな地震が起きて、2つの瓶が床に落ち、白い粉末を撒き散らした。大学生が白い粉を舐めてみると砂糖だった。 『巻き添え』。つい最近も痛ましいことに、飛び降り自殺の巻き添え事件が実際に起きている。高校教師の娘が飛び降り自殺を図り、あろうことか高校教師の教え子の母親を巻き添えにしてしまう。娘は一命を取り止めたものの、教え子の母親は亡くなってしまう。結末は何となく解った。 『鏡面の魚』。ストーリーは読めたし、トリックが少々チープ過ぎるように思う。付き合っていた若い看護婦に別れを告げた医師が密かに他の女性患者と付き合い始め、破滅の道を進む。 『白いコウモリ』。そんなことがある訳ないだろうというような展開と結末。仕掛け自体は『鏡面の魚』と類似。ある病気で入院することになった小学生。母親は交通事故で死んでいるとも言えるし、生きているとも言える状態だった。 『見えない牙』。これも凡その展開は読めた。ストーリーとしては然程面白くはない。母親とヒモ状態の義父はなかなか小学生の娘との距離を縮めることが出来ないでいた。ある日、娘が義父の携帯電話を手にして出掛けてしまう。 『再生の日』。再生から連想するのはプラナリアである。作中のにもプラナリアの再生能力が描かれているが、それがどうストーリーと関わって来るのか。医学生で過激派に汲みした男がスポーツクラブのロッカーに入れた鞄を盗まれる。 本体価格820円 ★★★★
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