ミュージアムのふたり(1) の商品レビュー
宮城県登米市をモデルとした架空の町を舞台に、会計年度職員のエリカとたった一人の学芸員の文子が、男社会そして「稼げるミュージアム」「調査研究以外が主軸のリーディングミュージアム」といった昨今の博物館を取り巻く事情と闘うシスターフッドお仕事漫画。 資料の搬入出を業者に依頼するのでは...
宮城県登米市をモデルとした架空の町を舞台に、会計年度職員のエリカとたった一人の学芸員の文子が、男社会そして「稼げるミュージアム」「調査研究以外が主軸のリーディングミュージアム」といった昨今の博物館を取り巻く事情と闘うシスターフッドお仕事漫画。 資料の搬入出を業者に依頼するのではなく、展示替えをほぼ文子一人が担ったり、校外学習の受け入れでエリカが戸惑いながらも喜びを見出したりなど、小規模館ならではの描写がリアルに感じられた。 ミュージアムを舞台とした作品は数あれど、最新の事情を紹介し、小規模館の悲喜交々を生々しく描いているのは画期的だと思う。 個人的に気になっているのは14年前の震災の描写。 モデルの土地が内陸とは言え、一コマだけの台詞に登場して終わっている。 第一巻はエリカの心情がメインに描かれており、文子の事情についてはあまり触れられていないので、続刊以降に震災の経験含め表れてくるのかもしれない。 今後の展開に期待を込めて☆5の評価。
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やりがいある。 楽しい。 だけどそれが集客にそのまま繋がるわけじゃない。 施設にも、そこに集めてあるもののひとつひとつに大きな意味がある。 だけどそれが集客にそのまま繋がるわけじゃない。 市長の言ってる意味もわかる。 わかるが博物館の意味はわかってない。 中身を見ずに数字だけ見る。 中にいる人間にとっては何よりもやもやすること。 設置者が中身を知らずに評価するんだから。 でもその現実にどう立ち向かうか。 それを考えていくしかない。
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面白かった。 装丁が目について手にとったが、 書店で最近よくみる1話だけ試し読みできる小冊子が置いてあって、 これが、かなり面白くなかったので(主観) ちょっと悩んだが、まあとりあえず回収してきた。 初手から肉体的恋愛にとても活発というか奔放な女性が 田舎で一悶着起こしている、と...
面白かった。 装丁が目について手にとったが、 書店で最近よくみる1話だけ試し読みできる小冊子が置いてあって、 これが、かなり面白くなかったので(主観) ちょっと悩んだが、まあとりあえず回収してきた。 初手から肉体的恋愛にとても活発というか奔放な女性が 田舎で一悶着起こしている、というお試し冊子だったんだが、 そんな性的な部分はその1話だけ。 地方の郷土博物館での日常や、 パワハラやセクハラ、ある意味昭和的ジェンダー圧。 ”経済振興に貢献”という名の切り捨てや 文化財で稼げとのプレッシャー なんか、もう、胃がキリキリするような話も散りばめられてて 顔もキュっとなるが、 それでも、やさしい東海林さんや、 ちゃんと行動修正できるただ一昔前なだけの人々 後味は悪くない。 装丁にカマ神のデザインがあったので、 宮城か岩手かと思ったんだが、 内容に、この物語の舞台になっている ”日高見市立 とおやま郷土博物館” 宮城県日高見市遠山幣立とあるので(架空住所) 宮城県は宮城県で、日高見とあるので やっぱり石巻かねぇ。 しかも、幣立ってまた高天原かいな、、と (あの神社しか頭に浮かばない) しょってるねぇ。 ともかく、地方の色々な博物館や郷土資料館でよく聞く問題が かなりリアルに描かれていて いろんな人に読んでほしいとは思う。 残念ながら小さい学童にはちょっとおすすめできないが、、。 最近博物館モノというと、「へんなものみっけ」とか良作があるが こういう行政的というか人間からのアプローチも在ってよかろうかと思う。 個人的にはそこらへんあんまし興味ないけど。 まあ、ことごとく地方感あって、 読む人によっては、どこに問題があるか気づかないのでは、、 と思ったりもしたのだった。 かなりディープです。 家庭も含め 教育って大切だな、、とつくづく思う。 追記、後書きの最後に日高見のモデルが書いてありました(読んでなかった笑) 宮城北地方、岩手南地域(旧仙台藩)とざっくりそこらへんのようです。 東北の文化歴史に興味のある人にもおすすめかと思われる。
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絵柄も話も地味ではあるが、それがうまいことあってるなあという印象。 架空の町なのだけど、細かく設定してくれてるので本当にあるように思えてくる。内容はヒューマンドラマだけど、人間関係以外にも純粋に博物館という場所に対しての親しみを感じる。 なかなか楽しく読めるね。
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