あなたの四月を知らないから の商品レビュー
恋愛小説かと思いきや、そんなこともなく話に引き込まれていった。登場人物が愛らしく、そして少し寂しい。あー面白かった!
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いろんな感情が込み上げてくる内容。 精神的自立の難しさを感じた。 頑張ってもうまく行かないことがみんなあってそれをどんな形で乗り越えるのかが大切だと思った
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大きな山や谷はないけど、それがリアルでひとりの感情の動きと描写をじんわり感じさせてくれた。 主人公と彼をそれぞれ主題にした2つの物語は、どちらも大切な人が幸せに生きてほしいと願う温かいストーリーだった。 女性用風俗という未知の世界のお話だけど、貯金も仕事も友達も満たされた主人公の...
大きな山や谷はないけど、それがリアルでひとりの感情の動きと描写をじんわり感じさせてくれた。 主人公と彼をそれぞれ主題にした2つの物語は、どちらも大切な人が幸せに生きてほしいと願う温かいストーリーだった。 女性用風俗という未知の世界のお話だけど、貯金も仕事も友達も満たされた主人公の果たして何を手に入れたら幸せだと感じられるんだろう。 別れを経て進む前向きな心情に春のような潔さが儚くて綺麗だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
39歳女性由鶴が主人公の「大阪城は5センチ」。 そのスピンオフのような、アラサー君・宇治の「ゼログラムの花束」。 独身である由鶴が、風俗サービスのセラピストである年下の男性・宇治との関わりを中心に、扱うテーマはとても現実的であると感じました。 そしてその切実さも関西のノリに飲み込ませているところに、一段と現実味と親しさを感じる。とくに第二話とか、真面目に書いたらなかなかのないような気がするけれど、一種ネタになっててそのトーンに安心するというか。 実際、日々ずっと切実に真摯に生き続けているわけではなくて、物事や現実との距離は近づいたり少し離れたりしている。気分にもよる。 そんなふうに、真面目と不真面目の間のバリエーションがいろいろ混ざっているような発言模様や語りがあって、楽しめる。…
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タイトルと海外の小説のような装丁にひかれて。思ったよりもよかった。大阪城が見えるところにゆかりがあるので親しみもあった。2篇で語り手が変わるけど同じ世界の話。映画になりそうな感じ。
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公式より 「恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の宇治とは3月で会えなくなることを知り……。」 この本の紹介文を見てすぐに「読みたい!」 と思いました。 なんだか、ワクワクするテーマだなと。 由鶴が主人公...
公式より 「恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の宇治とは3月で会えなくなることを知り……。」 この本の紹介文を見てすぐに「読みたい!」 と思いました。 なんだか、ワクワクするテーマだなと。 由鶴が主人公の『大阪城は五センチ』と 宇治が主人公の『ゼログラムの花束』の二篇からなります。 どちらの主人公も、女性風俗という点で 自分の知らない世界の人…として読み進めていたのですが、読後は 仕事や家族のことで悩んだり、友達と楽しく過ごしたり… どこにでも本当に居そうな、愛おしい二人の物語でした。 軽い感じの関西弁が読みやすく、 主人公二人の成長を ワクワクしながら読めました(^^)
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無理な明るさがなくて、描写が綺麗なこんな本が好き! 初めて読む作者の本は、自分の知らない世界が広がっていくような感じがした 燦々とした世界じゃなくても、寂しくて心許なくても、ひとりで立ち続けていくような二人 信じたいと思うものをただ信じたらよかったんだ
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著書には、創作大賞2024(note主催)朝日新聞出版賞受賞作である「大阪城は五センチ」と、”宇治”こと真山氏久の視点で自分自身を鑑みる「ゼログラムの花束」の2作品が収められています。 著者の文章は読みやすいのに重厚感がある語り口に、なぜか私は苦しさをも感じてしまう作品でした。...
著書には、創作大賞2024(note主催)朝日新聞出版賞受賞作である「大阪城は五センチ」と、”宇治”こと真山氏久の視点で自分自身を鑑みる「ゼログラムの花束」の2作品が収められています。 著者の文章は読みやすいのに重厚感がある語り口に、なぜか私は苦しさをも感じてしまう作品でした。 登場人物が丁寧に描かれていて、各々の潜在意識であろう言葉にも、なぜか私には明るさが見えなかったからかもしれません。 noteで創作された作品がこうやって世に出ていることを改めて実感した作品でもありました。
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恋人もなく仕事もパッとしない39歳の八木由鶴はやっと貯めた一千万円だけが唯一の拠り所。そんな由鶴が女性向け風俗で知り合ったセラピスト・宇治との出会いをきっかけに自らの人生を掴んでいく「大阪城は五センチ」 借金返済のために女性向け風俗のセラピスト・宇治として働く31歳の真山氏久。...
恋人もなく仕事もパッとしない39歳の八木由鶴はやっと貯めた一千万円だけが唯一の拠り所。そんな由鶴が女性向け風俗で知り合ったセラピスト・宇治との出会いをきっかけに自らの人生を掴んでいく「大阪城は五センチ」 借金返済のために女性向け風俗のセラピスト・宇治として働く31歳の真山氏久。数々の女性を癒す宇治を演じながら、幼い頃に生き別れた母への鬱屈した思いを捨てきれずにいる氏久が母への感情に折り合いをつけていく「ゼログラムの花束」 連作の中編2作はこれがデビュー作とは思えないほど文章も、構成も見事。 独身で生きづらさを抱える女性を描く小説にありがちな過剰な自意識や押し付けがましさはなく、独特の比喩表現や感受性の豊かさが心地いい。 そして何より読後の清々しさは格別。 ずっと読んでいたくなる作品でした。
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貯金が1千万円あること以外に特に取り柄がないヒロインの由鶴。 そんな彼女の片想いの相手は、女性用風俗でセラピストとしてサービスを受けている宇治。 その宇治は宇治でセラピストとしてのスキル以外にほぼ何ももっていない男性だった。 対極にあるような2人のそれぞれの、それぞ...
貯金が1千万円あること以外に特に取り柄がないヒロインの由鶴。 そんな彼女の片想いの相手は、女性用風俗でセラピストとしてサービスを受けている宇治。 その宇治は宇治でセラピストとしてのスキル以外にほぼ何ももっていない男性だった。 対極にあるような2人のそれぞれの、それぞれが互いにみせない日常を描いたお話です。 ヒロインの由鶴は39歳で、いろいろ悩みを抱えてるし、セラピストの宇治は宇治で悩みを抱えている。 ただ、2人の関係はあくまでサービスの提供者とサービスの受け手。しかも、風俗ということもあり、お互いの素性はわからない関係なので、お互いにその悩みを共有することはできない。 そんな2人の四月部分(おそらくみせないという意味で嘘という意味も含まれていると思っている)が描かれているなと思います。 読みはじめどころか、最後まで読んでも、日常を描いたものなのか?淡々と各登場人物視点の悩みと日常を描いている?ので、何を伝えたいのか どんな作品なのか、自分で感じて自分で考えるタイプの話ではないか?と思います。 各登場人物の両方あるいはどちらかに共感できたりすると刺さりそうだなと思うのですが、エンタメみたいに娯楽として楽しむという作品ではないなと思います。 そんなことを書きましたが、宇治の話で書かれている「赤ちゃんプレイお化け屋敷」のくだりは、今年1笑ったというくらいに、爆笑してしまいましたが(笑) キラキラと輝く日常でもなく、もしかしたらヒロイン由鶴の日常は特殊、特別でも地味かもしれないし、セラピストの宇治も同様かもしれない。 そんな彼女と彼の日常は友達もいて、貯金があったり、生きていくスキルがあったりで、どこか羨ましい日常だなと思えたり、もしかすると実は自分も同じで、平凡な日常でむしろ他人よりも劣っているかもしれないと感じる日常を過ごしているように思えて、実はそうではないのかもしれない。 そんなことを読後に思った作品です。
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