龍と霊 DRAGON&APE(2) の商品レビュー

東直輝(著者),久正人

2025/05/18

上海・銭龍編終了、新章へ。

上海での物語は、ここで終了というのが勿体無い気もする。この物語当時の上海というと、魑魅魍魎蠢く魔都、というのが鉄板中の鉄板で、ありとあらゆる虚実陰謀が渦巻いているイメージ。まだまだ闇の中で動き続けることができたと思ってしまいますね。序章という立ち位置なのでしょうね、物語上の。
銭龍が、カロノサウルスの変異体だとは思わなかった。パキケファロサウルスかな、と思っていたのですけどね、ドーム頭なので。脳味噌発達パッキーかと思っていたけど、違いましたね。
異常の能力ゆえに行動停止を引き起こしてしまう、というのは皮肉が効いていて良いです。銭の名前を冠しながら、金の力で敗北するというね。スパイアクションはハードボイルドと親和性が高いと思っているので、機知を皮肉で包んで敵にぶつけて、哀悼を冷笑で誤魔化すのがいいと思います。
ハードボイルドの解釈間違っていても気になさらず願います。

新章の舞台はニューヨーク。自由の女神から始まる冒頭。今回のダンテと銃三の目的は「騎士団」が求めている「火をもたらすもの」の回収。
隠語でなっていますが、核兵器開発ですね。
WW2で避けては通れないミッション。その物語の始まりを自由の女神から始める、という見せ方が綺麗で好きです。マンハッタンですからね。厳密にいうと、リバティ島なので違うかもしれない。
仕事のパートナー、情報屋のヴァレリーと彼女の相棒のココ。ココのビジュアルと襟巻きに擬態しているのがカッコ良い。モコモコで可愛いのだけど、あれ暑くなりすぎやしないのだろうか。恐竜は変温でなく恒温というのが、昨今の研究の結果らしいですが、ダンテたちはどうなんだっけ？
原点だという『ジャバウォッキー』読めばいいのかしら。