中村屋のボース 新装版 の商品レビュー
インドは何世紀かにわたってイギリスの植民地として支配された。そんな状況下で、インド独立を掲げてイギリスの帝国主義に対抗した者がいた。本書は、そのうちの一人で日本と親密な関係を築いたラース・ビハーリー・ボースの評伝である。インドで過ごした頃、テロを実行したこともあって、彼は指名手配...
インドは何世紀かにわたってイギリスの植民地として支配された。そんな状況下で、インド独立を掲げてイギリスの帝国主義に対抗した者がいた。本書は、そのうちの一人で日本と親密な関係を築いたラース・ビハーリー・ボースの評伝である。インドで過ごした頃、テロを実行したこともあって、彼は指名手配され、逃亡生活を余儀なくされた。それで、日露戦争で勝利した日本に関心を持ち、官憲の目をくぐり抜けて何とかインドから脱出した。それ以後、イギリスはボースをめぐって日本に干渉したこともあり、日本に滞在したときも警察の目から逃れるのに必死だったが、その際、玄洋社や黒龍会といった右翼団体、パン屋の中村屋の支援もあって生き延びることができた。そして1916年天洋丸事件をきっかけに風向きが変わり、日本で安心して活動できるようになった。
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インド独立運動の指導者ラース・ビハーリー・ボースの波乱に満ちた生涯を、綿密な取材によりまとめられた本。 戦前から戦争末期にかけて、 世界の動きとインドとの関わり、 それぞれの国の欲であったり、 丁寧に調べられたことが一冊の本に組み立てられ、 時代が鮮やかに記されていて、とても良か...
インド独立運動の指導者ラース・ビハーリー・ボースの波乱に満ちた生涯を、綿密な取材によりまとめられた本。 戦前から戦争末期にかけて、 世界の動きとインドとの関わり、 それぞれの国の欲であったり、 丁寧に調べられたことが一冊の本に組み立てられ、 時代が鮮やかに記されていて、とても良かったです。 中村屋のカリーへの思い、最後に記された、 中村屋のインドカリーがある限り、「中村屋のボース」として生き続ける の一文に心打たれました。
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