灼熱の魂 の商品レビュー
母の死後、双子の姉弟は遺言を伝えられる。その内容は、姉は死別したと思っていた父を、弟はその存在を知らなかった兄を探し出し、それぞれ手紙を渡して欲しいというものだった。 父と兄に関する事実を知った後で、子供たちはどう生きていくのか。その事実を彼らは知るべきだったのか、知らない方が良...
母の死後、双子の姉弟は遺言を伝えられる。その内容は、姉は死別したと思っていた父を、弟はその存在を知らなかった兄を探し出し、それぞれ手紙を渡して欲しいというものだった。 父と兄に関する事実を知った後で、子供たちはどう生きていくのか。その事実を彼らは知るべきだったのか、知らない方が良かったのか、いくら考えても答えが出ない気がする。 ラストの母から双子への手紙が心に突き刺さった。
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長らくの間、図書館の読みたい本リストに入れていましたこの一冊 なぜ入れていたのかは記憶にございません 表紙に惹かれたからでしょうか ブクログで調べてみるとなかなかの高評価だったからでしょうか (感想・登録者数は少ないですが) それとも、「戦争と因習、そして運命に弄ばれた女...
長らくの間、図書館の読みたい本リストに入れていましたこの一冊 なぜ入れていたのかは記憶にございません 表紙に惹かれたからでしょうか ブクログで調べてみるとなかなかの高評価だったからでしょうか (感想・登録者数は少ないですが) それとも、「戦争と因習、そして運命に弄ばれた女性の壮絶なる過去が慟哭を誘う」という作品紹介にやられたのでしょうか いずれにしてもとにかく借りてみることにしました そして、ページを開いてみると── なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ〜Σ(゚Д゚) って、そこまでびっくりすることでもないです これは戯曲というものですか? (対話と場面の状況を指示する形で物語が進んでいきます) 舞台で観たらまた面白さも違うのかな…
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ドゥニヴィルヌーブの映画を観る前に原作を読みたくて読んだ。 前編会話文だがスラスラ読める。自分のルーツを探すことになるが、点だったのに線で繋がった時の圧巻の瞬間が目から鱗だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
レバノン出身の劇作家、ワジディ・ムアワッドの戯曲。 数年前から一切話すことをしなくなった母親。そんな母が亡くなり、遺言として、姉には死んだ父を探すこと、弟は今まで存在すら知らなかった兄を探すことが課せられる。母親に一体何があったのか。。。 凄いものを読んだ。正直、それしか言えない。 語られるのは地獄で、壮絶な人生。でもそんなことよりも、最後にわかる真実がどうしようもなく心を抉る。とんでもなくミステリだ、これ。 戯曲は食べず嫌いのように、今までなんとなく読んでこなかったが、本作を手に取って良かった。少し読書の幅が広がったような気がする。 最後の50ページほどは解説。スッと読めるボリュームだが、重い。でも良い。超おすすめ。
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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって2010年に映画化もされたワジディ・ムアワッドによる戯曲。 映画は2010年の作品だが、2022年にデジタルリマスターされ劇場でも公開されている。自分も劇場で流れてるタイミングで久々に鑑賞したが、戦争による血塗られた歴史と、そこに暮らす人々の余りに...
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって2010年に映画化もされたワジディ・ムアワッドによる戯曲。 映画は2010年の作品だが、2022年にデジタルリマスターされ劇場でも公開されている。自分も劇場で流れてるタイミングで久々に鑑賞したが、戦争による血塗られた歴史と、そこに暮らす人々の余りにも理不尽な運命が凄まじくて、何度観ても打ち震えるような感情に襲われる凄まじい映画だと改めて思った。 ワジディ・ムアワッドの戯曲は映画版とは印象が全然違っていた。 戯曲なこともあって当然台詞で背景が語られていくのだが、映画とはまた違った熱、というか語りによる圧倒的な力を見せつけられた。 映画では描かれなかった背景を見ることも出来る。だがそこには余りにも辛い現実もあって、『灼熱の魂』という作品が持つ力をより強く、深く受け取った気がする。 巻末にシャルロット・ファルセによる解説も載っているのだが、これも良かった。 映画も戯曲もそれぞれ違った魅力があり、両方手に取ったほうが良いと思った。出来たら映画から入ったほうが良いかもしれない。 それにしても、この『ワジディ・ムアワッドによる原作戯曲はずっと読みたいと思っていたので、書籍化されてとても嬉しい。 2010年に映画化された戯曲が出るはずもなく……とか思ってたら2025年の3月に突然書店に並んでいて驚いたよ。
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