旧白洲邸 武相荘の四季 の商品レビュー
白洲次郎、白洲正子の夫妻が住んだ、武蔵野の自然に囲まれた家、「武相荘」 「ぶあいそう」と読む。 太平洋戦争が激しくなるころ、現在の町田市、その頃の鶴川村に農家を買った。長らく放置されてひどく荒れていたのを三十年かけて手を入れて住んできた。住宅とはそういうもの。最初から綿密な計画を...
白洲次郎、白洲正子の夫妻が住んだ、武蔵野の自然に囲まれた家、「武相荘」 「ぶあいそう」と読む。 太平洋戦争が激しくなるころ、現在の町田市、その頃の鶴川村に農家を買った。長らく放置されてひどく荒れていたのを三十年かけて手を入れて住んできた。住宅とはそういうもの。最初から綿密な計画を立てて設計しても、住んでみれば不満が出てくるだろう。 家とは、人の生活に合わせて変えていくものでもある。(白洲正子) 一冊のほとんどが、写真であり、その一々に説明はないが・・・ この写真が見事。長く滞在し、四季を撮ってきたのだろうと思う。こんなに美しい本があるだろうか。 正子愛用の品にだけは、来歴が書かれている。 まるで博物館の収蔵品のようだ。 白洲次郎も正子も、由緒正しい家柄の人である。それを土台に、更に教養を深めた。 ちょっと近寄りがたい人々・・・というイメージもあったが、白洲夫妻長女の牧山桂子さんの語る父・白洲次郎の像は、時に子供っぽく、ユーモラスで、もっとその人となりを知りたいなと思った。
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旧白洲邸 武相荘の四季 白洲次郎・正子夫妻が終生暮らした「終の棲家」 自然や季節の変化と共に送られた日常の豊かな情景 武蔵と相模の境、ユーモアで「無愛想」にかけた命名 家は「無駄が多い」こと、「いくらでも自由に、いじくり回せる」ことが良い(正子) 便利すぎると人間が建築に左右され...
旧白洲邸 武相荘の四季 白洲次郎・正子夫妻が終生暮らした「終の棲家」 自然や季節の変化と共に送られた日常の豊かな情景 武蔵と相模の境、ユーモアで「無愛想」にかけた命名 家は「無駄が多い」こと、「いくらでも自由に、いじくり回せる」ことが良い(正子) 便利すぎると人間が建築に左右されるのが嫌(正子) 家は「これでいい」と満足するときが来ないもの 住みながら直し続けていく未完成の家(正子) GHQと対等に渡り合ったカントリー・ジェントルマン(次郎) プリンシプルを貫き通す強い意志(次郎) せっかちで「風の男」(次郎) 虫が苦手で網戸に厳しく、冬を好んだ(次郎) 道具いじりが好きで、自分で作ったものを「正倉院」と呼ぶ(次郎) 『かくれ里』、「日本の本質的な美」を見出し、再発見した随筆家(正子) 「日本の美とは何か」を探求し続けた一生(正子) 土間でのワンルーム暮らしと茅葺屋根への強い愛着(正子) 早春、薄雪の間から顔を出す野草の芽に感じる喜び 雪解けの穴に宝石のように収まっている蕗の薹 春の定義:特定の「匂い」と「薄紫の山々」 竹の花が咲くと枯れるという不吉な噂と、竹林への昇格 夏、月の夜に闇の中に浮かび上がる夕顔の花 夏の暮らしに欠かせない井戸と、冷たくした野菜や果物のおやつ 満天の星と、地上に降りてきたような蛍の大群 捕まえた蛍を蚊帳の中に放して寝る楽しみ 蛍は翌朝、数を数えて自然に戻す父との約束 井戸の中に降りた時の、夏とは思えない冷たい空気と強い恐怖 井戸には「眼のない黒い鯉が住んでいる」という祖父の話 秋、母が谷崎潤一郎氏の著作で知って始めた柿の葉寿司作り 酢飯ではなく、お酒を入れて炊いたご飯を使う武相荘の柿の葉寿司 父の作った木桶で一晩押す柿の葉寿司 倒れた柿の木が建物を避け、木に心があったからだと語り継がれる話 秋は一番長く、変化に富んだ季節だと感じられる 冬、父が道具部屋で山小屋で作る物に取り組む楽しみ 山小屋での洗濯物干しのための独特な工夫(父) 凍結する池でのワカサギ釣りと、父の傍らで焼いて食べる楽しみ 雪穴に埋めて作る冷凍コロッケ(山小屋) 都心から来た家族を温かく受け入れてくれた近所の人々 近所の子供たちと本当の親子のように接した日々 「白洲正子展」を機に、武相荘ミュージアムの公開を決意 自身の将来について、母のように「流れまかせ」と考えている
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