明治・大正・昭和の変な広告 の商品レビュー
明治、大正、戦前昭和までの新聞や雑誌などに掲載された広告を紹介。いまもある企業の広告など、へぇー、ずっと昔はこんなだった、こんな昔から広告があるんだ、という驚き。また昭和10年代の戦時は、広告までもが、逆に広告だからこそ戦意高揚が描かれているのが歴史を感じる。 巻末に時代順とか媒...
明治、大正、戦前昭和までの新聞や雑誌などに掲載された広告を紹介。いまもある企業の広告など、へぇー、ずっと昔はこんなだった、こんな昔から広告があるんだ、という驚き。また昭和10年代の戦時は、広告までもが、逆に広告だからこそ戦意高揚が描かれているのが歴史を感じる。 巻末に時代順とか媒体別の索引があるとよかった。 この本で紹介される広告の種類 「絵葉書」明治33年に私製絵葉書の使用が認められ、広告媒体になった。DMまたは配布用として使われた。 「絵びら」店や企業の挨拶や告知などを記した配るタイプの広告。色鮮やかで華やかな図柄が多い。 「引札」現在のチラシに近い役割の広告。名称は『お客を引く札』が由来という説も。 「ポスター」大量印刷ができない時代から広告の主流だった。店や街頭に貼られ、多くの人の足を止めた。 「新聞広告」新聞社側は広告収入を得られ、人々は情報を得られ、企業と市民生活を発展させた媒体。広告表現は多種多様。 「雑誌広告」雑誌をはじめ、業界誌、PR誌は、読者層に関連した広告を打ち出せる。人々の潜在意識を喚起した。 <表紙の広告> ・上段右:ポスター「赤玉ポートワイン」寿屋(現在のサントリー)大正11年。ドイツの「世界ポスター展」で一等賞に。でもモデルの女性は親戚中から非難され親からは勘当されてしまったそうだ。 ・上段中央:雑誌広告「生命保険広告」帝国生命 昭和17年 文面がまさに戦時。帝国生命は朝日生命の前身の会社。 ・上段左:ポスター「何がなんでもカボチャを作れ」東京都 昭和19年 都が自らカボチャ栽培奨励・・ ・下段右:新聞広告「サビナイ刃物」東京特殊鋼器製作所 大正15年 ・下段中央:ポスター「上等紙巻煙草ヒーロー」村井兄弟商会 明治30年頃 明治期にはたばこ製造業者が5000人ほどいて、東京の岩谷商会と、京都の村井兄弟商会が有名だった。明治37年、専売制に。 ・下段左:新聞広告「バーム」 大正15年 バームは飲料 また、昭和15年の「奉天毎日新聞」の新聞広告が載っている。これは中国奉天にある奉天毎日新聞の新社屋落成のお知らせ。大正10年に創刊されて戦時中になり業務が増えたか。戦前に満州などで出された日本語の新聞は150以上もあったとある。 戦時関連では、 ・朝日年鑑掲載「ムッソリーニペン」クラウン万年筆・澤井商店 昭和14年 ・朝日年鑑掲載「ミカドペン」躍仙堂本店 昭和14年 ・ラジオ年鑑掲載「ヘルメス高級ラヂオ」大阪無線 昭和16~18年 世界の動きをこの一台で、というコピーとともにヒトラーの顔イラストが印刷。 2025.3.30初版 図書館
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価値観の変化によって時に広告は奇異に映る事がある。この本では時代を象徴するような広告や今の価値観とは全く異なるものを解説付きで紹介する。広告に関する本は様々あるが、これは解説が丁寧な本だと思う。タイトルに「変な」とあるがそこまで変なものはない。
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