ちぐはぐなディナー の商品レビュー
大人の男女の物語 二組のカップルはそれぞれに 互いに物足りなさを感じている 出世したい男とおとなしい女の一組 やり手の女と単なる教師の男の一組 やり手の女の昇格を機に 仕事をもらおうと目論む男 関係に疲れた女 四人は別れて別々の道を選択する ことになる 外国の作品だからこそなの...
大人の男女の物語 二組のカップルはそれぞれに 互いに物足りなさを感じている 出世したい男とおとなしい女の一組 やり手の女と単なる教師の男の一組 やり手の女の昇格を機に 仕事をもらおうと目論む男 関係に疲れた女 四人は別れて別々の道を選択する ことになる 外国の作品だからこそなのか 雰囲気は理解できた ちょっと退屈な印象だった
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それぞれに思惑があったり不穏さを抱える2組の夫婦。一方の家庭でディナーを囲むこととなり、大人でおしゃれな雰囲気が漂う。その実、4人の心はお互いを探ったり推しはかったりと、雲行きが怪しい。 お酒や食事は、人の心を解きほぐしたり穏やかにするのが常なのに、この物語は、その逆をいく。...
それぞれに思惑があったり不穏さを抱える2組の夫婦。一方の家庭でディナーを囲むこととなり、大人でおしゃれな雰囲気が漂う。その実、4人の心はお互いを探ったり推しはかったりと、雲行きが怪しい。 お酒や食事は、人の心を解きほぐしたり穏やかにするのが常なのに、この物語は、その逆をいく。水面下にあったギクシャクは、次第に表面化し、覆いを外す。その意外な結末がシュールで面白かった。思えば、夕食メニューからして、ワイン、ズッキーニの花、カレー、チョコレートと、取り合わせがちぐはぐで、4人の結末を暗示していたのかもしれない。
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「なぜ、男達は気づかないのだろう?」と女の私が思うように「なぜ、女達はそんなことをするのだろう?」と世の男性達も理解に苦しむのかもしれない。 登場人物全員「今、自分は人生の重要な局面にいる」と思っている。自分の得たい幸福において、必要かどうかでしか相手をみていない。だから、相手...
「なぜ、男達は気づかないのだろう?」と女の私が思うように「なぜ、女達はそんなことをするのだろう?」と世の男性達も理解に苦しむのかもしれない。 登場人物全員「今、自分は人生の重要な局面にいる」と思っている。自分の得たい幸福において、必要かどうかでしか相手をみていない。だから、相手も大事な局面にいるなんて想像もできない。読者として、客観的に見ていると愚かにも思えるが、これは日常的に起きていることだと気付かされる。 ほんの少しの歩み寄る気持ち、相手のことを理解しようと思う心があれば「男女のわかりあえない問題」も少しは解決するのではないかと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ジゼル・アリミ賞(女性の解放と自由、及び男女間の平等と友愛を提起する作品に与えられる賞)」受賞作。 パリの高級アパルトマン、弁護士のエティエンヌとその妻クローディアがエティエンヌの友人レミとその妻ジョアルを招いての夕食会。 ほんの数時間の間に4人の間に起こったこと、そして始まりと終わりとで4人の人生の大きな変化。 エティエンヌは仕事上の起死回生を狙っている、クローディアは非社交的ながら夫のために一生懸命友人夫婦をもてなそうと努力している、クローディアは仕事での大きな成功への一歩踏み出そうとしている、レミはそんな妻に言えない秘密を抱えている。それぞれがそれぞれの思惑を抱えて集まった夕食会。 夫による人格を無視した扱いに甘んじるクローディアと、社会で大成功を収めているジョアル、二人の女性の対照的な「今」と、とある事件をきっかけとした大きな決断による「未来」。 4人が直面した家族との、夫との、友人との、そして仕事での困難は、大なり小なり誰もがどこかで直面するであろう問題だからこそ、読みながら苦い後悔がわいてくる。あるいは、いつか味わうかもしれない苦悩から目をそらしたくなる。 自分の存在を尊重されること、ひとりの人間としての尊厳を守り続けること、そのために払う代償の大きさにおののく。 ふたりの女性が選んだ道、その小さくても大きな一歩がいつか自分の道標になる、そんな気がする。
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フランスのジゼル・アミリ賞なる賞を受賞したセシル・トリリのデビュー作2組の夫婦が集いディナー読んでいてしみじみ考えさせられる、内容に翻訳小説を忘れほど心に突き刺されました。ミステリー抜きとしての翻訳小説もぜひ読んで欲しいです。
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