物語の作り方 の商品レビュー

G.ガルシア・マルケス(著者),木村榮一(訳者)

2025/04/24

指導者としてのガルシア＝マルケス: 経験豊かな作家としてシナリオ教室の中心的な役割を担い、参加者のストーリー案に対して構成、人物描写、テーマ性、実現可能性など多角的な視点から具体的なアドバイスや批評を行います。
「週末の泥棒」の物語: 週末だけ活動する魅力的な泥棒と、彼が忍び込んだ家の美しい主婦、そしてその娘との間に生まれる、短いながらも奇妙で心温まる交流を描いた物語です。
「サマーラの死」の寓意: 死神から逃れようとした召使いが、結局は運命づけられた場所（サマーラ）で死神に出会ってしまうという、避けられない運命や死、そして人間の無力さをテーマにした寓話です。
「第4ヴァイオリン」の構想: ヴァイオリンケースに爆弾を隠し持つテロリストを描くスリラーとして構想されており、犯行計画の実行、警察の捜査、登場人物の視点や性別設定などが議論されています。
「あいまいな恋」のテーマ: 女優志望の若い女性と、彼女が憧れる同性愛者の著名な俳優との間の、プラトニックでありながら複雑で「あいまい」な関係性、そして女性の自己探求やアイデンティティの変化を描いています。
「シダリアとペリンダ」の世界観: 1920年代の閉鎖的な山間の町を舞台に、現実的な姉シダリアと、夢見がちで奇妙な行動をとる妹ペリンダという対照的な姉妹の生活や心理、現実からの逃避を描いた物語です。
物語創作で重視する点: 登場人物の動機付けや性格描写の深さ、物語全体の構成、そして作者自身が明確な意図を持って書くことの重要性を強調しています。他者の意見に耳を傾ける勇気も必要としています。
自身の創作について: ノーベル賞作家でありながら、自身の作品に対する不安や自己懐疑を率直に語る一方、物語を創造する過程の喜びや情熱（狂気）も肯定的に捉えています。また、自身の作品の映画化（脚本）に対する不満も述べています。