死と生の民俗 の商品レビュー
2001年から2007年にかけて著者の住む広島県で行われた聴き取りをもとに書かれた本。死と生、と、あえて死を先に置くのは、「(前略)悲しいことの最たるものとしての『人の死』との出会いが、子どもたちを大人へと脱皮させていた」(p237)のに「(前略)『苦』は避けて通り、『生死』の...
2001年から2007年にかけて著者の住む広島県で行われた聴き取りをもとに書かれた本。死と生、と、あえて死を先に置くのは、「(前略)悲しいことの最たるものとしての『人の死』との出会いが、子どもたちを大人へと脱皮させていた」(p237)のに「(前略)『苦』は避けて通り、『生死』のうちの『死』には蓋をして生き」(p238)る生活が蔓延していることに著者が危機意識を持っているからだ。上澄みばかりでは日常は成り立たない。
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聞き取り対象者の人たちとの関係性づくりをもとにした丁寧な聞き取りや、方言も含めた語りがそのまま記録されている内容を面白く読んだが、所々で昔は良かった、今はダメだという筆者の価値判断が挟まるところが引っ掛かった。家での出産、祝言、葬式などの儀礼を良いものとして礼賛しているが、それら...
聞き取り対象者の人たちとの関係性づくりをもとにした丁寧な聞き取りや、方言も含めた語りがそのまま記録されている内容を面白く読んだが、所々で昔は良かった、今はダメだという筆者の価値判断が挟まるところが引っ掛かった。家での出産、祝言、葬式などの儀礼を良いものとして礼賛しているが、それらは女性の負担の上に成り立っているし、嫁いびりに対しても悪意は見られないと総括してしまうことなど、強者としての視点に偏りすぎていると感じた。
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