ゴンべの森へ の商品レビュー
異文化との出会いと共感 アラスカを拠点とする著者が全く異なるアフリカの環境で得た新たな視点 ジェーン・グドールとの出会いを通してアフリカの世界を垣間見る試み 「生まれ故郷を離れ、新しい土地へ移り、そこで生き続けてゆくことの意味」を探求 2. 自然との深い関わりと畏敬の念 ア...
異文化との出会いと共感 アラスカを拠点とする著者が全く異なるアフリカの環境で得た新たな視点 ジェーン・グドールとの出会いを通してアフリカの世界を垣間見る試み 「生まれ故郷を離れ、新しい土地へ移り、そこで生き続けてゆくことの意味」を探求 2. 自然との深い関わりと畏敬の念 アフリカの雄大な自然とゴンベの森の生命力への感銘 アラスカ(極地)とアフリカの自然を比較する視点 「太陽」と「雨」など、自然の力が人々の生活や感情に与える影響への考察 3. 人間と動物の関係性 ジェーン・グドールのチンパンジー研究を通した人間と動物の境界線の考察 問題児フロド(攻撃的なチンパンジー)との遭遇が示す野生動物の予測不可能性 研究者と野生動物の間に存在する緊張感と理解の重要性 4. 旅の意義と出会いの価値 旅がもたらす心の動きと一期一会の出会いの大切さ 「旅のスリルとは、思わぬ出来事が起こることではなく、何でもない一瞬一瞬の中にある」という哲学 人々との交流を通して深まる自己理解 5. 失われゆく自然への憂いと未来への希望 孤立しつつあるゴンベの森と進行する自然破壊への懸念 畏怖や神秘を感じる自然の急速な喪失への危機感 ジェーン・グドールらの自然保護活動に見る未来への希望 重要な事実 ゴンベ国立公園はタンザニアで最も小さな国立公園の一つで、チンパンジーの保護区だが周囲環境の変化により孤立状態にある フロドは人間に攻撃的な「問題児」チンパンジーとして知られる ジェーン・グドールは研究だけでなくチンパンジーの孤児施設運営や自然保護啓発活動も行っている 本書は著者が急逝する直前に脱稿されたもので、星野道夫の思想の最終的な完成形とも評される 結論 単なる旅行記を超え、異文化理解、自然への畏敬、人間と動物の関係性、旅の意義について深く考察した作品。著者の繊細な視点と内省的文章を通して、アフリカの自然と人々の息吹を感じながら、自身の存在や世界との関わりを考える契機となる。
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星野道夫さんの写真集も見たい。図書館で借りようかな。チンパンジー、絶滅危惧種の動物との共存について、考えさせられた。
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写真もテクストも、素晴らしい。 どちらも気取らず、けれど雄弁にタンザニアの景色を語る。嗅いだことさえないアフリカの生々しい匂いが、立ち上ってくるようだ。 旅行記だが、ハプニングを追いかけるばかりでなく、ささやかな生活にも目を配る。ふと当たった小枝を矯めつ眇めつするように文は紡が...
写真もテクストも、素晴らしい。 どちらも気取らず、けれど雄弁にタンザニアの景色を語る。嗅いだことさえないアフリカの生々しい匂いが、立ち上ってくるようだ。 旅行記だが、ハプニングを追いかけるばかりでなく、ささやかな生活にも目を配る。ふと当たった小枝を矯めつ眇めつするように文は紡がれていて、その視線のこまやかさが心地よい。
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