1,800円以上の注文で送料無料

宙ごはん の商品レビュー

4.5

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    65

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/05/25

物心ついた時から育ての母・風海フミと一緒に暮らしてきた宙ソラが、小学校入学を機に産みの母・花野カノと暮らすことになるところから始まるお話。 第一話から第三話、一話進むごとに数年の時が移り、その度に母娘とそれを取り巻くシチュエーションが劇的に変わる話の運びは巧みだし、気の利いたセ...

物心ついた時から育ての母・風海フミと一緒に暮らしてきた宙ソラが、小学校入学を機に産みの母・花野カノと暮らすことになるところから始まるお話。 第一話から第三話、一話進むごとに数年の時が移り、その度に母娘とそれを取り巻くシチュエーションが劇的に変わる話の運びは巧みだし、気の利いたセリフも多く、随所にウルッとしたりほっこりしたりする場面もあって、話としてはズンズンと読める。 一方、花野をはじめとした宙の周囲の大人の多く(佐伯を除く)が大人としてあり得なくて、子どもたちはこんなに健気でしっかりしているのに、その子らにそんなふうに思わせたらいかんだろうという気持ちが勝ってしまって読むのが辛く、どうにも物語を楽しむことができなかった。 ところが第四話、この作者さんらしくぶっ込んでくる展開で花野の実家の実態がさらけ出され、海外から戻って来た風海と花野の仲が壊滅的になろうとしたところから物語は急展開。 最後の第五話、更に顕わにされた事実もあって凄く佳い締まり方になったのは良かったが、最初と最後では花野がまったく別人のようになったのには、もう少し早く自分を解放できていたら良かったのにねえとは思ったのだった。 作中『ひとはどうしても自分のフィルター越しに世界を見てしまうものだ』というくだりがあったが、自分も多くのことに縛られて世界を見ていることを思わされた読後感だった。

Posted byブクログ

2025/05/22

一度読み終えて読み始めた頃の幼い宙に会いたくなってすぐ読み返して2周してしまった。 困ってるって気付いてしまったのに無視なんかできねえよ。 自分もそんな佐伯のような人でありたい

Posted byブクログ

2025/05/21

宙の成長とその時々の料理の物語。 ぶっ飛んだ母親がなぜそうなったのか、大好きだったママが毒親になった気持ちがズシンと心に響く話だった。 途中、本当に苦しくて、人が死ぬこととか、人を傷つけることはどういうことか考えさせられる。 最後、パンケーキを食べれて本当に良かったと思うし、人と...

宙の成長とその時々の料理の物語。 ぶっ飛んだ母親がなぜそうなったのか、大好きだったママが毒親になった気持ちがズシンと心に響く話だった。 途中、本当に苦しくて、人が死ぬこととか、人を傷つけることはどういうことか考えさせられる。 最後、パンケーキを食べれて本当に良かったと思うし、人としての気持ちの大切さを知った。 自然と涙があふれるお話でした。

Posted byブクログ

2025/05/21

良い本だ。読みながら感じた気持ちは、徐々に確信へと変わった。 以前、町田さんの小説「52ヘルツのクジラたち」を読んだときも感じたけれど、それよりももっと強く。 どんどんと世界に惹きこまれる。本を閉じるその瞬間が寂しいと思う。良い本に出会ったときの、幸せで、もどかしい感情。 自分...

良い本だ。読みながら感じた気持ちは、徐々に確信へと変わった。 以前、町田さんの小説「52ヘルツのクジラたち」を読んだときも感じたけれど、それよりももっと強く。 どんどんと世界に惹きこまれる。本を閉じるその瞬間が寂しいと思う。良い本に出会ったときの、幸せで、もどかしい感情。 自分以外の人が抱えている事情や気持ちを推し量るのは難しい。見えないから。見えるものから想像するしかないから。 だから、物語が進むにつれて想像していたのと違う面が見えたとき、勝手に驚いたり失望したりしてしまった。 きっと私も謝るだろう。罪を犯してしまったとしたら、その相手に対して無我夢中で謝るだろう。赦されたいと思うだろう。それが暴力になるなんて、自己満足でしかないなんて、今の今までわかっていなかった。 正しいというのは難しい。正しさや正義は社会のルールだけれど、すべてではない。 正しいよりも、やさしくいたい。味方でいたい。希望でいたい。 終盤、花野さんの言葉に涙が溢れた。 自分がしてもらったことを、助けてもらったことを、救ってもらったことを、いつか苦しんでいる誰かに渡していけるように。 そうしながら、それぞれが前を向いて生きていけるように。私自身も。

Posted byブクログ

2025/05/20

心が温かくなるような美味しそうなご飯と、それにまつわる話。宙の成長を一緒に辿っているような不思議な感覚でした。

Posted byブクログ

2025/05/21

幼稚園から社会人になるまで、主人公が自己を確立していき、また周りの人々が変容していくさまを描いていて、とても濃密。読み終えたとき、これほどの内容がこの一冊にまとまっていたのかと驚いた。 始めは幼稚園児の宙と大人のやっちゃんを中心として、ほのぼの日常系グルメ話(?)が展開されてい...

幼稚園から社会人になるまで、主人公が自己を確立していき、また周りの人々が変容していくさまを描いていて、とても濃密。読み終えたとき、これほどの内容がこの一冊にまとまっていたのかと驚いた。 始めは幼稚園児の宙と大人のやっちゃんを中心として、ほのぼの日常系グルメ話(?)が展開されていくのかと思いきや、料理を囲む登場人物たちの人生がどんどん変わっていき、飽きることがなかった。 宙はみるみる大きくなって、考えも言動も大人になっていき、さまざまな人の死が残った人たちを変えいった。人の根っこの部分は簡単に変わらないし変えられない。でも同時に、日常はゆっくりと確実に変わっていく。その両方が描かれているのがとてもリアルで、読んでいて心地よかった。 以下、特に印象に残った2箇所。 ーそれって子どもが親に抱くものじゃないかな、と宙は頭の隅で思う。無条件で、愛してくれた。このひとは自分を決して見限らないという確信は、自分自身をどんなことからも守ってくれる。 ー「オレは花野さんに、誰かと手を取り合って眺める景色がどんだけ綺麗か、教えてもらった。そして同じ景色を同じ目で見られる存在が、どれだけ大切かも教えてもらった。もう一度あの景色を眺められるかもしれない、そう思えたのは、花野さんと共にいた時間があったからだ。」 私も宙と同じで分からなかった。人と人が付き合って、その最も相手に夢中なあいだは「一生あなただけ」と思っていても、別れてしまい(しかも円満な別れというものもあるらしい)、そしてまた別の誰かを愛するって、どういうことなのだろうと。 けれど、⇧の2つ目のやっちゃんの言葉を読んで少し理解できた。大切な人となら、とても美しい景色が見られることを知ったら、たとえ別れても、その景色の美しさや感じる幸せはきっと忘れられないだろう。だから人は何度でも付き合ったり別れたりするのか。 付き合う相手によって、美しい景色が見える場所まで行けるか、行けたとしてもその景色をどんなふうに感じるかは違うかもしれないが、そういうものを求めてみんな誰かと人生を紡いでいきたいと思うのか。やっちゃんはおしゃれなことを言うなぁ…と感心した。 宙の周りには、悲惨な出来事に巻き込まれてしまった人たちが次から次へと出てくる。そして宙自身も、それに巻き込まれるように悲惨な状況を目の当たりにすることが多い。 人生はままならない。だから大人になっても子どものように泣き喚くこともあるし、怒りを相手にぶつけてしまうこともある。どうしようもできなくなって、しばらく立ち止まることもある。自分が子どものときには想像すらできなかったが、大人になってもそういうことは確かにある。 しかし彼らを見ていると、それでいいのだと思う。反対に、感情を表にうまく出せずに溜め込んでいき、自分自身を削り取っていくようなすり減り方をしてしまうよりはずっといい。無理やり笑って「大丈夫だから」と言われるよりも。 理由なんか無茶苦茶でも、みっともなくてもなんでも、大切な人に思いをぶつけて「私は今、とても辛い」と伝えたほうが、一緒に考えられるし手を貸しやすい。本作のたくさんの無茶苦茶な大人たちを見ていてそう思った。 またいつか内容を忘れかけた頃、はじめから読んで、宙と周りの大人たちとまた一緒に時間を過ごしたいと思える一冊だった。

Posted byブクログ

2025/05/20

母と子供の関係 環境、年齢が進むにつれて変わっていく。考え方も人それぞれで 話をすること聞くことでわかっていく。 謝ることが自分の謝罪であっても相手にはそうでないこともある。自分1人で抱え込まないで 誰かに話をする、聞いてもらうことが大事で道が開けることがある。 話をしながら美味...

母と子供の関係 環境、年齢が進むにつれて変わっていく。考え方も人それぞれで 話をすること聞くことでわかっていく。 謝ることが自分の謝罪であっても相手にはそうでないこともある。自分1人で抱え込まないで 誰かに話をする、聞いてもらうことが大事で道が開けることがある。 話をしながら美味しいお料理を食べるって大事な事なんだと思う。町田そのこさんの作品は深いなと思うし 言葉を書き留めておきたくて付箋だらけになる。

Posted byブクログ

2025/05/18

泣けて、泣けて、泣けて、ぎゅっとなる。食べて、生きる。救い方が温かくて、覚えておきたい言葉が、言ってほしい言葉がたくさん。宙にやっちゃんがいる世界でよかった

Posted byブクログ

2025/05/18

 宙(そら)は、育ての母と生みの母との関係に悩みながらも自分の生き方を見つけていく。  複雑な家庭で育った宙が、様々な人との出会いや心を癒してくれる料理との出会いによって、自分の生き方を見つめ直していく姿に胸が打たれました。  複雑な家庭でなくても、親のエゴなどによってつらい...

 宙(そら)は、育ての母と生みの母との関係に悩みながらも自分の生き方を見つけていく。  複雑な家庭で育った宙が、様々な人との出会いや心を癒してくれる料理との出会いによって、自分の生き方を見つめ直していく姿に胸が打たれました。  複雑な家庭でなくても、親のエゴなどによってつらい思いをしている子供がいるのが現実なのかもしれません。  そんな子供にとって、人との出会いがどれだけ重要なのか、とても考えさせられました。  また、一方で一人一人が背負っている過去を知ることによって、その人の見方が変わることもあるのだいうこともこの作品から学びました。  宙にとっては、つらい出来事であっても、それを経験し、人との出会いを大切にしたからこそ、自分の進むべき道が見つけられたのだと思いました。    ぜひ、自分もそうありたいと思う今日この頃です。

Posted byブクログ

2025/05/17

本屋さんのおすすめ本。 読めてよかったです。 いろんな家族の形がある。 いろんな子育てのスタイルがある。 いろんな人生がある。 それぞれが大切にされることが当たり前になるといいな、と願いながら読みました。 バスの中で、電車の中で、涙が溢れ出してしまったので、外で読むときは要注...

本屋さんのおすすめ本。 読めてよかったです。 いろんな家族の形がある。 いろんな子育てのスタイルがある。 いろんな人生がある。 それぞれが大切にされることが当たり前になるといいな、と願いながら読みました。 バスの中で、電車の中で、涙が溢れ出してしまったので、外で読むときは要注意です。

Posted byブクログ