まいごのアザラシをたすけて! の商品レビュー
1971年に開設されたオランダのアザラシ研究リハビリセンター(現:ピーテルブーレンアザラシセンター)の活動の様子を紹介したノンフィクション。『アザラシ幼稚園』といったほうがわかりやすいかもしれない。そのアザラシ幼稚園の始まりを知ることの出来る貴重な一冊である。 元はレイニーと...
1971年に開設されたオランダのアザラシ研究リハビリセンター(現:ピーテルブーレンアザラシセンター)の活動の様子を紹介したノンフィクション。『アザラシ幼稚園』といったほうがわかりやすいかもしれない。そのアザラシ幼稚園の始まりを知ることの出来る貴重な一冊である。 元はレイニーという女性が自宅で始めた活動が次第に大きくなっていた様子や1日の様子などを描いている。単に活動の様子を紹介するだけでなく、なぜ病気のアザラシが増えているのか、そして病気のアザラシが増えていることは人間にとっても影響があるということにも触れている。また、アザラシの治療が原因で離婚したり、この活動を続けることで結婚をあきらめたり、結婚は無理だろうと言うスタッフの声、興味を持って参加した若者がすぐにやめてしまうということにも触れており現実の厳しさも伝えている。逆にこれだけの覚悟を持って活動しているということもわかる。 児童書ということもあって語り口は優しいが、内容は非常にリアルである。およそ50年と活動が続いているが、プラカードを掲げたりデモ行進をするのではなく、直接の行動をしたからこそ多くの人々が賛同し協力をしているのだろう。さて、現在のレイニーさんであるが、施設の運営方針をめぐる対立により残念ながら施設を離れてしまっている。それにともないレイニーさんの軌跡は施設から削除されてしまっている。しかしながら、オランダのアザラシ保護がレイニーさんから始まったという真実は本書が後世に伝えていくことになるのだろう。 まったくの余談だが本書は1994年発行であり、今年は2024年なので30年前の本である。図書館で借りたものだが、こういった古い本を手に取ることができるということに図書館の存在価値はあるのではないかとおもう。
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