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比較神話学 の商品レビュー

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2025/04/20

個人的に、神話類型と言うテーマが好きなので、楽しめるところが多かった。異なる文化の人類が何故共通の神話モチーフを持ち得るのか、と言う観点では自然現象を擬人化する事が、一つの原因で有ることも確かに多かろうと思われる。金枝篇にもある死と再生の物語を自然現象に当てはめるのは、どんな人間...

個人的に、神話類型と言うテーマが好きなので、楽しめるところが多かった。異なる文化の人類が何故共通の神話モチーフを持ち得るのか、と言う観点では自然現象を擬人化する事が、一つの原因で有ることも確かに多かろうと思われる。金枝篇にもある死と再生の物語を自然現象に当てはめるのは、どんな人間でも共通に持ちうる素朴な心理かも知れない。万物の黎明を読んだ後では、人間は昔から単純でも未開でもなく、豊かな想像力を持ち物語を紡ぐ存在なのだと言う思いを強くする記述もあった。 一方で、解説にある通り、言語的な類似を強調し過ぎているきらいもあり、また専門家でない人には単語の細かい比較が理解し辛く、全面的に納得出来るとは言えない。理解し辛いのは、日本語の縦書きの中に横書きの諸言語がちょくちょく挟まる構成の為に単純に読みづらい、というのもあるだろうが。 この手の本に多いが解説が素晴らしく分かりやすかった。挙げられている世界神話学入門や、フロイト、ユングの著書も引き続き読んでみたい。

Posted byブクログ

2025/04/03

本書『比較神話学』の骨子は、神話に関する比較とその発展に焦点を当て、さまざまな文化での神話がどのように生まれ、伝承され、そして人々の精神的・社会的背景とどのように結びついているかを分析します。特に、神話が言語、宗教、歴史的背景とどのように絡み合い、文化ごとの神話的構造がどのように...

本書『比較神話学』の骨子は、神話に関する比較とその発展に焦点を当て、さまざまな文化での神話がどのように生まれ、伝承され、そして人々の精神的・社会的背景とどのように結びついているかを分析します。特に、神話が言語、宗教、歴史的背景とどのように絡み合い、文化ごとの神話的構造がどのように共通しているのか、または異なるのかに関する深い探求がなされています。加えて、神話の制作過程や、神話的語法、そして神話における象徴的な意味合いを通じて、人間の存在や自然の理解がどのように表現されてきたのかを解明します​ 。 本書では、例えばヘラクレスの死、ダフネとアポロン、ウルヴァシーとプルーラヴァスなどの著名な神話を取り上げ、これらの神話が持つ深層的な意味を掘り下げます。また、神話制作時代の言語的特徴や、後の神話的語法の発展、さらには人間の原始的な状態から進化した神話の要素なども詳細に分析されています。 さらに、神話がどのように宗教的儀式や社会的規範に影響を与えてきたか、そしてその表現方法がどのように文化的に発展してきたのかを詳述しており、比較神話学の学問的枠組みを強調しています​

Posted byブクログ