交響曲の名曲・名演奏 決定版 の商品レビュー
著者の好みのままに書き綴られたもので、「決定版」というのはどうかなぁ。現代新書で出版されている著者の他作品も読んでいるけど、ずいぶんと偏った語り口だよね。
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交響曲の歴史に沿って、さまざまな指揮者の演奏について好き勝手に語ったもの。 長々と続く書式に由来することもあるだろうが、締まりがなく、ダラダラと書かれている。 講談社の新書で、交響曲の名盤について語るといえば、宇野功芳氏の『交響曲の名曲・名盤』(1991年)を思い出す。そのよ...
交響曲の歴史に沿って、さまざまな指揮者の演奏について好き勝手に語ったもの。 長々と続く書式に由来することもあるだろうが、締まりがなく、ダラダラと書かれている。 講談社の新書で、交響曲の名盤について語るといえば、宇野功芳氏の『交響曲の名曲・名盤』(1991年)を思い出す。そのような書式で書かれたのなら、読みやすかっただろう。そのような書式とは、楽曲ごとに小見出しで区切ることだ。たとえば、ベートーヴェンの交響曲第5番はこういう曲で、名盤はだれのものであるで完結。楽曲ごとに小見出しがあり、目次からも引ける書式だ。本書は章立てが、作曲家ごとに立てられているので、特定の楽曲をさっと見つけることはできない。区切りがないとメリハリが付かず、読みやすさも劣ってしまう。 参考に本書の目次を挙げよう。 ***** 第一章 ハイドン・モーツァルトーー古典派の交響曲 1.交響曲の始まり 2.ハイドン 3.モーツァルト 第二章 ベートーヴェン 第三章 ロマン派の交響曲 1.シューベルト 2.メンデルスゾーン 3.シューマン 4.ベルリオーズ 第四章 フランスの交響曲ーーフランク、サン=サーンス、ビゼー、ショーソン、デュカス、ダンディ 第五章 ブラームスから国民楽派へ 1.ブラームス 2.ロシアの交響曲 3.ドヴォルザーク 4.スメタナ・リスト 第六章 ブルックナーとマーラー 1.ブルックナー 2.マーラー 第七章 ショスタコーヴィチとプロコフィエフ 1.ショスタコーヴィチ 2.プロコフィエフ 第八章 そして交響曲はいなくなった、のか? ***** 名盤紹介の本ではなく、西洋音楽史の本ような目次である。 あとがきに、「本書はおしゃべりとして書きました」と書いてある。まさにその通りの文体であった。整理されていないおしゃべりを393ページも読むのは、厳しい。 あれがダメで、これがいい。好き勝手語るのは自由だ。許氏はそういうスタイルだから文句はない。ただし、本として最低限のマナーがなされていないのが問題だ。自分本位で考え、読者への配慮が感じられない。 それは以下の文章からもわかるだろう。 録音年やレコード会社はあえて詳しく書かないことを原則としたのです。なぜって、それを記したら、読者はきっとそれを探して聴いてしまうでしょう。 (中略) 同じ指揮者とオーケストラが、何回も録音している場合がままあります。その何年の録音がいいのか。私はどれについて語っているのか。それはご自分で探してみてください。 (中略) 何しろ定額配信の時代になりましたから、あれこれ聴いたところで出費を気にすることもあまりなさそうです。 (p11-12、はじめに) 批評をするなら、批評の対象をあいまいにしてはいけない。クラシック音楽の録音は多数あるので、どの演奏について語っているのかを明示するのは最低限の礼儀である。 読者のすべてが定額配信サービスを使っているわけではない。CDやLP、音楽ファイルを購入する人だって一定数いるはずだ。仮に読者の全員が定額配信に加入していたとしても、探すのには手間がかかる。どの演奏かを、いちいち探しながら読むのは時間の無駄になる。むやみに読者の負担を増やしているだけだ。 この本を楽しめる読者はどのような人だろうか? 交響曲の歴史を振り返るところを読むと入門者向けに見える。だが、音盤のジャケット写真もなく、指揮者の羅列では、入門者向けとは言えない。 中級者以上は、許氏の書いた過去の本を読んでいる人が多いと思うので、交響曲だけに絞った本書を楽しめるとは思えない。私も、許氏の本は10冊くらいは読んでいるが、書かれていることに進歩はない。昔の方がしっかりと書いていた。やる気が感じられた。本書からは、やる気は感じられない。投げやりのやっつけ仕事に感じた。 宇野功芳氏の『交響曲の名曲・名盤』は売れたから、続編の『協奏曲の名曲・名盤』や『新版 クラシックの名曲名盤』などが作られた。本書はこの内容では売れないだろう。続編が作られることはないと予想するが、どうだろう。もし、続編が出たとしても、もう私は読まない。本書を読んだ後では、読む気がしない。 名曲名盤を紹介した本はたくさん読んできたが、本書はお勧めしにくい本である。
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まあ交響曲作家って少ないね。こういうタイプの評論・レコード評ってまだ必要なんだろうか、みたいなことを考えてしまう。
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音楽の批評そのものについては結局好みなので読み流していたが(そうは言っても絶賛されている演奏はサブスクで聴いた笑)、クラシックは作曲者や指揮者の背景まで思いを馳せて聴くのが通の聴き方なのだということが分かった。表面の聴いた感じで好きだ嫌いだというのは浅く、芸術に対して踏み込んで鑑...
音楽の批評そのものについては結局好みなので読み流していたが(そうは言っても絶賛されている演奏はサブスクで聴いた笑)、クラシックは作曲者や指揮者の背景まで思いを馳せて聴くのが通の聴き方なのだということが分かった。表面の聴いた感じで好きだ嫌いだというのは浅く、芸術に対して踏み込んで鑑賞してみるというのは今後やっていきたいとは思った。 が、やはり音楽批評というのは何様感があるというか、批評者に良い印象は抱かないので居酒屋談義にとどめとくものですね。。
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いろいろな指揮者の演奏で交響曲の歴史を辿るもの。音楽史というようなものでなく、気楽に読めばいいのだろう。ハイティンク、ゲルギエフ、ブロムシュテット、クルト・マズア、アバド、パーヴォ・ヤルヴィ、ギーレン、ミュンシュ、レヴァイン、小澤征爾などの指揮者はくそみそに言われている。語るべき...
いろいろな指揮者の演奏で交響曲の歴史を辿るもの。音楽史というようなものでなく、気楽に読めばいいのだろう。ハイティンク、ゲルギエフ、ブロムシュテット、クルト・マズア、アバド、パーヴォ・ヤルヴィ、ギーレン、ミュンシュ、レヴァイン、小澤征爾などの指揮者はくそみそに言われている。語るべきものを持っていない、形だけを見ている指揮者だと。チェリビダッケ、ブリュッヘン、アーノンクール、ホリガーなどは著者のお気に入り。ラトル、バーンスタインなどは微妙。カラヤンの演奏は演奏技術は凄いが、形ばかりの内容のないもので、まあ中には合う曲もあるとか。細やかなニュアンスの変化を捉え、一つの響きが次の響きをおのずと生み出していくような演奏が素晴らしいようだが。まあ、演奏家の好みは人それぞれだし、クラシックの曲に難しいものばかり求めてばかりいるわけにもいかないしね. ジョバンニ・アントニーニのハイドンを聞いて、ああいいなと思っていたら、そういえばこの本ではジョバンニ・アントニーニのことも評価していなかったなあ。個の指揮者の演奏は、ちゃんと形ばかりでなく、ニュアンスの変化もとらえていると思うけどね。私は音楽のプロじゃないけどねえ、まあ自分の好き好きでいいんじゃない。
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帯には、『初心者にもクラシック通にも 読んだら聴きたくなる』とあるけど、いったい対象はどのレベルのクラシック音楽愛好家なのだろう。 読んでみると少なくとも初心者向けではないと思われらる。『著者が推薦するアルバムについて、指揮者とオーケストラは、本文中に記載する。しかし録音年月やレ...
帯には、『初心者にもクラシック通にも 読んだら聴きたくなる』とあるけど、いったい対象はどのレベルのクラシック音楽愛好家なのだろう。 読んでみると少なくとも初心者向けではないと思われらる。『著者が推薦するアルバムについて、指揮者とオーケストラは、本文中に記載する。しかし録音年月やレーベルは記載しないので、自分で著者のお勧めアルバムを探してみて下さい』とのこと。 それならいっそ、 それが出来れば苦労 右も左もわからない初心者にそれはかわいそう。 それが出来るようになれば、許さんのクラシック音楽に対する思考回路をコピーしたのとおな 例えば『はしがき』に小学生の頃、初めてレコードを買ったときの経験談がある。最初から3枚目までの演奏はカラヤンの指揮になるもので、聴くうちに何か違うと感じベームのレコード買ったら、しっくりきたとのこと。ずいぶん高等な鑑賞法である。
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本書内でも触れているが、著者の趣味・嗜好丸出しである。 結局のところ巨匠好みの懐古主義に浸っており、マケラやドゥダメルなど、注目されている若手は出てこない。また、小澤征爾、カラヤン、ラトル、アバドへの評価が低い(カラヤンとラトルは評価している録音も一部あるが、小澤とアバドは全く...
本書内でも触れているが、著者の趣味・嗜好丸出しである。 結局のところ巨匠好みの懐古主義に浸っており、マケラやドゥダメルなど、注目されている若手は出てこない。また、小澤征爾、カラヤン、ラトル、アバドへの評価が低い(カラヤンとラトルは評価している録音も一部あるが、小澤とアバドは全く評価していない。その辺はそこらのクラオタと変わらない)。 個人の趣味なので好きにすれば良いと思うが、クラシックをこれから聴こうという人には全く役に立たない内容だし、到底“決定盤”と呼べる代物でもない。わざわざ講談社現代新書から出す必然性も感じない。
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