新聞記者がネット記事をバズらせるために考えたこと の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルがもったいない。共同通信で新聞向けの記事を25年つくってきた著者が、デジタル配信を担当することになった。それまでの記事の書き方では、PV(ページビュー)が極端に伸びないことに疑問を持ち、PVの多い記事を分析し、読み手に意見を聞き、原因を探っていく。内容だけでなく、さすが文章も構成も読みやすく、良質のノンフィクションだと感じた。 新聞記事の書き方の特殊性は、リードと呼ばれる第一段落ですべてを詰め込む手法。新聞を「継続して」読んでいる人に最適化し、途中から読む人に優しくない続報。紙面スペースの制約に対応する略語の使い方など。 まず、新聞記事に対する読み方は、新聞を手に取った時点で能動的で、その書き方に慣れている。一方のデジタル配信、ネット記事は、じっくり読もうという人は少なく、「ストレスなく」、流しながら楽して情報を集めたいと、大きく読みての姿勢が異なることが分かる。そしてデジタル記事は、わかりにくいと思われた時点で、離脱される。そして、ストーリー性と、読者の感情を動かせる表現も大切。 最終章の「メディア離れが進むと社会はどうなる」という考察も興味深い。二次情報があふれる世の中、取材しないコタツ記事の氾濫、何が正しいのかも不明になり、トランプが連呼する「あれはフェイク記事だ」という都合のいい大声や陰謀論。ジャーナリズムが生き残る必要があるが、世間の反応は厳しく、より一層の努力が必要だと述べている。
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「バズる」という言葉を使ってるのでPV至上主義かと身構えつつもぜんぜんそんなことはない、むしろすごく読者を向いて誠実に書くことの重要さが伝わる良い本でした。世代が変わってることについていけない、自分の仕事でもあるあるなので、それこそめちゃくちゃ共感しながら読んでました。
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私の分類上、星★1つにしていますが、内容が悪かったわけではありません。 2024年3月31日に定年退職したとき、部屋の中に散らかっている本を見て、1年以内(2025.3.31)までに全て処理することを心に決めました。段ボール箱3つと、スーツケースに入った本達です。読み終えてポス...
私の分類上、星★1つにしていますが、内容が悪かったわけではありません。 2024年3月31日に定年退職したとき、部屋の中に散らかっている本を見て、1年以内(2025.3.31)までに全て処理することを心に決めました。段ボール箱3つと、スーツケースに入った本達です。読み終えてポストイットが貼ってあるものは完全にレビューまで書き終えましたが、読みかけ本の処理に困りました。 半分以上読んでいるものは、読み終えてレビューを書きましたが、それ以下のものは処理に困っている状態でした。興味があって購入し、読み始めたもの、読んだらきっと良いポイントがあるのは分かっていますが、これから読みたい本も出版されるし、部屋を整理するためにも、全ての本を片付けたく思い、このような結果となりました。尚、当初は61歳までの誕生日を目標としていましたが、左目の不具合期間がありましたので、期間を2025円7月末までとしました。 2025年7月21日作成
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共同通信のデスク級の著者が自分が信じてきた文章術(記事書き術)を換骨奪胎してネットでバズる書き方を探求していくというもの。 これを読むと確かに、新聞というオールドメディアとネット記事では書き方が全然違うことがよくわかる。それ以前に雑誌記事だってネット記事よりだから、新聞だけが特殊...
共同通信のデスク級の著者が自分が信じてきた文章術(記事書き術)を換骨奪胎してネットでバズる書き方を探求していくというもの。 これを読むと確かに、新聞というオールドメディアとネット記事では書き方が全然違うことがよくわかる。それ以前に雑誌記事だってネット記事よりだから、新聞だけが特殊ということか。 しかしいくらバズるため、多くの人に読んでもらうためといってもここまで迎合しないといけないのかなあ。ストーリ性が重視されるのは最近の風潮だけど、それって情緒を混ぜるってことだし、しかも他人(書き手)がにおわせてくれる情緒の好悪で読む・読まないが左右されるということだろう。自分で感じるとか判断するっていうことを捨ててるね。それに別件でも最近思ったけど、もう人々は真実至上主義じゃない。自分が好きなものであれば嘘でも都合よく解釈してそのなかで生きるのがいまの風潮。 もう一つ感じたのは、アメリカとかだとジャーナリズムとかが発達していて、記事の書き方のセオリーとかも確立していて、日本のように揺らいでないんじゃないかな。フランスとかイギリスとか欧米系も自分の意見表明を大事にするから、ちゃんと書けるし読める人がいまでも続々輩出されていそうな気がする、知らんけど。何もそんなに新しいことが至上なわけじゃないんだから新世代に合わせなくてもいいんじゃないか! とはいえ、いつネット上でご機嫌とらないといけない立場になるかわからないから、こういうネット上用の書く術を押さえておくことは必要なんだろうな。
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紙媒体からネット媒体の編集者に転向した身としては耳が痛い内容。 非常にわかりやすく分析、カテゴライズされていてかなり参考になる。 主語と述語を近くに、ダラダラかぎかっこで語らない、など読了後に書いた原稿では早速意して実践。実践してみると、自分でも読みやすいので推敲しやすい。 ...
紙媒体からネット媒体の編集者に転向した身としては耳が痛い内容。 非常にわかりやすく分析、カテゴライズされていてかなり参考になる。 主語と述語を近くに、ダラダラかぎかっこで語らない、など読了後に書いた原稿では早速意して実践。実践してみると、自分でも読みやすいので推敲しやすい。 時系列を追って主人公を立ててストーリーで書くというのは、ルポには当てはまらないなと思ったり。 著者さんのように本を書けるくらい自分も精進したいと思った次第。
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新聞記者である著者が編集者に言われた言葉、「新聞記者って、文章うまくない人が多いんですよね」は同感。新聞記事は多様なように見えて、ある種の型が決まっている。それは「逆三角形」と言われる大事なこと、言いたいことを前文に持って来る書き方だ。だが、ネットではそれが通用しない。若い読者に...
新聞記者である著者が編集者に言われた言葉、「新聞記者って、文章うまくない人が多いんですよね」は同感。新聞記事は多様なように見えて、ある種の型が決まっている。それは「逆三角形」と言われる大事なこと、言いたいことを前文に持って来る書き方だ。だが、ネットではそれが通用しない。若い読者に聞くと、読みにくいというのだ。 そこで著者が編み出したのが「「ストーリー性」「共感や感動」を重視した読み物だという。時系列に、説明ではなく具体的な場面や登場人物がどう思ったのかを盛り込んでいく。確かに新聞人としては記事は読んでもらった方が良いのは確かだが、これは無料サイトでの話。果たして有料課金モデルにつながっているのかは定かではない。 著者はPV至上主義の弊害も指摘し、新聞社のような組織ジャーナリズムがなくなれば、二次情報だけのネット空間が広がることを懸念する。一方で、読者も変化している。新聞など読んだこともなく、本も読まない。そもそも長文を読むことに苦痛を感じている層が増えているとの指摘もあった。Xの短文、またはチャットGPTで生成した要約文しか読まない、あるいは読めない人々が大量に存在するのが近い将来なのかもしれない。
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近年、マスメディアとしては急速に影響力を失っている新聞、70代以上が8割購読しているのに対して、4-50代でも5割、2-30代に至っては2割程度しか読まれていない。斜陽産業とも言われる新聞から、ネットに情報伝達の主流が移るなかでその記事の書き方についても違いがみられる。それらを新...
近年、マスメディアとしては急速に影響力を失っている新聞、70代以上が8割購読しているのに対して、4-50代でも5割、2-30代に至っては2割程度しか読まれていない。斜陽産業とも言われる新聞から、ネットに情報伝達の主流が移るなかでその記事の書き方についても違いがみられる。それらを新聞記者の立場から分析し語った内容となっている。 個人的にも新聞は読んでいないし、ネット記事にしても新聞社の配信する情報は即時性に欠けて、政治やスポーツなど限られた分野でしか参照しなくなっている。限られた紙面においてコンパクトに要旨をまとめ、見出し⇒リード⇒1行目と重要度に応じてニュースの内容が理解できる書き方は社会全般の動きを知る上では有用だが、毎日購読した上での続報や独特の略称、暗黙の了解のような前提情報といった紙面は若者にとってはとっつきづらい。 新聞記者からネット配信担当へと立場が変わった筆者は、従来の新聞の書き方ではバズらない=PV数が増えないとして、試行錯誤しながらアプローチを変えていった。具体的にはより情緒やストーリーを重視した“エモい”書き方をすることで、ネット記事はより多くの人々に見てもらえるのだ。このプロセスは、新聞記者に限らず多くの書き手にとって参考になる内容だし、読み手として無意識に続きが読みたくなる仕組みが言語化されており、概ね納得感のあるものだった。
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書店にはいいたが買いたい本がなく、しかし購買欲だけは亢進。欲を収めるために仕方がなく買った本。あまり期待はしていなかったが、案外面白かった。新聞記事が購読者に向き合っていなかったのではないかという問題意識とこの先、新聞が果たす役割。
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■記事がバズった理由を5つの要素に分類することができる。 ①「共感」や「感動」 ②ストーリー性 ③最新ニュースの関連記事 ④見出しとサムネイルの結びつきの強さ ⑤コメントの盛り上がり ■ストーリー形式の威力 デジタル記事の書き方 ・記事を説明文にせず、物語(ストーリー)にする ...
■記事がバズった理由を5つの要素に分類することができる。 ①「共感」や「感動」 ②ストーリー性 ③最新ニュースの関連記事 ④見出しとサムネイルの結びつきの強さ ⑤コメントの盛り上がり ■ストーリー形式の威力 デジタル記事の書き方 ・記事を説明文にせず、物語(ストーリー)にする ・出だしはできれば場面の描写から入る ・リードの末尾には本文に読み進んでもらうための「匂わせ」を入れる ・主人公を一人立てて場面ごとに主人公の気持ち・感情を書き込む ・できれば時制を遡らず時系列で書く ・一文を短くし、テンポを良くする。主語の前に長い修飾つけない ・カギカッコの前にはできるだけその発言者を置き、後ろに述語を置かないようにする ・接続詞や指示語をくどいくらい付け、段落や文同士の関係性を明確にする ・データや指揮者の言葉など「説明文」になりがちな要素はストーリーの後ろに回す ・新聞慣用の省略形は使わない ・表記に迷ったらGoogleトレンドで比較する
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同じ日本語で書いた文章であったとしても、場合によっては読まれない。言い換えると、ある工夫を施すと多くの人に読まれる。新聞記者である著者は、本書で新聞とデジタルそれぞれの特徴と、現在主流であるデジタル記事が読まれる要素を分析する。著者によると、記事の初めに重要な情報をコンパクトにま...
同じ日本語で書いた文章であったとしても、場合によっては読まれない。言い換えると、ある工夫を施すと多くの人に読まれる。新聞記者である著者は、本書で新聞とデジタルそれぞれの特徴と、現在主流であるデジタル記事が読まれる要素を分析する。著者によると、記事の初めに重要な情報をコンパクトにまとめた逆三角形スタイルが現在通用しないと痛感した。その一方で、多くの人に読まれるデジタル記事は、共感や感動があり、ストーリー性のあるものだとわかった。文章の書き方においても接続詞、指示語の多用、一文を短くするというように、これまでは過剰だと思われたこともしなくてはならない。これ以上にも読まれる記事のポイントがあげられるが、いずれにしても、読者にとって自分事であるものが現在求められる。
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