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虚傳集 の商品レビュー

3.4

8件のお客様レビュー

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2025/11/16

架空の人物の伝記集。資料や同時代の人物の話などでもっともらしくしてある。 剣術の話は面白かったが最後の話は将棋がわからないのでいまいちだった。

Posted byブクログ

2025/04/26

評価は3.5かなー 読み始めてしばらくして、ん?これは小説?それともノンフィクション?と混乱。ためしに主人公の名前などを検索してみる。やはり実在する人物ではなさそう。なので、やっぱりフィクション。それくらい評伝・紀伝っぽい。文章は淡々と論文みたいだし、劇的な表現や展開もない。 で...

評価は3.5かなー 読み始めてしばらくして、ん?これは小説?それともノンフィクション?と混乱。ためしに主人公の名前などを検索してみる。やはり実在する人物ではなさそう。なので、やっぱりフィクション。それくらい評伝・紀伝っぽい。文章は淡々と論文みたいだし、劇的な表現や展開もない。 でも、趣向として面白い。作品集のタイトルが『虚傳集』というのが、そのままを示しているなあと。 私は最後に収められた『桂跳ね』が好き。いちばん小説っぽかったかも。

Posted byブクログ

2025/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説とはこんなにも自由で虚構に満ちていて楽しいものなんだとあらためて感じることができました。(ヘビーなノンフィクションを直前に読んでいたせいもあるでしょうか) わたしの知識量が少ないためどこからが虚構なのかわからない状態なのですが、普段は大長編を書かれる先生の初の短編集を堪能させていただきました。

Posted byブクログ

2025/04/02

書名のとおり史実に織り交ぜた虚構に次ぐ虚構。 幕末に逃げるが勝ちを奥義とした一風変わった剣道場、戦国末期の石礫投げを専らにした傭兵団、江戸中期の仏師、江戸末期の舎密師、同じく将棋好きの幼馴染二人。 架空の文献やそれに対する架空の解釈も持ち出すなど細かい芸を駆使し、作者が楽しん...

書名のとおり史実に織り交ぜた虚構に次ぐ虚構。 幕末に逃げるが勝ちを奥義とした一風変わった剣道場、戦国末期の石礫投げを専らにした傭兵団、江戸中期の仏師、江戸末期の舎密師、同じく将棋好きの幼馴染二人。 架空の文献やそれに対する架空の解釈も持ち出すなど細かい芸を駆使し、作者が楽しんで書いている様子がわかる、ストーリーテラーたる作者の面目躍如となる怪作。

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2025/04/01

虚傳集? あまりにニッチなテーマなので、よほどの歴史マニアには受け入れられるかもしれないが、全く歴史に登場しない人物を描かれても親近感は湧かない。 おまけに本書が虚傳となれば、もう少しドラマ演出してほしかった。 武士道は卑怯なもの伊能涼雲。 石を投げる印地の衆、箕尾三兄弟。 霊...

虚傳集? あまりにニッチなテーマなので、よほどの歴史マニアには受け入れられるかもしれないが、全く歴史に登場しない人物を描かれても親近感は湧かない。 おまけに本書が虚傳となれば、もう少しドラマ演出してほしかった。 武士道は卑怯なもの伊能涼雲。 石を投げる印地の衆、箕尾三兄弟。 霊木から仏像を掘り出した賽井俊慶。 雷をエレキテル治療に用いた薗倉瑞軒。 残念。

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2025/03/15

見も聞きもしない、というかそもそも存在しない事柄を恰も有る様に平然と語ってみせるのが小説の根幹だとするなら、この短篇集は正に小説らしい小説といえる。初めからまるっきり嘘しかないと分かって読み始めていたのに、文献の引用が重ねられる程にどこか真実味のようなものが芽生えてくるのが面白く...

見も聞きもしない、というかそもそも存在しない事柄を恰も有る様に平然と語ってみせるのが小説の根幹だとするなら、この短篇集は正に小説らしい小説といえる。初めからまるっきり嘘しかないと分かって読み始めていたのに、文献の引用が重ねられる程にどこか真実味のようなものが芽生えてくるのが面白く、また恐ろしい。個人での情報の発信受信が容易になった反面、フェイクも横行するようにもなったポスト・トゥルース以後の現代社会を生きていく上で、提示されたものに飲み込まれず冷静に真偽を見極める能力は、私たちが最も磨いていかなければならない部分である。

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2025/03/13

浪漫がいっぱい。あえて軽妙で洒脱な語り口を封印して臨む虚構歴史検証小説。古書の原文を都度都度意訳して提示する手法が続きすぎるきらいはあるけれど、どこまでも本当の歴史本を意匠したかった嗜好性とそれを実現している手腕はさすが奥泉さんである。 五篇のうち、いちばん笑ったのは「清心館小伝...

浪漫がいっぱい。あえて軽妙で洒脱な語り口を封印して臨む虚構歴史検証小説。古書の原文を都度都度意訳して提示する手法が続きすぎるきらいはあるけれど、どこまでも本当の歴史本を意匠したかった嗜好性とそれを実現している手腕はさすが奥泉さんである。 五篇のうち、いちばん笑ったのは「清心館小伝」で、いちばん泣いたのは「桂跳ね」だった。読後に他の三篇も含めて振り返ってみれば、いずれもがそれぞれに紛うことなく奥泉さんの小説の要素が顕されていることに深く納得感を覚えた。

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2025/02/18

偽書歴史小説集。実在してもおかしくなそうな資料を実在してそうな歴史学者の解説を踏まえて小伝を記した体裁の小説。著者の博識と小説技巧で、まさに「凄面白くて唸らせる」小説集。 【収録作品】 「清心館小伝」 「兵は詭道なり」と説き異彩を放った江戸の道場 「印地打ち」 真田氏の下、投石...

偽書歴史小説集。実在してもおかしくなそうな資料を実在してそうな歴史学者の解説を踏まえて小伝を記した体裁の小説。著者の博識と小説技巧で、まさに「凄面白くて唸らせる」小説集。 【収録作品】 「清心館小伝」 「兵は詭道なり」と説き異彩を放った江戸の道場 「印地打ち」 真田氏の下、投石の奇襲で名を馳せた山の三兄弟 「寳井俊慶」 出奔した天才仏師の数奇な生涯 「江戸の錬金術師」 猫屋敷の蘭方医にしてからくり興行の山師 「桂跳ね」 幕末の世、将棋で結ばれた若者二人の友情と運命

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