君の瞳に私が映らなくても の商品レビュー

櫻井千姫(著者)

2025/02/20

Amazonの紹介より
本当に好きな人、本当に大事な友達、そして本当に好きになれる自分って――?高校生の恋と友情が交錯する、もどかしくて切ない青春グラフィティ!
「人は見た目が99パーセント」と信じる高校2年生の柚葉。少しでもかわいくなるため、今日もメイクやダイエットに打ち込んでいる。
自分磨きに目覚めたきっかけは中学時代、初恋相手の正直から「ブス」と言われてしまったこと。高校では痩せてあか抜けて、別人のようにかわいくなった。今では派手な女子やイケてる男子たちと一緒に、中学時代じゃ考えられないような自己肯定感爆上げの高校ライフを楽しんでいる。
そんな夏休み明けのある日、真面目系のイケメン転校生・純晴くんが柚葉のクラスにやって来た。一目惚れした柚葉が思いついたのは、純晴くんの好きそうなタイプに寄せること。読書にチャレンジしたり、黒髪に戻したりして「清純派アピール」をしてみるけれど、なかなか振り向いてもらえない。どうやら彼は、柚葉の地味な幼馴染み・つぐみに想いを寄せている様子で……?

高校生達の恋愛模様に、めげずに頑張る情熱や友達がいることの大切さ・幸せなど青春の要素がいっぱい詰まっていました。
少女漫画を読んでいるかのような仲の良さのある雰囲気、そして転校生の出現により、新たな恋にときめくといったキラキラした内容に、本をぶん投げようかな（笑）と思うくらい羨ましかったです。

失って初めてありがたさがわかってくる友情関係に、友達って大切だなと思いましたし、それを修復していく展開にほろりとしました。

勝手な思い込みでも、直接正直に向き合うことで誤解が解けるかもしれません。その結果での後半は、嫉妬するくらい甘い青春でした。
こんな青春を送れていたらなと羨ましい限りでございます。

人間は中身が大事と言いますが、それに至るまでは、外見も大事であると実感させられます。話をして、初めてその人の中身がわかってくることもあり、最初と最後のそれぞれの登場人物の印象が変わっていくので、作品としては、そこが面白かったです。

それぞれキャラの強い人物でしたが、距離感が近くなったり遠くなったりと、青春ならではの恋模様が詰まっていて楽しめました。
とにかく羨ましすぎる甘く苦い青春物語でした。