秘仏の扉 の商品レビュー
秘仏と対面する時、人は己自身とも対面する。 Listening to the Dharma is to listen with your true self.
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仏の微笑みも、観る人の心持ちによって天使にも悪魔にも。夢殿の救世観音菩薩それほどの感動はなかった。それにしても「英雄色を好む」とは言え、揃いも揃って酷すぎないか?女中に姪に人妻に…。それで審美眼誇られても…。
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昨年奈良旅行に行き 法隆寺愛に溢れたガイドさんから 2時間濃いぃ案内を受け、 飛鳥の風を感じて本当感動しました。 本著に登場する秘仏、救世観音は残念ながら公開時期ではなかったので拝見できませんでしたが 宝物館で百済観音にはお会いできました。 百済観音も目の前にすると畏怖というか、...
昨年奈良旅行に行き 法隆寺愛に溢れたガイドさんから 2時間濃いぃ案内を受け、 飛鳥の風を感じて本当感動しました。 本著に登場する秘仏、救世観音は残念ながら公開時期ではなかったので拝見できませんでしたが 宝物館で百済観音にはお会いできました。 百済観音も目の前にすると畏怖というか、ほんとなんとも言えない気持ちになり、しばらく動けなくなりました(語彙が、、) そんな法隆寺にこんな苦境の時代があったなんて、、 日本史で「廃仏毀釈」という言葉を教わった記憶はありますが 1300年?の歴史ある法隆寺のようなお寺にまでその塁が及んでいたとは全く知りませんでした。 秘仏開帳に関わった六人の男たちの話がオムニバス形式で展開されます。 一つ一つの出来事は史実ですが、 秘仏である救世観音を目の前にした時にあらわになる男たちの心のうちはフィクション。 しかし本当にそうであったような気持ちになります。 岡倉天心って谷中に記念館がありますが、こういう人だったのねぇとか、朝ドラ「ばげばけ」の小泉八雲さんもチラッと名前が登場して そうか同時代の出来事なのだと嬉しくなったり。 「はー面白かったー」 と思って最後の著者紹介を見たら「木挽町のあだ討ち」の方!! やっぱりいい本を書く方ですね。
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「光の在処」 小川一眞 「矜持の行方」 九鬼隆一 「空の祈り」 千早定朝 「楽土への道」 アーネスト・フェノロサ 「混沌の逃避」 岡倉天心 「千年を繋ぐ」 町田久成 『あの本読みました?』で見て気になっていた本。 廃仏毀釈の話はあまり知らないので、色々驚いた。法隆寺の秘仏開帳に関わった人たちの人生。これはとても面白かった。岡倉天心以外は名前も知らない人たちだけど、色々興味が出てしまう。永井紗耶子さんは『木挽町の仇討ち』も良かったし、他の作品も読みたいな。
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奈良 法隆寺 夢殿の秘仏、救世観音。鎌倉時代から厨子に封印され、僧侶すら見ることができなかったもの。開ければ仏罰が下ると信じられていた扉。それが明治時代に開けられることになりました。何があったのか? 関わった男たちの物語が描かれています。 事実に基づいたフィクションって面白い。...
奈良 法隆寺 夢殿の秘仏、救世観音。鎌倉時代から厨子に封印され、僧侶すら見ることができなかったもの。開ければ仏罰が下ると信じられていた扉。それが明治時代に開けられることになりました。何があったのか? 関わった男たちの物語が描かれています。 事実に基づいたフィクションって面白い。6名の人物が登場します。教科書で習ったフェノロサ、岡倉天心(覚三)、秘仏を初めてカメラに収めた写真師、文部官僚の九鬼隆一、法隆寺住職の千早定朝、文化財調査を主導した文部省の町田久成。全員実在の人物で、描かれている主な出来事は史実のようです。 明治時代の廃仏毀釈。全国の寺が破壊され、遺物や仏像などが海外に売られました。布施もなくなり、こっそり宝物を持ち出して米や金にする僧侶がいて、冬の寒さに耐えかねて経典を焼き払った寺院も出たといいます。この作品にはなかったのですが、興福寺の五重塔が25円(10万円ほど)というタダ同然で売却されたこともあったそうです。買い主は塔に使われた金属を取り出すことを目的としていたとのこと。さらに、貴重な品々が二束三文で外国に流出。恐ろしい! 「まずは把握して、流出を防ぐことが急務」と奔走する人物たち。一方、数百年の間、閉じて守ってきた寺院側。「守るために開く」という住職の決意に至るまでの経緯が、関わった人物たちを通して立体的に描かれます。登場するのは立派な人物たちばかりですが、その描写は人間味あふれていて興味深いです。言い方を変えると、女性関係においてのダメ男たちが何人も…。そういう時代だったということかもしれませんが。 フェノロサたち外国人の評価と支援が、政府の方向を変えさせて 日本の文化財を守ったことは事実。でも、少し引っかかります。日本が自身の価値を相応に評価できなかったということでもあります。 最後に、聖徳太子を模したという秘仏の不思議な笑みについて。初めて目にした人物たちの想いがこんな風に表現されていました。「これは、恐ろしいもの。開かぬ方が良かった」「“不可解”という感情が沸き起こった」「混沌から逃げたい。早く扉を閉め、夢殿を出たい」それぞれの人物の心の内にあるものが解放されます。 私はこの秘宝をまだ見たことがないけれど、直面したらどんな気持ちが沸き起こるのかな。日本文化財保護の扉を開いた貴重な場所。いつかご縁があるのかないのか…。ご縁があったら、ありがとうございますと、そっと手を合わせたいと思います。
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廃仏毀釈に揺れる明治日本と、東洋美術を評価する欧米。法隆寺の秘仏開帳に関わった男たちを、多視点で描く構成が印象的だった。岡倉天心やフェノロサといった偉人たちは、理想化されず、人間的な弱さや身勝手さも含めて描かれるけれど、彼らがいなければ、今、日本が海外へのアピールに必死な日本美術...
廃仏毀釈に揺れる明治日本と、東洋美術を評価する欧米。法隆寺の秘仏開帳に関わった男たちを、多視点で描く構成が印象的だった。岡倉天心やフェノロサといった偉人たちは、理想化されず、人間的な弱さや身勝手さも含めて描かれるけれど、彼らがいなければ、今、日本が海外へのアピールに必死な日本美術の美しさや仏教は失われていたかもしれない。 これまで、アルカイックスマイルは慈悲の象徴だと思っていたけれど、「人間って本当にしょうもないな」と半ば呆れて見守る表情のようにも思えてきた。
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フェノロサと岡倉天心のことは知っていたけれど、彼らのプライベートなこととか、時代背景など物語として俯瞰出来てよかった。 法隆寺の救世観音を巡るそれぞれの人々をオムニバスに描いていてストーリーは面白かったけれど、それぞれが重なり合った最後の落とし所に深みがあまり感じられなかった。 ...
フェノロサと岡倉天心のことは知っていたけれど、彼らのプライベートなこととか、時代背景など物語として俯瞰出来てよかった。 法隆寺の救世観音を巡るそれぞれの人々をオムニバスに描いていてストーリーは面白かったけれど、それぞれが重なり合った最後の落とし所に深みがあまり感じられなかった。 朝ドラ『バケバケ』の時代とも重なり、日本の文化に魅了された西洋人たちと明治の人々の交わりを知れたのはよかった。 自分を取り巻く社会、価値観が加速度的に変化する現代の私たちが日本の文化をどう位置づけ守り、芸術そのものに関わっていくか考えたいと思った。
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近代化を褪せるばかりに日本文化を疎かにした まさに廃仏毀釈 皮肉にも東洋文化が西欧に受けいられる それは、今日も変わらない。 文化財保護と言う意味では理解できるのだが、良い物は、誰もが目にすればよいと思うのだが? 話し自体は、当時の人の心の機微が描かれ良いが、小説といった感は、い...
近代化を褪せるばかりに日本文化を疎かにした まさに廃仏毀釈 皮肉にも東洋文化が西欧に受けいられる それは、今日も変わらない。 文化財保護と言う意味では理解できるのだが、良い物は、誰もが目にすればよいと思うのだが? 話し自体は、当時の人の心の機微が描かれ良いが、小説といった感は、いまいち 味わえなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
廃仏毀釈に象徴される明治初期のアイデンティティー喪失時に『秘仏』に関わった六人は人生における何かの扉を開けてしまった・・・法隆寺夢殿救世観音像という千年の秘仏が坐す厨子が開かれた明治、欧米人と日本が交わる時代の変動は物語として興味深いが、秘仏開陳の場に立ち会った人それぞれの人生を繰り返し見るのは2~3人で食傷気味だったことは内緒 ①写真家小川一眞②宮内庁図書頭(臨時全国宝物取調局委員長)九鬼隆一③法隆寺住職(代表)千早定朝④取調局委員アーネスト・フェノロサ(外国人資産家ビゲロー)⑤宝物調査責任者(その1)岡倉覚三(天心)⑥古器旧物保存方人町田久成 結構人間味あふれる俗人ばかりで時代がそうなさしめたのか男女関係が、特に岡倉天心は人として終わっている情動にのみ生きる人で節度も倫理もありゃしない 夢殿救世観音像の笑み狂気を感じますけどね、アルカィックスマイルとは言えない気がする
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法隆寺夢殿の秘仏、救世観音像の扉を開けた者たちの物語。 小川一真 写真家。アメリカで写真を学び写真館を営むがやがて日本を代表する写真家となる。 九鬼隆一 九鬼家当主。福沢諭吉に師事し、文部省官僚となる。宝物調査の責任者。 千早定朝 法隆寺の住持。没落していく法隆寺を支える。...
法隆寺夢殿の秘仏、救世観音像の扉を開けた者たちの物語。 小川一真 写真家。アメリカで写真を学び写真館を営むがやがて日本を代表する写真家となる。 九鬼隆一 九鬼家当主。福沢諭吉に師事し、文部省官僚となる。宝物調査の責任者。 千早定朝 法隆寺の住持。没落していく法隆寺を支える。救世観音を開けた男。 アーネスト・フェノロサ 東京大学のお雇い外国人教師。三井寺の僧侶に戒を受ける。 岡倉覚三 文部省御用係。九鬼の妻との醜聞で全てを失う。 町田久成 薩摩出身。イギリス留学経験者。日本の博物館設置に奔走。
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