怪異から妖怪へ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
妖怪の成り立ちを分かりやすく書いた入門書。 鬼や天狗といった馴染み深い妖怪を題材にしながら、それぞれの成立経緯をしっかりと説明してくれる良書だね。 京極夏彦御大もちょくちょく語っているけど、行く手を塞がれるという「現象(コト)」が”妖怪 ヌリカベ”という「存在(モノ)」になるプロセスをこそ「コトのモノ化」と言う。この経緯が怪異から妖怪になること、というのが一応の骨子かな。 極端な話、何か不思議な現象が起きたときに「それは妖怪のせいだ」と言われても何も解決していないのだけど、そう返されることで説明されたような気になってしまう。 妖怪とはそういう不思議で溢れていた文化のブラックボックスとして発明され、現代ではその立場が科学に取って代わられてしまったんだな。 そして残った「存在(モノ)」がキャラクターとなったのが現代の妖怪の在り方なのかな、なんて思ったり。
Posted by
2024(令和6)年発行、文学通信の単行本。再び論説集。どういうわけか連続して妖怪の論説集を読むこととなった。系列が同じこともあり同じような論調である。でもこっちのほうが具体的な対象妖怪がいたりするので面白く読めるかな。比較的短いし。
Posted by
世に起こった不思議な出来事(コト)としての怪異が、媒介者による情報発信を通してモノとしての妖怪になっていく様を、「鬼」「白沢」「天五」「鳴釜」「河童」などなどといった個々の妖怪別に記述している。研究書なので「○○」という文献には「これこれこういう」記述がある、との報告が中心。また...
世に起こった不思議な出来事(コト)としての怪異が、媒介者による情報発信を通してモノとしての妖怪になっていく様を、「鬼」「白沢」「天五」「鳴釜」「河童」などなどといった個々の妖怪別に記述している。研究書なので「○○」という文献には「これこれこういう」記述がある、との報告が中心。またコンパクトにまとめようとの意図だろうと思うが、個々の項目については舌足らずの感は否めない。
Posted by
はじめに ― 神と怪 東アジア怪異学会のご案内 第1部 怪異学総説 1 「怪異」と怪異学 2 神―その形成と展開 3 妖怪 第2部 妖怪列伝―どのように成立したか 1 鬼―『出雲国風土記』と日本古代の「鬼」 2 白沢―俗化する神獣とその知識 3 天狗―天変...
はじめに ― 神と怪 東アジア怪異学会のご案内 第1部 怪異学総説 1 「怪異」と怪異学 2 神―その形成と展開 3 妖怪 第2部 妖怪列伝―どのように成立したか 1 鬼―『出雲国風土記』と日本古代の「鬼」 2 白沢―俗化する神獣とその知識 3 天狗―天変から信仰へ 4 鳴釜―俗信から科学へ、そして諧謔へ 5 河童 6 一目連(いちもくれん)―情報の連鎖と変容 7 九尾狐 8 オサカベ 9 件(くだん) 10 水子霊ー夭折した胎児の霊はどこに現れ、誰に祟るか? [特別寄稿]チョコレートを食べること 参考・引用資料 執筆者紹介
Posted by
「怪異」と「妖怪」の区分や分析をどうすべきなのか。この本はまずそういった問いから出発している。そして河童や天狗、鬼などの名前がどのように成立し移り変わっていくのかを様々な執筆者が論じる。文章は堅めだが怪異と妖怪を知る上で読んでおきたいガイドブックといえる。
Posted by
- 1
