ゆうやけトンボジェット の商品レビュー
中学年向き。 ジェット機に憧れたトンボが運び屋の仕事をするお話。 トンボが肉食だから怖がられたり、植物の種を遠くに運んだり、相棒のてんとう虫が年老いたりと、ファンタジーにうまくリアルが組み込まれている。 自分で仕事をみつけ、責任を持つ職業意識についても考えさせられる。全ページにイ...
中学年向き。 ジェット機に憧れたトンボが運び屋の仕事をするお話。 トンボが肉食だから怖がられたり、植物の種を遠くに運んだり、相棒のてんとう虫が年老いたりと、ファンタジーにうまくリアルが組み込まれている。 自分で仕事をみつけ、責任を持つ職業意識についても考えさせられる。全ページにイラストがあり、読書が苦手な子でもお話しに入りやすい。
Posted by
軽い気持ちで読んだんですが、思ったより相当練り込まれた作品でかなりよかったです。お客さんを乗せようとしたがトンボは虫を食うため怖がられる、というリアル昆虫ベースのネタもありながら温かい友情と冒険と前向きな別れに新たな出会いまで描かれていてすごくよかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
変わり者のジェットが自分が好きなことを貫く姿がすてき。またトンボのジェットとテントウムシの友情物語がとてもよくて、ちょっとがまくんとカエルくんを思い出すくらいです。 飛行場を離発着するジャンボジェットに憧れて、小さな虫や植物の種たちのためのジェット機として、活動しはじめたジェット。 仲間たちが季節に合わせて山地から平地へ移動していっても、自分を待っている植物たちのために仕事を続け、一人山に残るジェットがかっこいいです。兄や姉が繁殖活動に励み、トンボとして『普通』の生き方で成果を上げる一方で、好きな仕事を真摯に続けた先で、ジェットは一人のメスのトンボに出会うのですが、そこで安易に恋に落ちたりしないのがいい!二人は好きなものが同じで友だちになるのです。ラストシーンの、西の空に向かって飛んでゆく、オープンエンドも美しい。こういう読後の余韻が残る児童文学はなかなかありません。虫好きの子が読むだけなんてもったいない、自分らしく生きることを温かく応援してくれる、すばらしい小説です。
Posted by
- 1