ゾルゲ事件80年目の真実 の商品レビュー
本邦で暗躍したソ連のスパイ「ゾルゲ」について、近年にロシアで機密解除された諜報資料も含めて概要整理されたもの。 戦争という最も危険で高度な政治判断において、ゾルゲの果たしたソ連への貢献、日本への負の影響は大きい。 ゾルゲは日本政府中枢にまで入り込んで国家機密を取得するために、多...
本邦で暗躍したソ連のスパイ「ゾルゲ」について、近年にロシアで機密解除された諜報資料も含めて概要整理されたもの。 戦争という最も危険で高度な政治判断において、ゾルゲの果たしたソ連への貢献、日本への負の影響は大きい。 ゾルゲは日本政府中枢にまで入り込んで国家機密を取得するために、多くの日本人協力者を巻き込むことに長けていたことがよく分かりました。 今も昔も日本は機密管理に対する政府・国民の意識が低く、「スパイ天国」と揶揄されるが、自国の損失(自分たちの生活への不利益)に直結することを改めて考え直す必要がありますね。
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根本的な疑問・・・「ゾルゲ事件により日本の国策は南進=対米戦争に誘導され、国家を破滅させたのではないか?」に応えるものではなかった。残念ながら・・・。日本国の恥辱になるからではないか。白村江の戦いの敗北に触れない日本史と似ている。 そもそも近衛文麿が三度首相に就いてどれだけ国策を...
根本的な疑問・・・「ゾルゲ事件により日本の国策は南進=対米戦争に誘導され、国家を破滅させたのではないか?」に応えるものではなかった。残念ながら・・・。日本国の恥辱になるからではないか。白村江の戦いの敗北に触れない日本史と似ている。 そもそも近衛文麿が三度首相に就いてどれだけ国策を誤ったか。昭和天皇も西園寺公もさじを投げたようで、いざとなると再登用するのは近衛家の血筋によるもの。 「近衛文麿―尾崎秀実―ゾルゲーオットー独大使」のラインが日本・ドイツ間の情報を操作した。狙いは「ソ連擁護」で、独ソ戦開始後は日本の侵攻を南方資源に向かわせ、ソ連挟撃を回避するのが絶対命題であったし、事実その路線で進むこととなった。 歴史のイフだが、日本も対ソ参戦し、ソ連を滅ぼした上で、ウクライナの資源をドイツと分け合えれば大戦の行方も変わった。 日独とも三国同盟を世界戦略に実質化する意志がなかったことが敗北を必至にしたといえる。 もっとも枢軸国に世界をリードする理念・戦略は無かったので、敗北は必然だったと言えるだろう。 原資料に拘る「歴史学」はこうしたダイナミックな物語は書けないがやむを得ない。
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ゾルゲ復権に寄与したのは岸惠子(映画まで作った)とガガーリン 日本はインテリジェンスに対して脆弱(蟹といっしょ、中身は柔らかい) アルコール摂取が被曝を軽減?(ロシア原潜で呑むイワノフのグラス;広島長崎を視察しても放射線障害をうけなかった) ゾルゲと中日独大使オットーは昵懇 嫁は...
ゾルゲ復権に寄与したのは岸惠子(映画まで作った)とガガーリン 日本はインテリジェンスに対して脆弱(蟹といっしょ、中身は柔らかい) アルコール摂取が被曝を軽減?(ロシア原潜で呑むイワノフのグラス;広島長崎を視察しても放射線障害をうけなかった) ゾルゲと中日独大使オットーは昵懇 嫁はゾルゲの愛人だった事もある
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旧ソ連はスパイ大国として知られているが、リヒャルド・ゾルゲ程、有名なスパイは他に居ないだろう。スパイであるから、世に名が知られている時点で、スパイとしての意味を失ってしまっているとも言えるのであるが、その活動や成果が研究され、太平洋戦争に突入する以前の日本での様々な活動が、少なか...
旧ソ連はスパイ大国として知られているが、リヒャルド・ゾルゲ程、有名なスパイは他に居ないだろう。スパイであるから、世に名が知られている時点で、スパイとしての意味を失ってしまっているとも言えるのであるが、その活動や成果が研究され、太平洋戦争に突入する以前の日本での様々な活動が、少なからず歴史の流れに影響を及ぼしている。ゾルゲは独ソ不可侵条約下にあるドイツが条約を破棄しソ連へ攻め込む事を察知、再三スターリンに対し警告をしていたし(スターリンは無視したとされるが)、日本の真珠湾攻撃が起こる事も予測していた。 その生い立ちは、ドイツ人の父とロシア人の母の間にロシアの地に生を受け、国籍としては父のドイツ側にあり、第一次大戦時にはドイツ陸軍兵士として大戦に従軍し、3度の負傷を経験している。本書に登場するゾルゲも、そうした背景を経ながら平和主義に目覚めた経緯を説明する。また負傷中の野戦病院内で従軍看護師から聞いた社会主義理論により、社会主義に目覚めたとされ、その後、哲学や国家学を学びベルリン大学の博士号を取得している。命を惜しまず戦場を駆け巡る勇気と行動力、哲学を学び歴史や国家を分析する能力に長じた知的な側面などが、後のスパイ活動に於いて、大いに役に立ったのではないだろうか。その後、ドイツ共産党、ソ連のコミンテルンなどの勤務を経て、スパイとしての人生を歩み始めるゾルゲ。戦後ゾルゲ機関と呼ばれるスパイ網を日本国内で構築し、日本の軍の上層部までをもその情報源とし大いにスパイとして活躍するのである。最終的には日本の特高(特別高等警察)に逮捕され、裁判を経たのち絞首刑となるが、その捜査の過程で名前が挙がった各方面で著名な実力者たちは震えあがったであろう。 日本での活動がよく知られるゾルゲではあるが、その活動以前に中国上海での活動、その頃に構築された人間関係の成り立ちなどから本書は始まる。ゾルゲが雇い、教育により育て上げた各メンバーが、あらゆる方面から情報を集め、ゾルゲ自らがそれを分析する。こうした活動は当時のスパイだけでなく、現代に於いても各国のインテリジェンス機関や、身近なビジネスシーンでも日常的に行われる事だ。ゾルゲにとっても信頼できるメンバーとそうでもない人間とで評価を分けていた事は言うまでもない。スパイとしての成功には、こうしたメンバーの中に如何に優れた人材を確保するかに寄るところが大きい。ゾルゲにとってのそのメンバーは朝日新聞社の記者であり、共産主義者の尾崎 秀実である事は言うまでもない。彼自身が近衛文麿政権のブレーンであり、陸海軍の関係者と独自の交友関係を築いていた人物であったからこそ、ゾルゲは正確かつ公には語られる事の無い国家機密へも十分にアクセス可能となっていた。それでも本国の組織に対しては、日本人の独特の気質に於いての情報収集の難しさについて報告しているし、当時日米開戦を前に、外国人に対する厳しい見方がされる中での活動は困難を極めたであろう。だからこそなのか、女性関係者との親密な関係構築についても知られている。ありとあらゆる情報源を駆使して活動を続けた後、前述した様に逮捕・処刑の運命を辿ってゆく。 戦後随分経ってから、フルシチョフ、ブレジネフの体制で、反スターリン機運の中で再び、その活動成果が注目されると共に、現在ウクライナに侵攻するロシアのトップ、プーチン大統領が尊敬する人材として、再び注目を浴びることとなったゾルゲ。戦後80年機運の高まる日本に於いて、失われつつある戦争記憶。本書はその裏側で暗躍したインテリジェンス機関、そしてゾルゲの様なスパイの活動が、如何に大きな戦争であっても、数万、数十万の軍勢に等しい活動成果を挙げる事が出来るかを知る良い機会になるだろう。そして現代ビジネスにも通じる、信頼できる情報収集体制の構築の参考にしてみるのも良いだろう。
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公開文書によって、ゾルゲ事件の新事実がいくつか判明し、従来のゾルゲの見方が本書を読むことで変わる。現在、日本の南進論の情報を報告したことで評価されているゾルゲだが、当時は必ずしも肯定的に評価されたわけではない。公開された文書を紐解くと、ゾルゲもスターリンの粛清対象内であった可能...
公開文書によって、ゾルゲ事件の新事実がいくつか判明し、従来のゾルゲの見方が本書を読むことで変わる。現在、日本の南進論の情報を報告したことで評価されているゾルゲだが、当時は必ずしも肯定的に評価されたわけではない。公開された文書を紐解くと、ゾルゲもスターリンの粛清対象内であった可能性が高く、全面的に信頼されたわけではなかった。またゾルゲはソ連の安全保障という観点から、1941年の日米外交交渉の情報収集に関心を持っており、その分析は正確であったことが本書で明かされる。ちなみにゾルゲの名誉が回復したのは1964年頃、すなわちスターリン批判が盛んだったフルシチョフのときである。
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【処刑80年で明かされる「史上最高のスパイ」の内幕】ロシアで機密解除された暗号電報をもとに、日本の国家機密をことごとく手に入れた稀代のスパイの情報収集力、女性遍歴の秘密に迫る。
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