ミスター・チームリーダー の商品レビュー
痛快で面白いお仕事&筋肉小説。 会社のチームリーダーでボディビル選手でもある後藤が、大会に備えて減量していく過程で、体のシェイプアップが組織(チーム)のシェイプアップとリンクしていくというナンセンスだけど面白い設定。 後藤が心の中で(時に口に出して)毒付く言葉は、自分がどっち...
痛快で面白いお仕事&筋肉小説。 会社のチームリーダーでボディビル選手でもある後藤が、大会に備えて減量していく過程で、体のシェイプアップが組織(チーム)のシェイプアップとリンクしていくというナンセンスだけど面白い設定。 後藤が心の中で(時に口に出して)毒付く言葉は、自分がどっち側のタイプの人間かで受け取り方は正反対だろうけど、私的には全面的に賛同。 組織を人間の身体と考え、働きの悪い部下を脂肪に喩えて排除していこうとする姿は滑稽でありながらどこか痛快でもあり、ユーモラスなのに後藤自身が大真面目なところが笑える。 彼や彼の上司の発言はコンプライアンス的にアウトとされるものばかりなんだけど、だからこそちょっとスカッとするのは私もコンプラ違反気質だからだろうね。 最後に辞めていく部下と、次の手を考える後藤の考え方は対照的で、組織の中で交わらない二つの立場の象徴でもあり、この噛み合わなさは永遠に続くのではと思わせる。 どちらにとっても住みづらい世の中かも。
Posted by
ほんとに面白い、仕事×筋肉 小説。 チームリーダーの心の声(たまに口から漏れてる)は、今の世間的にはNGとされることなのだろうけど、なんというか、本人の信条にブレがなくて清々しかった。
Posted by
ボディービルダー後藤は肉体管理と、リース会社係長としてのチーム管理に悩む。 減量期の後藤は自らを削ぎ落とし大会へと体重を調整しているが、係長としての社内は無駄で怠慢な部下にメンタルを削がれていた。 仕事とビルダーの関係が面白い。 石田夏穂作にはボディービルの興味深い視点と、会社...
ボディービルダー後藤は肉体管理と、リース会社係長としてのチーム管理に悩む。 減量期の後藤は自らを削ぎ落とし大会へと体重を調整しているが、係長としての社内は無駄で怠慢な部下にメンタルを削がれていた。 仕事とビルダーの関係が面白い。 石田夏穂作にはボディービルの興味深い視点と、会社の社内ヒエラルキーの妙がシニカルに描かれるのが魅力であり、今作も後藤の葛藤に次第に共感してゆく。 過ぎたるは及ばざるが如し的な結末は、苦いものの後藤の前向きな姿勢が大きな救いになっていた。
Posted by
元ボクサーの知り合いから減量の辛さを聞いたことがあるけれど… 働きながら競技をすること自体が想像以上に大変なのだと知る。 ボディビルダーだけでなく、あまりメジャーではないスポーツは周囲の理解を得ることも大変そう… それにしても、後藤が勤める会社のようにお菓子を食べてばかりだった...
元ボクサーの知り合いから減量の辛さを聞いたことがあるけれど… 働きながら競技をすること自体が想像以上に大変なのだと知る。 ボディビルダーだけでなく、あまりメジャーではないスポーツは周囲の理解を得ることも大変そう… それにしても、後藤が勤める会社のようにお菓子を食べてばかりだったり上司の指示に従わないことが許される職場は多いのだろうか? 私にはちょっと考えられない職場環境… 後藤が痺れを切らして改革したくなるのも無理もない。 けれども、ボディメイクに全集中するあまり、仕事ができない人や健康管理ができない人すべてをダメ人間だと思ってしまうのも、残念だなと思う。 仕事ができないように見える人のよい所を引き出して上手く部署を回すことができたら、後藤の競技人生も大きな変化が訪れそうな気がする。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ブヨヨ 私も中間管理職かつ最近筋トレにハマっているので、共感するところがあるかな、自分のモチベーション上がるといいなと思って読み進めた。 タイトルから、筋トレノウハウでマッチョマン的にチームをまとめあげていく、爽快な物語かと思ったが、違った。 思い通りにならない部下たちを、自分の脂肪になぞらえて、心の中で罵り、思いやりもなく切っていこうとする話。 毒づきの表現がおもしろいので、最初の方はニヤッやとしちゃうが、デブとか、見た目いじり、繰り返されると途中からいたたまれなくなる。 上司にも心で文句いいつつも、組織の脂肪になりたくないので、指示は最終的に背かない。 オン(減量期)でイライラしている時期は人はこうなるということをみせたかったのかな?菊池もそうなりかけたが、後藤のようにはなりたくないとか、ミエかわいそうとか、そういうところで最後やめていったのかも。 今回は新米マネージャで、次はうまくやれる、という終わり方が、後藤が根本的に変わらないことを示していて、これも人間だなと思いました。 私がこのやり方をやったなら、部下も、特に私自身も幸せになれないな。組織のマッチョ化は色んなものを犠牲にして、寂しい。気持ちを尊重するところのバランスをとりたい。 ブヨヨ
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
石田さん×ビルダーの相性の良いことと言ったら。面白くて好き。 本作では、後藤という男性ビルダーが、大会で上位を目指すため懸命に減量しているところを会社の部下や上司、取引先にまで阻まれるという何とも歯がゆい話。 後藤、頑張れ!飲み会なんか断っちまえ!と思うも、社会人だもの、そうはいかないよね。散々自分(の筋肉)を犠牲にして働く後藤が、ついにミエちゃん(派遣の部下)にブチ切れるところが小気味良かった。世間的には、外見をディスるなんてひどい!となるのだろうけれど、そんなの関係ねぇ。ミエちゃんも野田も皆デブデブしてて、何だか使えない感満載だ。そもそもデブは自分の体重すら管理出来ないのだから、仕事も出来る訳がないと私も常々思っている。(反論は認める。) そんなこんなで後藤の思想に共感し、後藤を応援しながら読んでいたら痛いしっぺ返しを食らった。 組織で生きていくって、そんなに単純じゃないんだな。どんどん使えない奴を切り捨てていったって、全部自分にツケが回ってくる。 真にできるチームリーダーとは、どんな人間でも動かすことのできる人なんだと改めて実感。そしてデブ=無能という思想に陥っていた自分を反省した。
Posted by
感想 人に無駄な部分はあるのか、無駄な人はいるのか。人によって答えは違う。働きアリの法則。無駄を排除してもどこからか湧く。チームの極意。
Posted by
係長に昇進したばかりの後藤が主人公。入社9年目の彼はボディビルダーで、共に働く体重を管理できない人達を内心で見下している。このあたりの後藤目線での描写はかなりひどいもので、ショックを受ける方もいるかもしれない。 ボディビル大会を2ヶ月後に控え、減量に励む後藤だが、思ったように体重...
係長に昇進したばかりの後藤が主人公。入社9年目の彼はボディビルダーで、共に働く体重を管理できない人達を内心で見下している。このあたりの後藤目線での描写はかなりひどいもので、ショックを受ける方もいるかもしれない。 ボディビル大会を2ヶ月後に控え、減量に励む後藤だが、思ったように体重は落ちてくれない。そんなとき、彼はある発見をする……。 会社にいる社員の誰もが有能で必要とされているわけではない。その無駄を脂肪と捉え、必要な人員を筋肉と考える。まさに脳筋野郎の発想だが、なるほどと思った。
Posted by
自分にも他人にも厳しい、というよりは自分に厳しくしているという自負によって自分を甘やかしている後藤、周囲の人間を見下し放題! マッスルを尊び、デブを唾棄し、追い込まれるほどにそのスタンスが研ぎ澄まされていく。 目がどんどん据わってく様を描くのが相変わらず上手くて...。 大会に...
自分にも他人にも厳しい、というよりは自分に厳しくしているという自負によって自分を甘やかしている後藤、周囲の人間を見下し放題! マッスルを尊び、デブを唾棄し、追い込まれるほどにそのスタンスが研ぎ澄まされていく。 目がどんどん据わってく様を描くのが相変わらず上手くて...。 大会に向けて減量期真っ只中のサラリーマン・ボディービルダー。 ボディービルダーの傍からは矛盾して見えるおもしろ生態の話から始まり、コミカルに嫌なことがどんどん。 外からの圧にぎゅうぎゅう押されてどんどん無理が生じる感じ、きちー。 最後の目つきとかきっと尋常じゃなくパキッてる。 消えた人達のその後とかいろいろ思いの馳せどころもあり...。 あらすじ的に1作目と2作目を想起したけど、読んでみたら3作目と4作目の要素も色濃く感じられて、これ石田さんの集大成みたいな作品だ!
Posted by
何かが足りない、多分筋肉じゃない。 朝井りょうさんがオビを書かれていたので ジャケ買い。ページ数も120程度と一瞬で読める分量でした。 もっと笑わせてくれると期待したしまいました 、、、、
Posted by
- 1
- 2