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翻訳する女たち の商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

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2026/03/08

明治の頃から『翻訳者は男性というのが、普通の風景だった。』しかし『いつの間にか、翻訳といえば女性というイメージが広まった。』 女性が学ぶことが難しい時代 その時代に、少しの機会を掴んで英語を学び、翻訳者として語られる人たち 小尾芙佐さんの時代、SFの翻訳者は不足していた 『その...

明治の頃から『翻訳者は男性というのが、普通の風景だった。』しかし『いつの間にか、翻訳といえば女性というイメージが広まった。』 女性が学ぶことが難しい時代 その時代に、少しの機会を掴んで英語を学び、翻訳者として語られる人たち 小尾芙佐さんの時代、SFの翻訳者は不足していた 『そのほとんどはミステリーが専門でSFについては殆ど知識も関心も欠いていた』 『同じ号に複数の作品を訳すこともありました。』『同じ名前ではまずいということで』『ひとりは男の名前にするなんていうことも』 翻訳学校など存在しない時代 『ただただ、ひたすら訳すだけの毎日』 深町眞理子さんの「ABC殺人事件」、小尾芙佐さんの「アルジャーノンに花束を」「五番目のサリー」など、改めて調べてみると彼女たちの本はうちの本棚にもありました。私も彼女たちの訳に触れていました。 外国の本も日本の本も、読書が好きなすべての人 彼女たちが作った時代が今に繋がっていると感じました

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2026/02/17

まず、取り上げられた翻訳家の翻訳そして出版や本に対する情熱に圧倒される。 この方達は境遇は違えども戦争や戦後の食糧難を乗り越えてきた方達だ。乗り越えられず旅立っていった少女/女性が沢山いただろう事を読みながらずっと考えていた。 戦争を通して、「何があっても、学問だけは奪う事ができ...

まず、取り上げられた翻訳家の翻訳そして出版や本に対する情熱に圧倒される。 この方達は境遇は違えども戦争や戦後の食糧難を乗り越えてきた方達だ。乗り越えられず旅立っていった少女/女性が沢山いただろう事を読みながらずっと考えていた。 戦争を通して、「何があっても、学問だけは奪う事ができない」と無理をしてでも子供の教育を優先してきた戦後すぐの大人達の熱意も感じられる。父母や義母や叔母など、理解者・支援者がいた事も分かった。 懐かしい本の翻訳者はこの方だったのか。と気がつき、「沈思黙考」私もこの本で学びました。と伝えたくなりました。 翻訳はすごい。

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2026/01/07

とても良かった。 私自身も昔の話を聞くというのがとても好きなんだと気付いた。 地元が同じ、母校も同じ方が偶然いてびっくり。

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2025/12/04

2024年刊。翻訳家のおばさまたち――中村妙子、深町眞理子、小尾芙佐、松岡享子――へのインタビューを収める。生い立ちに始まり、翻訳の道に入った経緯、そして現在まで。もとはウェブサイトに掲載(2014.3~2018.1)。 深町眞理子、驚いたことに英語も翻訳も独学。高卒後、洋書輸入...

2024年刊。翻訳家のおばさまたち――中村妙子、深町眞理子、小尾芙佐、松岡享子――へのインタビューを収める。生い立ちに始まり、翻訳の道に入った経緯、そして現在まで。もとはウェブサイトに掲載(2014.3~2018.1)。 深町眞理子、驚いたことに英語も翻訳も独学。高卒後、洋書輸入業者のタトルのOL。その時に会社や倉庫にあった本を読み出した。タトルをやめる時、翻訳「でも」やってみるかと、早川書房の福島正美を紹介してもらい、行くと試験。そのエピソードがおもしろい。校閲や読者からの誤訳やミスプリの指摘のことも書いている。かつて「ミステリ・マガジン」は「ミスプリ・マガジン」とも呼ばれていたそうな。 小尾芙佐、津田塾を出たあと、雑誌「それいゆ」編集部勤務。福島正実の原稿をとりにゆく係になり、そこから翻訳の道へ。キイスの中篇「アルジャーノンに花束を」(稲葉由紀訳)に感動、のちにその長篇の翻訳の仕事がまわってくる(まわしたのは福島)。主人公チャーリーの書く文章をどう訳すか。天才画家・山下清の文章が思い浮かび、その特性を頭に叩き込んで訳したという。後年、キイスから小包が届く。なかに入っていたのは、なんと銀細工の「ねずみ」のイアリング! 深町は1931年生まれ、小尾は32年の早生まれなので、同学年。私が「SFマガジン」を読み始めた頃の憧れ。ご存命、いまも仕事をなさっている。

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2025/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

馴染み深い4人のお名前!子どもの頃から読んできたあの本もこの本も、この方たちの訳だったなあ。ご苦労も偲ばれるけれど、それより、苦労を薙ぎ倒して好きな作品を訳していくのがなんだか楽しそう。 精力的に活動なさっていたと思っていたけれど、鬼籍に入られた方もいて、、、こんな貴重なお話、聞いておかないとね!

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2025/09/12

中村妙子、深町眞理子、小尾芙佐、松岡享子、さんら現代文学でよく目にする翻訳家の姿。インタビューをし、生い立ち、翻訳家になるいきさつ、翻訳に対する心構え、などが書いてある。いずれも大正末から昭和初期生まれ。終戦時学校を卒業していたのは中村氏のみ。あとの3人は女学校在学中とか小学生。...

中村妙子、深町眞理子、小尾芙佐、松岡享子、さんら現代文学でよく目にする翻訳家の姿。インタビューをし、生い立ち、翻訳家になるいきさつ、翻訳に対する心構え、などが書いてある。いずれも大正末から昭和初期生まれ。終戦時学校を卒業していたのは中村氏のみ。あとの3人は女学校在学中とか小学生。松岡氏は「イザナギのミコトとか墨で消してましたね」 早川書房は翻訳文化に大きく貢献していて、編集部員もすごかったというのがわかる。深町氏、小尾さんは、早川で翻訳するのにいずれも福島正実氏から英文を渡され”試験”を受けている。 また中村氏は夫についてアメリカに行った時、大学の図書館で図書カードをめくっていると、Westomacott,Maryとあり括弧して(Chrisutie,Agasa)とあり、殺人事件が起こらない『Absent in the Spring』 。中村さんには珍しく自分から出版社に翻訳したいと持ち込んだ。それが「春にして君を忘れ」(ハヤカワ文庫 1973)だった。これがきっかけでクリスティの推理以外の「抒情的ロマンス」を訳すようになり、クリスティにも興味が湧き、クリスティ研究本を2冊執筆した。 ・・などとおもしろいエピソードが満載で、一気に読んでしまった。 中村妙子:1923.2.21東京生まれ 2024.6.26没 深町眞理子:1931.11.1東京生まれ 小尾芙佐:1932.3.24東京生まれ 松岡享子:1935.3.12兵庫県生まれ 2022.1.25没 光文社「古典新訳文庫」連載「“不実な美女”たち──女性翻訳家の人生をたずねて」 がもとで本になった。2024.11.18 https://www.kotensinyaku.jp/column/2024/11/006994/ 2024.11.18初版 図書館

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2025/07/19

戦前生まれで、主に海外文学を担当されてきた女性翻訳家の皆様をインタビューしている。 中村妙子さん(手がけられた代表作は『ナルニア国物語』)・深町眞理子さん(『アンネの日記』『シャーロック・ホームズ』etc.)・小尾芙佐さん(『アルジャーノンに花束を』etc.)・松岡享子さん(『パ...

戦前生まれで、主に海外文学を担当されてきた女性翻訳家の皆様をインタビューしている。 中村妙子さん(手がけられた代表作は『ナルニア国物語』)・深町眞理子さん(『アンネの日記』『シャーロック・ホームズ』etc.)・小尾芙佐さん(『アルジャーノンに花束を』etc.)・松岡享子さん(『パディントン』『うさこちゃん』シリーズetc.)。 女性翻訳家といえば、『赤毛のアン』の村岡花子さんや『ピーター・ラビット』の石井桃子さんの印象が強かったが、なるほど、どれもお見かけしたことのあるお名前である。 特に小尾さんの『アルジャーノン』エピソードは、文庫版を読んだ際に辿ったことがあったので、「あぁ〜…あの時の!」と、思わず膝を打った。 将来AIが奪うであろう職業の中に、翻訳家が挙げられている。 私自身AIとやらをよく理解していないが、日々紹介されている活用術を見ると、その浸透率に驚愕するばかりだ。翻訳のシーンでも、原文を放り込めば手を離している隙に全編仕上げてくれるのだろう… だが、心の機微や情緒、日本人読者への気遣いまでAIは網羅できるのだろうか。逆にそれらが揃ってこそ、我々読者は安心して海外作品を読んでいられるのではないだろうか。AIに懐疑的な私は、原文に齧り付く翻訳家さんたちにまだまだ肩入れしていきたい。 「私にとって、本はあくまで楽しみのために読むもの、勉強するための教材ではありませんから」(P 76) 皆様、幼い頃から大の読書家! コラム「彼女たちのまわりにいた人や本」には、それぞれの読書体験や、本がつなげた人との出会い等が紐解かれている。小尾さんは、海外文学のほか日本の大衆文学にも馴染まれていて、中村さんは『家なき児』に出てくる「タルト」を「蒸餅」と訳されていることに違和感を覚えられていた…。 それに読書中は皆様とても生き生きされていて、それが将来、翻訳活動へ貪欲に打ち込んでいかれる姿と重なったりもした。 「若いひとが知らないような言葉、もはや社会に受け入れられない言葉もある。しかし、若者が知らないから使わないというのもおかしい。わからなければ学べばよい、と芙佐さんは考えている。使わなければ、言葉が貧しくなってしまう」(P 158) これは小尾さんの持論だけど、何気に私も気をつけるようにしている。 訳し方には色々あるけど、本当に日本人読者を思うのであれば、多少聞き慣れない言葉を示すことも大事なのではと思う。甘いデザートばかりではなく、言葉の栄養バランスも気にしていかなければならない。 松岡さんも語彙に関しては敏感で、「基本的に噛み砕いたりやさしくしたりし」ない。(皆様が手がけられたのは児童文学が中心だが、知らない言葉があっても、子供は知らず知らずのうちに「キャッチ」してくれるという) これも日本人読者への気遣い、愛ではないだろうか。 戦後、女性の翻訳家率がようやく上がってきたというのに、もうAIは仕事を奪おうとしている…。いくら訳が正確でも、読者に愛を届けられるのか? 「ヒトが訳した方が遥かに良い!」と、ガツンと言わしめたいものだ。

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2025/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

皆さん翻訳界のレジェンドすぎて現代の働き方には参考にならないかな……と思いきや、今でもうなずける部分もあり、大変勉強になりました。 きっとご当人たちにとっては「こんなの当たり前よ」という話ばかりなのだろう。それを丁寧にすくい取り、活字に残してくださった著者の大橋由香子さんに感謝。 以下、特に心に残った部分を。 Vol.1 中村妙子 ・幼いころ読んだ『家なき児』で洋風のお菓子が「蒸餅」と訳されていたが、どんな食べ物かわからなくても「タルト」というカタカナのほうが断然おいしそうだと感じたそう。ことばをどこまで日本語に訳す⇔カタカナで元の音を残すかは英日翻訳における永遠の課題だと思うけど、中村さんのセンスはそうだったんだなと。これは「異なるものへの興味」が大事という話で、松岡享子さんの章にも出てくる Vol.2 深町眞理子 ・「lift his bulk」を「巨体を起こして」とすべきところ、「荷物を持ちあげて」と訳してしまった。既成の知識をあてはめた安易さ、無意識の奢り、ほかの作品を読まない怠惰さ、想像力の欠如が誤訳につながった……と、ご自身の誤訳の解像度が凄まじい。そして、それ以来誤訳はしていないと言い切れるのも素晴らしすぎる Vol.3 小尾芙佐 ・芙佐さんの仕上げる原稿はいつも少ないとのこと。確かにいい翻訳はいつもシンプルだ ・夫も夫の母も、女性が仕事をするのは当たり前という感覚だから翻訳を続けられたという。出産後は、夫の母が子どもをみてくれる間に仕事をしたそう。子連れでアメリカへ行ったのも夫の母のすすめ。当時のバリキャリ(死語か)女性は未婚・子なしのかたも多いけど、芙佐さんにとって結婚・出産は仕事にすごくいい働きをしたんだなと感じる ・今なら考えられない、「10年留保」の制度 ・『アルジャーノンに花束を』の訳文は山下清の文章を参考にしたそう ・原文を十二分に理解してから翻訳にとりかかる、だから時間がかかるとのこと。いきなり訳す人もいるから、いろんなスタイルがあるものだなあ Vol.4 松岡享子 ・翻訳にとどまらない、八面六臂のご活躍。家庭文庫での読み聞かせをしてきたからこそ絵本がうまく翻訳できるというのは納得。別の分野で活躍しているからこそできる翻訳ってあるよなあ

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2025/06/22

2025.6.7市立図書館 SNSなどで評判に接し、ちょっと前から予約を入れていた本。やっと順番が回ってきて、次の予約の人がいて延長不可なので2週間でなんとか読んだ。 第一部は初出が光文社古典新訳文庫ウェブサイトの連載「"不実な美女"たち」で、インタビュー(...

2025.6.7市立図書館 SNSなどで評判に接し、ちょっと前から予約を入れていた本。やっと順番が回ってきて、次の予約の人がいて延長不可なので2週間でなんとか読んだ。 第一部は初出が光文社古典新訳文庫ウェブサイトの連載「"不実な美女"たち」で、インタビュー(かひとり語り)の形で主にとりあげられているのは、出版翻訳を専業として長く活躍する中村妙子(1923-2024)、深町真理子(1931-)、小尾芙佐(1932-)、松岡享子(1935-)の4人、さらに第二部として、「女」の視点・立場にこだわって翻訳に携わった加地永都子(1939-2009)、寺崎あきこ(1943-2019)、大島かおり(1931-2018)の三人が著者の個人的な思い出とともに紹介されている。 実際に読んでいる作品が多いので、松岡享子さんのお話がいちばんおもしろかったけれど(親には反抗しなかった代わり高校に反抗していたとか、ちょっと親近感を感じたし、「しろいうさぎとくろいうさぎ」のタイトルのこととか、ブルーナの翻訳で男の子のはずだったくんくんが赤ちゃんを産んでびっくりしたこととか)、長年の経験から日本の子どもはお話に登場する知らないものや異文化に寛容だけれど、アメリカ(やイギリス)の子どもは知らないものが出てきたときの拒否反応が強い、とあったのが興味深い。翻訳大国で、外国とくに欧米のものを積極的に翻訳して吸収してきたこととの因果関係はわからないけれど、ちょっと深掘りしたいトピック。 ただ続けて、最近は外国に対する羨望や外来のものへの好奇心が衰えているようにも感じられ「翻訳という営みは減っていくかもしれません。それは寂しいことです」とも語っている。ここも実証的に掘り下げられたら、と思うトピック。機械翻訳もどんどん進化して、プロの翻訳の出番が減っていくと予測されるけれど、それでもいままでとは守備範囲が違う形で「翻訳」のプロフェッショナルの需要はあると思いつつ… SFに開眼したのもつい最近だし、ミステリもそれほど読まないなりに、四人の翻訳者のお名前は聞いたことがあったし、多少はあれどその訳業のお世話にもなっているので、他のかたがたの話もそれぞれおもしろかった。共通して子どもの頃からの本好き、英語(外国語)の勉強、戦中戦後の苦労、下訳などの修業を経て男ばかりの世界で結果を出してコンスタントに仕事を続けてゆくプロフェッショナリズム…私自身、学生時代には翻訳の世界へのあこがれがあったが、先人たちの足跡をうかがえばうかがうほどとてもその器じゃなかったなといまさらながら身にしみた。 いまでこそ、女性の方が多いのではないかと思うほど翻訳家に男女の別などない世界になったけれど、某社が長くとっていた「女性翻訳家は二人まで」のような不文律のエピソードを読むと、ここまでに門前払いされたり早々と脱落した女性も数多いたのだろうな、と思った。 それと、共働きでも生計がぎりぎりといわれる次世代は、家で子どもや家族をケアしながら自分のペースでいい仕事をする、ようなスタイルも滅びていくのだろうかと思ったりした。 パイオニア篇に続いて、続く戦後世代や団塊ジュニア世代のインタビュー企画もいつか実現してほしい。

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2025/03/02

深町眞理子さんしか知らないと思って読み始めたけど、全員何度も読んだことのある翻訳者さんだった。特に小尾美佐さん!アルジャーノンに花束をはすごく衝撃的な本でした。

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