しじんのゆうびんやさん の商品レビュー
本屋さんが斉藤倫フェアを展開していて、ずーっと積読になってる「どろぼうのどろぼん」と並べて同じコンビの新刊ほやほやがおいてあったので、タイトルにひかれてふらっと買ってしまった。 村の小さな郵便局のふたりの郵便局員、ガイトーさんとトリノスさんのはじめたとある活動の物語。さっそく読...
本屋さんが斉藤倫フェアを展開していて、ずーっと積読になってる「どろぼうのどろぼん」と並べて同じコンビの新刊ほやほやがおいてあったので、タイトルにひかれてふらっと買ってしまった。 村の小さな郵便局のふたりの郵便局員、ガイトーさんとトリノスさんのはじめたとある活動の物語。さっそく読み始めたら、最初の数ページの展開で涙が出そうになり、心がいっぱいになってしまった。短いエピソードにひとつずつ詩があって、てがみやことばをおくるということ、詩とはどんなものなのかがじんわりつたわってくるお話で、これから何回も読み返すことになると思う。詩人斉藤倫さんの面目躍如たる一冊。 私自身、国際的な匿名文通「Postcrossing」をはじめて数年になるが、いまやなんでもSNSやメールで済むようになってしまい、手で書いて切手をはって時間をかけて届けてもらう手紙というもののありかたも変わっていくのかな⋯とは思っていた。手紙が好き、絵葉書が好き、というだけでなく、用事があるわけでなく、どこかの見知らぬだれかが自分を思ってつむいで贈ってくれた言葉がちょっと心に灯をともしてくれるようなそんな経験を重ねながら思っていたことをさらに深めてくれるような本だった。
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