しじんのゆうびんやさん の商品レビュー
_ちいさな街に、いっけん、ちいさなゆうびんきょくがあった。 白くて、四角くて、まるで、だれかが森の入り口においた、いっこの、角ざとうのようだった。ゆうびんやは、ふたりだけ。_ もう、詩です いちども手紙をもらったことのない、とうだいもりのじいさんを思って書いたゆうびんやの手紙...
_ちいさな街に、いっけん、ちいさなゆうびんきょくがあった。 白くて、四角くて、まるで、だれかが森の入り口においた、いっこの、角ざとうのようだった。ゆうびんやは、ふたりだけ。_ もう、詩です いちども手紙をもらったことのない、とうだいもりのじいさんを思って書いたゆうびんやの手紙が 思いもかけず詩であった。 街のひとたちが ゆうびんきょくにじぶんにも 詩を書いて欲しいとやってきて… 街の人たちも 手紙を書いたゆうびんやのガイトーも 配達したトリノスも、みんなの心がやさしくなる そしてこの本を読むと 詩を書いてみたくなる。 お話しの中で11通の(11篇の)詩 が書かれていて、それはらみんな手紙に関する詩っていうところも上手いですよねぇ。 ラストはガイトーのひみつにも触れます。 これは大人にも、こどもにも読んでもらいたい。
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「詩っていいな、手紙っていいな」。そして、「人間っていいな。」それが、この本を読みながらずっと感じていて、読み終わった今もっと強く感じたことだった。 だれが書いたものかも分からない詩。その手紙は、人生を変えるような大げさなものじゃない。だけど、懐かしいなにかに触れるような、悲し...
「詩っていいな、手紙っていいな」。そして、「人間っていいな。」それが、この本を読みながらずっと感じていて、読み終わった今もっと強く感じたことだった。 だれが書いたものかも分からない詩。その手紙は、人生を変えるような大げさなものじゃない。だけど、懐かしいなにかに触れるような、悲しみにやさしくふけられるような詩で、住人たちは心が解きほぐされていく。 詩人の正体を知っている読者は、郵便屋と住人たちのやりとりに微笑まずにいられない。郵便屋のガイトーとトリノスの静かで温かい会話も心地良かった。手紙そのものについて思いを馳せるラストもすばらしかった。 素敵な読後感。子どもたちに読んであげたい。
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四日市のメリーゴーランドさんにお邪魔した時に、増田さんが一押ししたので即買いした本。 増田さんがベストセラーに押し上げたと言っていた。ま、そうだろうね。
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手紙は文書であるが、詩は文学である。 よって、手紙は相手に伝えるために書くもので、詩は自分を表現するために書くものだと言えるのではと思う。 郵便物は相手に届かなければならないもので、かつ、その対象が手紙であれば、伝わるべき内容は相手によって変わるものではない。しかし、届ける物が...
手紙は文書であるが、詩は文学である。 よって、手紙は相手に伝えるために書くもので、詩は自分を表現するために書くものだと言えるのではと思う。 郵便物は相手に届かなければならないもので、かつ、その対象が手紙であれば、伝わるべき内容は相手によって変わるものではない。しかし、届ける物が詩である場合は、相手によって何を感じるか、どう受け取るかは自由なのではないかと思う。 詩を受け取って、その後いったいどうするのか。 お元気ですか、という手紙に返事を書くのとは違い、書いた人が空について何を思ったのかや、うさぎの足跡をどう見たのかが書いてある詩に対して、わからないと捨ててしまうのもいいのかもしれない。 または、そんなつもりで書いたわけではない詩を、お守りにして持ち歩くのもいいのだと思うし、別の誰かにあげてもいいのだろうとも思う。 つまり詩とは、文学とは、受け取った後が大事なのかもしれないと思った。 受け取ったのであれば、自分に活かせばいい、活かしてしまえばいいのではないかと思う。 とは言え、活かすにはどうしたらいいかと考えなければならない。 ならば、文学を読む意味とは、考えることができるようになること、考える力を身につけることだと言えるのではと思った。 実際に、あのとうだいもりは手紙をもらったことがないらしいと聞き、ガイトーは考えた。 手紙を送りたい、だが誰が書くのか? 自分が書こう、では何を書けばいいのか? どんな人かをほとんど知らないとうだいもりのことを書くことはできないので、ならば自分が思うことを書こう。 と考えたことで、物語が動き、始まっており、つまり何かを動かすためには、まず自分が行動を起こすこと、自分の考えを表現することが必要なのだと思われる。 自分が行動するのに、また自分の考えを表現するのに、ひらがなしか書けないことは特に問題ではないはずである。 重要なのは動くことであり、動くか動かないかの違いに比べれば、「しらぬが花」と「言わぬが花」など同じ意味に思える。 そして、ガイトーの行動は確かに他人を動かしている。 ガイトーはトリノスに、とうだいもりへの手紙を届けてほしいとは言ったが、詩を書いてはどうかなどと言ってはいない。 しかしトリノスは詩を書き始めた。 このトリノスの変化は、まずは自分が行動したガイトーが起こしたものなのだろうと思う。 誰かを変えるには、または変えるつもりなどなくても相手のために何かをしたいと思うのであれば、その「してあげたい」という考えを押しつけるのではなく、あくまでも自分の考えを表現することが正しいのかもしれないと思った。 しかし、ガイトーに倣えば、自分の考えを表現するとは、「自分はこう思う」。だけである。 決して、「自分はこう思う、だからあなたはこうすればいい」などではないことがわかった。 つまり、この感想文も、これはあくまでも私の考えである。 決して、この文の最後に、「ぜひあなたも読んでみてください」などとは言ってはいけないのである。 この本は、ゆうびんやさんからのおくりもので、受け取れることがすばらしいことであった。
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大好きな絵本画家、まつむらまいこさんが読まれていて気になった本。素敵な方が読まれている本、もれなく素敵説。あたたかい絵本だった。
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週末の話。 モエレ沼公園のガラスのピラミッドのイベントに行ったんです。 イサム・ノグチ設計による、全面ガラスのピラミッド。透明のアトリウム内は長い残響があり、コンサートホールにはない材質と形状ゆえに独特の音響をもっています。 宮内優里さんが、そこでBGMを生演奏&即興で公開制...
週末の話。 モエレ沼公園のガラスのピラミッドのイベントに行ったんです。 イサム・ノグチ設計による、全面ガラスのピラミッド。透明のアトリウム内は長い残響があり、コンサートホールにはない材質と形状ゆえに独特の音響をもっています。 宮内優里さんが、そこでBGMを生演奏&即興で公開制作するというイベント。この方を初めて知ったのですが、図書館で読書の音楽を演奏する催しもされているんですね。 日曜日の午後1時から5時まで、好きなだけいて、好きなことをしていていいですよ、という。 心地よさそうだから行ってみよう、そこで読む本がほしいねということで道すがら書店に寄って、この方の本があればいいなあと子供の本の棚を探したら、ありました。やったー。 (ここまで前置き。ここから本のレビューです) お話の舞台はとある街、一軒だけの郵便局。局員はたったふたり、街灯みたいにのっぽのガイトーは受付担当、もじゃもじゃ頭のトリノスは配達担当。 かれらが、一度も手紙をもらったことがない、という灯台守の言葉を聞いたことから始まる物語。 短いお話に、手紙というかたちで挟まれる詩。さいしょのひとつは、空が海を乞うことば。あまりに烈しく切実で、リフレインが歌のようで胸を打つのです。 U2の「Electorical Storm」を連想しました。海辺で雷雨を希う、愛の歌。「Baby don't cry」と繰り返される度にかえって泣きたくなる大好きな歌。 そのあとも一話ごとにひとつ届く「手紙」。封筒を開くたびに、どきどき、息を詰めてしまう。 これから読む方には予備知識なしで「手紙」を受け取ってほしいので、内容にはこれ以上触れないでおきますが、構成もめちゃ好みでした。 ノッポとモジャモジャのコンビって、バディものの王道かい!いいよね〜とか 子供の本なんだけど地の文はかっちりドライでかっこよくて好きだなとか 扉や本文にちりばめられた淡色のイラスト、色合わせと余白が絶妙で、光差す午後に似合うなあ…とか。 好きなところがいくつもあります。 さて、ガラスのピラミッド。 遠くにはプレイマウンテンでそり遊びする小さな人影や、近くの空港に発着する小型の飛行機がみえる。中は暖かくて明るくて、テイクアウトのおひるを食べる人やくつろいで編み物してる人なんかもいて、とても良かったです。 明るく透明なアンビエントの生演奏。シンセで奏でるエレクトロに、ミニギター(よくわからないけどウクレレよりは大きかった)、カリンバ。音が漂い、水音や静かな話し声が重なって、チルの極み。 ときどきお茶を飲んだり、あくびしたり、おやつをつまんだりしながら、ゆったりと読みました。 特別な時間に似合うものを読みたくて選んだ本、ぴったりでした。読めてうれしかったです。 なお、宮内さんの作品は(全部聴いたわけではないのですが)「LOG」シリーズが好きです。身近な環境音に演奏を重ねたシリーズ。りんごのサブスクサービスにはたくさん音源が上がっているのですが、アルバムをピックアップしてこの本棚に並べるのは難しそうのので、ひとまずここでご紹介しておきます♪
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心とカラダがゆっくり温まる作品。 詩とストーリーが綺麗に交差していて、次第に街全体が立体的に浮かび上がる。
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小さな街の小さな郵便局で働くガイトーとトリノス。 この2人の会話が優しくて、そして切ない。 何度も読み返すたびに沁みてくる思い。 それは、ガイトーの手紙=詩からも伝わってくる。 その詩は、届いた人の気持ちまでわかるようで、貰った人は唯一無二の宝物のようである。 あした あそぼ...
小さな街の小さな郵便局で働くガイトーとトリノス。 この2人の会話が優しくて、そして切ない。 何度も読み返すたびに沁みてくる思い。 それは、ガイトーの手紙=詩からも伝わってくる。 その詩は、届いた人の気持ちまでわかるようで、貰った人は唯一無二の宝物のようである。 あした あそぼうって いわれたら うれしいけど うれしい きもちは きえてしまう ばかって いわれたら かなしいけど かなしい おもいも きえてしまう ことばは いま だけ とりの こえや かぜの おとみたいに だから ひとは もじを つくった この すてきな きもちが あしたへ のこりますように この くるしい おもいが いつか むかしのこと と わらえますように この詩が一番心に残った。 自分のことばで手紙を書けば思いは伝わるということを詩から知った。
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“はいたつミス”というてがみ(し) 全部ひらがなで短く、優しいてがみなのに…、最後の一行で体が重く固まるような、こんなにも恐ろしさに襲われるなんて。
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【収録作品】 一通め 岬のとうだい 二通め 日ざしと日かげ 三通め 夏のバラ 四通め おまもり 五通め とおいふなのり 六通め あこがれ 七通め ラブレター 八通め 北風にのせて 九通め 大雪の日に 十通め きみの友だち 十一通め 春にさく花 そして一通め しじんのゆうびんや ...
【収録作品】 一通め 岬のとうだい 二通め 日ざしと日かげ 三通め 夏のバラ 四通め おまもり 五通め とおいふなのり 六通め あこがれ 七通め ラブレター 八通め 北風にのせて 九通め 大雪の日に 十通め きみの友だち 十一通め 春にさく花 そして一通め しじんのゆうびんや 自分のために書かれた手紙=詩は人の心を温める。 人を思う気持ちが詩になるのかな。 それをほしいと願う気持ちはわかるけれど、なんだかちょっと図々しいような気もしてしまった。 もらうばかりで返事を書こうと思った人はいなかったのかな。 温かくて寂しい物語。
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